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VR世界に少女が現れた、仲間になれますか?  作者: ゆっき
第1章 ゲームスタートと幼馴染
11/80

11 登校日とクラスメンバー

 2人の生産職と出会った後に、俺は再び平原にきていた。モンスターを横目に薬草や、この辺のアイテム採取をしているのだ。

 こういうのが意外と楽しくなってきた。たまにげどく草何かを見つけると、レアな気分になる。この辺だと生えてる数は少ない気がするからな。

 そんなことをしているうちに時間は1時を過ぎていることに気づいて、林入り口が近かったのでセーフティエリアに入ってログアウトした。


 現実に戻り洗濯物を確認する。乾いてしまっているので取り込んでしまってから昼飯づくりにかかる。

 今日は、昨日見た時に賞味期限が少し危なくなっていた安売りでとりあえず買った肉を使って三色丼だ。

 調理をしているうちに時間が過ぎて、完成した頃には2時になっていた。そして、自室から夏海ちゃんもでてきたが、何故か疲れ気味である。


「どうした……いただきます」

「いや、それがねー……いただきまーす」


 ひとまず席について、きちんと挨拶だけは済ます。


「今日はクラスの中でも一番仲がいい人とプレイしてたんだけど、他の人が予定合わなくてね。それで野良でパーティー作ったんだけど、外れに当たっちゃってね」

「あぁ……」

「デスペナ痛いんだから、御免こうむるよね!」

「まだ1回もしんだことないからわからないけどデスペナって何があるんだ?」

「スキルレベル合計が70をこえるまでは30分間のステータス低下。70をこえたら1時間のステータス低下だよ。夏休みならともかく、学校ある時にデスペナでたら次の日休みじゃない限りその日はプレイ終わりにしちゃうくらいに下がるの」

