表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/15

過去⑤

車内で数時間眠ると外が明るくなり、碧が先に目を覚ました。ヒロはまだ寝ている。ヒロの寝顔を見ていると、ヒロが目を覚ます。

ヒロ「ん・・・」

碧「おはよう・・・ヒロ」

碧が少し恥ずかしそうに言う。

ヒロ「おはよう・・・眠れなかった?」

碧「ううん、たまたま早く目が覚めたから」

ヒロ「そっか」

ヒロはエンジンをかけ、エアコンを入れた。

ヒロ「このまま温泉行く? お昼はそこで食べるけど・・・朝ご飯食べたいよね」

碧「うーん・・・」

ヒロ「チョット何か食べて行こうか」

碧「そうだね」

ヒロが予約した温泉に向かう途中でコンビニに寄り、朝ご飯を調達した。

ヒロ「お昼は美味しい物食べれるから、これで我慢してね」

車の中で食べながらヒロが言った。

碧「我慢なんてしてないよ?」

ヒロは碧の頭をポンポンと撫でた。


温泉旅館に着いた。部屋に案内され、一息つくと温泉に入った。

ヒロ「ゆっくりしておいで」

碧「うん」


ヒロは温泉に浸かりながら、午後の予定を考えた。

(このまま泊まるのもいいけど・・・飲みにも行きたいし・・・どこかないかな・・・)

部屋に戻ると、PCでルームサービスが充実したホテルを探した。いくつかあり、予約を入れようとするが、なかなか希望通りの部屋がない。

(困ったな・・・碧とゆっくり話がしたいのに・・・)

仕方なく一番希望に近いホテルを予約した。

(急だしな・・・仕方ないか・・・)


碧は傷を濡らさないように気を付けて温泉に入った。

(碧が好きになるのを待ってるから・・・)

ヒロに言われた言葉を思い出す。

(待ってるって・・・私はヒロの事を好きになっていいの? 信じていいの? 好きになってどうなるの? 信じてどうなるの? また前と同じだよ・・・)

高校生の時を思い出した。温泉で温まりながら目を閉じた。

(きっと今だけだよ・・・すぐに・・・誰も私の事なんて・・・)


部屋に戻るとヒロは電話をしていた。

ヒロ「お帰り」

碧「・・・ただいま」

ヒロ「どうかした?」

碧「え?」

ヒロ「何か元気ないから」

碧「あ・・・チョット長く入り過ぎたから・・・」

ヒロ「大丈夫?」

碧「大丈夫」

部屋に食事が運ばれ、食べながらヒロは碧の予定を聞いた。

ヒロ「あのさ・・・これ食べたらどうする?」

碧「どうするって?」

ヒロ「碧、学校とかは?」

碧「学校は金曜日の卒業式行くだけだから・・・」

ヒロ「じゃあ、明後日まで大丈夫?」

碧「うん」

ヒロ「夜景が綺麗なホテルを予約したんだ」

碧「うん」

ヒロ「イヤ?」

碧「ううん。何で?」

ヒロ「・・・じゃあ決まりね」

ヒロは温泉に来てからの碧の様子が気になったが、また夜にゆっくり話そうと思った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