『通行人』
誰もが互いを知らなくて
誰もが互いを気にかけてなんかいないのに
ただただ同じ方を向いて同じように歩いていく
そこに違いはあるのかな?
たとえ誰かが道をそれても
それでも人は流れてる
たとえ誰かがはぐれても
やっぱり人は流れてる
一人が消えても誰かはいる
誰かが消えても誰かはいる
誰かにとって大切なものも
私にとってはどうでもよくて
私にとって大切なものも
誰かにとってはどうでもいい
だから世界は平等で
天は人の上に人を創らず
何もかもがきっと本当は無価値
歩道橋の上から見下ろす私は
下を流れる人々よりも神様に近いけれど
それでもやっぱり無価値で
何処の何の誰それも違いなんて結局無い。