妹との再会
儀式が終わり自分のクラスに入る。その途端にざわめきが聞こえてくる。
「ねね、あの人が神と契約したらしいよ」
「えー、本当に?すごいねー」
案の定、自分に対してのざわめきだったわけだが…
そんな中一人の女の子が俺の前に現れ、そして
「お兄ちゃーん!」
抱きつかれた。
「って、は?お兄ちゃん?お前、誰だ?」
すると、その子は怒ったように頬を膨らまして
「えー⁉︎覚えてないの?私だよ、優華!あ、でも10年ぶりだから覚えてないのも無理はないか」
「え!?」
10年の出来事を頭の中で引っ張り出す。何か心あたりは?あった。そう、10年前は俺の両親が離婚したのだ。そして、その時に俺は父親に引き取られて、母親側には…
「あ⁉︎優華!」
「思い出した?」
俺は勢いよく頭を縦にふる。そうだ、こいつは俺の妹の蘭成優華。あの時、泣きじゃくる妹が母親に引き取られていく姿を確かに見ていた。
「ほ、本当に優華なのか?」
「うん!久しぶりだね、お兄ちゃん!会いたかったよー!」
ともう一度俺に抱きついてくる。
「お、おい優華。こんなところで抱きつくなよ。みんなみてるぞ」
「えー、いいじゃーん。10年ぶりに再会したんだから!」
などと話しているとクラスの扉が開き一人の女性が入ってくる。
「はーい!こんにちはー!みんなー、ホームルームやるから席ついて〜。そこの仲良しのお二人さんもー!」
と、言われた通り席へ着く。
「はーい!みなさん、初めまして&こんにちは!このクラスの担任のサナちゃんでーす!サナ先生って呼んでね!」
この人が担任で大丈夫何だろうかと、あたりでざわめきが広がる。
「でー、早速この学校の軽い説明ねー。それ終わったら寮の同居人発表ね!」
と、言い終えて顔をあげた先生と目が合う。すると、
「あー!噂のイレギュラー君だ!」
騒ぎ出した。それにつられて周りの視線も俺に向けられる。そんなことは知らずと、
「ねね、どんな神様と契約したの?」
はー、この人は少しは空気を読んでくれ、と心の内で突っ込みを入れつつどう答えるか迷っていると、
「今その話をする時ではないはずです。先にこの学校の説明をお願いします」
と、俺のことをフォローしてくれた。その声の方向に顔を向けると、そこには金髪ロングでポニーテールの女の子がいた。後でお礼を言っておこうなどと考えていると先生の説明が始まった。その内容はこうだ。
登校時間は8時半。
訓練学校といえど通常の科目もしっかりとやること。
などなどの注意事項。だが次が重要だ。自分の寮の同居人は戦闘する時の相棒になるということ。そしてその俺のパートナーというと、
「イレギュラー君のパートナーは、優華ちゃんでーす!あれれー?仲良し二人組だー。いくら仲がいいからって最後の一線はこえないでね?」
「こえるか!」
と、俺は真剣に反論するのだった。