寮生活
あの騒がしい(俺だけ)ホームルームが終わりクラスを出るとそこにはさっきフォローしてくれた女の子が立っていた。
「あ、君!さっきはありがとね。助かったよー」
「・・・」
?返答がない。
「あ、あのー?」
すると何故かそのまま踵を返して俺たちが向かう方向とは逆の方向に行ってしまう。
「あ、おーい!行っちゃったよ。なんで無視されたんだ?なんか気に触るようなことでもしたかなー?」
と、一人でブツブツ呟いていると不意に俺の袖が引っ張られる。
「お兄ちゃん!早く寮にいこう!」
「あ、あぁそうだな、分かった」
というわけでとりあえず寮部屋に向かったのだった。
「ここが寮部屋かー。結構広いんだな」
「そうだねー!あ、見てみてお兄ちゃん!二段ベッドだよ〜!私、上がいいー!」
寮部屋に入るなりハイテンションな優華。
「おう、いいぞ。それにしても優華と二人でまた暮らせるとは思ってなかったよ。これからはまたよろしくな、優華」
「うん!こちらこそよろしくね、お兄ちゃん‼︎」
それから俺たちは荷物の整理をしたりしていた。その時ふと気が付いたたことがあった。
「そうだ。今思ったんだけどさ、 優華ってすごい美人だよな。血が繋がってなかったら本気で恋してたかもしんねーくらい」
と、いう豹月の一言で優華はフリーズした。
「ん?どうしたんだ?」
「ど、どうしたじゃないよ!いきなりなに言ってるの、お兄ちゃん!」
顔を真っ赤にして怒鳴る優華。
「あ、そっか。まず家族じゃなければ俺のことなんか眼中にないか」
と、笑いながら言う豹月。
「そ、そういう問題じゃないよ!」
と、頬を膨らましながら抗議をしてくる優華。そんな姿も本気で可愛いと思ってしまう豹月だった。
荷物の整理も終わり、シャワーを浴びていた優華。
「はぁー。さっきはびっくりしちゃったけど美人かー。ふふふ、嬉しいな」
と、先ほどのやり取りを振り返り一人でにやける。
「血が繋がってなかったら本気で恋してたって、なに言ってるんだか。それに家族じゃなければ私がお兄ちゃんのことなんて眼中にないってそんなわけないのに」
そして、微笑みながら、
「本当に再会できてよかった。私の命の恩人であり、大好きなお兄ちゃん」