「まじかよ。それは辛いな」


 味付けちょっと濃かった気がするな。


「それでちょっとナイーブなんだよー」

「飯を食って元気を出せ……」

「うん……お兄ちゃんは何してたの?」

「フレンドが増えたり薬草採取してた。なんかポーションとか大変らしいな」

「あぁ~うん。大変だよ。なつも友達の1人が調合とってなかったらやばかったもん」

「……お前って専属の鍛冶師とかってもしかしていたりする?」

「ん? 専属って人はいないけどよく頼む人はいるよ。もうお店持ってる人だから、知る人ぞ知る状態だけどね」

「あぁ、露店じゃなくて店持ってるのか」

「どうかした?」

「いや、気のせいだったから気にしなくていい」

「そっか……お兄ちゃんあとで一緒にプレイしよう!」

「別にいいけど、お前のあとではあてにならないからきめろ」

「明日、登校日だし帰ってから」

「わかった。まあ今日は俺は平原で採取してると思うから、何かあったら連絡すりゃとれるから」

「いえーい! といいつつ、ちょっと午後は攻略してくるダンジョンがあるから、多分大丈夫だよ」

「そうか」


 こうして遅めの昼飯を終えた。その後は先程話してたとおりに薬草を採取しながら、明日は夏休みの中でも数回ある登校日だから、夜はプレイせずに寝た。


 ***


 次の日、少し久しぶりに感じる夏服に腕を通して学校へと向かう。俺は2年で夏海ちゃんが1年なので、途中までは一緒だ。

 教室にたどり着くといつものメンバーが当たり前だがきている。


「秋、おはよう」


 幼馴染の智愛。


「よっす秋乃。おはようさん」


 親友かはわからんが仲は結構いい隼人。


「アキちゃんおはよ~」「秋乃はよっす」「秋乃っちはよ~」「秋ちゃんハロー」

 こうやって挨拶だけ聞いてるとものすごいうちのクラス濃いやつ揃ってる気がしてきた。


「おはようございます。秋乃さん」

「おはよう……あっ」

「登校そうそう聞きたいことがあるんですけどいいですか?」

「いや、俺も聞きたいことができたんだけど、まあ先にどうぞ」


 自分の席について前の席のショートカットの女子、木田翠花(きだすいか)を見てふと思い立った。


「ではお言葉に甘えて、もしかして昨日あったアキさんって」

「やっぱりか……」

「正解ということで?」

「うん。アキは俺だよ……ミドリであってる?」

「正解です。翠花の(すい)からつけました」


 クラスメイトで見覚えがあると思ったら、大正解だった。昨日であった薬師ミドリの正体は目の前にいる翠花だったわけか。


「もしかしてティアも学校にいるのか?」

「ふふっ、意外な人ですよ」


 翠花は何故か意味深にそう笑う。そんな風にしていると智愛と隼人もこちらへとやってきた。


「どうした、なんか面白い話か?」

すいどうしたの? 秋が何か笑える話でも話したのかしら?」

「いえ、最近流行りのOAOの中で昨日出会っていたことが判明しまして」

「お、木田もやってたのか!」

「ということは隼人くんもですか」

「おう。あとでクラスメンバーでもやろうぜー」

「そうですね……まあそれで、わたしがあった時にもうひとりと出会っていたのですが、全く気づいていないみたいで……両者ともに」

「うん?」

「昨日って私と一緒にプレイしてたわよね?」


 智愛がそんなことを言う。


「智愛もやってたのか」

「ゲームは嫌いじゃないし、今更隠すことじゃないわよ」

「まあそいつはそうだな。昨日は一緒にプレイしてたんだ……偶然一緒にいなかったタイミングに会ったのか?」

「かもね。翠とは結構一緒に行動してたはずだからね」

「ぶふっ……」

「「えっ?」」


 翠花が突然吹き出して思わず、俺と智愛の声がハモる。


「いえ、あぁ、もうこのままこじれてほしいけど、答え合わせしてあげましょう。秋乃さん。智愛の名前を単純にローマ字になおしてみてください」

「それは『chia』だろ?」


 机のにシャーペンで書きながら俺は確認してみる。


「それ意外にも打つ方法あるじゃないですか」

「それって『tia』か?」

「そうですそうです。『tia』ですよ」


 ですよって言われても……ん、『TIA』ってローマ字だと『ちあ』だけど、普通の発音だと『ティア』だったような。


「も、もしかして……」

「大正解です」

「マジかよ!」

「なんでこっちに言うのよ!? 何のことだか私はさっぱりなんだけど!?」


 こいつがあの目立つ鍛冶師のティアだというのか。雰囲気とか俺が知っている智愛の像と絶妙に被らなくて信じられない。

 でも、まあ金髪にくらいは憧れるのかもしれないな。金髪ではなかったけど。


「翠。私にも分かるように説明してくれない?」

「秋乃さん、なんで女性アバターになっちゃってたんですか?」

「機械の誤認だ誤認」

「そういえば、そうだったな。秋乃はなんかもうゲーム内じゃ女子だよな」

「そうだ、てめえには一発入れておこうと思ってたんだ」

「理不尽がっ!?」


 この前、なんか否定もせずにいたこととかその他諸々の一発を隼人にいれておく。


「女性アバター……秋が?」

「……おう」

「……も、もしかして槍を使っていたり?」

「そのとおりだよ」

「え、え、えぇぇえぇぁ!?」

「女子が出しちゃいけない声になってるぞ。落ち着け」

「いや、だって、それって昨日のあの俺っ娘がア――ぼっ」


 さすがにそれをクラスに響き渡る声で言われるのはまずいので、手で口をふさぐ。


「まて、クラス内でそれ以上大声で口に出すな」

「はぁ……お、落ち着いたわ。でも、いくら秋が女子っぽいからって誤認ってどういうことよ。スキャンと写真判定どっちでやったの? どっちも?」

「どっちものやつだ」

「それなら、写真見せなさい。その時使った」

「コレだけど」


 俺はスマホに保存してあった、写真判定のために送った写真を見せる。ついでに覗き込んで翠花と隼人にも見られる。


「あぁ……そりゃ誤認されるわよ」

「いつもの秋乃じゃねえか」

「いや、まあ隼人さんだとわかりにくいかもしれませんね」

「何が原因か分かるのか?」

「サイズの問題もあるけど、あんたこれTシャツ以外レディースでしょ?」

「……そのとおりだ」

「多分、それが原因だと思うわよ。髪も無造作に伸びちゃってた時期の写真だし」


 言われれば言われるほどたしかに誤認されそうな要素たっぷりなことに俺は今気づいた。


「だ、だって一番最近とった写真を送れって書いてあったから、写真そもそも、そんなにとらないから一番最近だと去年の冬の写真になっちまうんだって!」

「まあ……自業自得だわこれは、でも可愛くなってよかったわね。これで女子としてステータス低かったらまじで笑えなかっただろうし」

「可愛いと言われる時点で複雑なんだけど」

「我慢しなさいよ。今度お金払えば武器作ってあげるから」

「あ、薬草また限界近くとったから買い取ってくれないか?」

「了解です。午後でいいですか?」

「夏海ちゃんと約束してるから、確認してみてみる」

「わかりました」


 その後もゲーム談義に花を咲かせているうちにチャイムがなって授業が始まり、午前中はあっという間に過ぎていった。


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