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恵体なる物語

 あれから――

 あれから20年経った。今では私が特別な存在だと感じました、もう二度と外国に行ったりしないよ。

 冗談はさておいて20年経ったのはマジです、今では私はおじいさん。


 合法ロリは幻覚じゃなくリアル魔法少女で大勝利だったがやはりシェリーさんの陰謀だった。挙句にあの戦争で足首に投石を受けてしまってな……引き篭もる素晴らしい理由が出来たすばらしい、年金機構がないせいで障害年金は貰えなかったがたまに行く狩で十分な暮らしが出来ている。養殖兼アイテム拾い係の若者達からは頼られるナイト的存在だ、メイキュウマエの防壁の上から狙撃するだけの簡単なお仕事です。ドラゴンさんには本当にひどいことをしてるよねサーセン。

 あともう俺は魔法使いと呼ばれない系の立場、所謂嫁さんも貰ってリア充まっしぐらと言った所かな。俺はロリコンじゃないから18になるまで待ってからミミーちゃんと結婚した、俺はミミーちゃんと結婚したぞ。

 子どももたくさん生まれて野球チームを作ろうかと思ったら野球という概念がなかった。


 ところで攻略本とかガイド本って大体年代わりで新しいのが出るよね。うん、例えば去年の観光ガイド持って旅行に行くと大体あってるんだけどたまに改装中だとか移転しましたとかでたどり着けない場所が出てくるあれ。

 つまり


 今代の冒険者たち / *著

 コンダイ ノ ボウケンシャ タチ

 第210版改訂

 出版地不明 : 出版者不明 , 出版年不明

 203p ; 29cm

 キンダイ ノ ボウケンシャ タチ

 表紙に 常識的な冒険者に送る の表示あり

 巻末に折りたたみ式地図あり

 * <*************>


 俺が持っている攻略本がこれなんだ、十数年前にシェリーさんが持ってた東山さんの攻略本を読み込ませてみたら


 今代の冒険者たち / *著

 コンダイ ノ ボウケンシャ タチ

 第210版改訂

 出版地不明 : 出版者不明 , 出版年不明

 203p ; 29cm

 キンダイ ノ ボウケンシャ タチ

 表紙に 常識的な冒険者に送る の表示あり

 巻末に折りたたみ式地図あり

 * <*************>


 なん……だと? まったく同じ物のようです、版違いなら登録可のはずなんだけど副本登録は出来ませんだってさ。仕方ないね。

 少なくとも100年前の攻略本なんだよ! 下手するとチート転生者の時代が終わってから更新が止まってるかもしれない系の不具合。調査できたのは東山とサルト王国の一部分だけだがまず間違いないだろう。通りでオススメ魔法が使えなかったり狩場の魔物が絶滅したりで鉄板育成ガイド通りに進められないわけだ。バーボンってレベルじゃねーぞ。

 最低でも210人はまともな内容で読めてたと思えばいいんだろうか、あもりにも放置すぐるでしょう。修正されてください。

 内容は古代語でもない謎の言語で誰にも読めない仕様になっているようで重要な物だとは誰も気づかなかったらしい、読めない攻略本とか罰ゲーム過ぎるワロエナイ。読めさえすれば腐っても世界レベルの宝なのにな。

 そう考えると魔本さん実はすごく優秀でした。もし魔本さんがなかったらと思うと……ゾッとするよ。

 転生すると標準装備なのかそうじゃないのか分からないがなかったら死んでたかも分からんね。東山さんは読めてたんだろうか?


 丸ごと放置ワールド過ぎて軽く絶望したけど暮らしていく分にはなんとでもなった、子ども達も養殖に加えてレベラゲした結果超パワーになってしまったがまあ高いにこした事はないしいいんじゃないかな。


 こっそり取り込んだ本を眺めながらのんびりと余生を過ごそう、いやあ楽だな。あとどれくらい生きられるかは分からないがいい人生だろう?


 テレビの前の皆ももし異世界転生することがあったら最初にどんな世界か確認しておいた方がいいぞ。チートTUEEEな時以外は転生しない方がいいかもしれない可能性が微粒子。

 俺はようやくのぼりはじめたばかりだからな このはてしなく遠い隠居坂をよ……

















 そんな夢を見ていたというと思った? 残念現実でした。今では私がおじいさん。

 この20年だらだらしていたけどたまに戦争に連れ出されている、シェリーさんの気持ちがよく分かったが問題なのは連れ出すのが決まってシェリーさんな件について。これは訴訟不可避、もう気を失ったら戦地に向かっているパターンはいい加減にしろと。

 もうおっさんを通り越して爺さんになっている俺が戦場に立つとかもうね、死亡フラグがどこに立っているか分からない系の不具合は勘弁してくださいますか? 女房が嘆くので。

 ただ子どもや孫がお爺ちゃんすごい系の目線を投げてくるのは悪くない気分にならないでもない。基本狙撃と爆撃だけなので安全だし経験点も稼ぎやすいしな。


「トム君トム君、あれは敵でよかったかな?」

「ハッ! 間違いありません。横腹に食いつけましたな」


 トム君も今では立派なネコミミナイトに進化した、英語で言うとキャプテン。いざという時は俺を抱えて逃げてくれる素晴らしいナイトだすばらしい、こちとら走れない体だからな。歩けるが走れない程度の負傷と年のせいか今では動くのが億劫だ。

 偶の刺激って割には物騒な遠足だが老人特有の症状を予防するためにはいいんだか悪いんだか、もう少し穏やかなのを希望する次第。


 そんなわけで俺の冒険はこんなかんじだ。植物の心のような暮らしには成れなかったがリア充もどきには成れたし大勝利といわないでもない。

 人生で最も大切な金は問題なくあるし俺の嫁と子ども達も元気いっぱいだ、やっぱり大勝利でしたわ。


 俺の戦いはこれからだ! ジトウ先生の次回作にご期待ください。ご愛読ありがとうございました。

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