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天丼

 頭がガンガンする、最悪な目覚めだ。


 ここはどこ私は俺という顔になるがあれ? 見覚えのある狭さだがここは船室……か? 


 またかよ! もう戦争には行かないっていったじゃないですかやだー。これは断固抗議するべきそうすべき。

 確かトム君がクラスチェンジして部屋の串刺しが一つ増えて護衛隊が編成されたんだっけ? どうにも記憶があいまいだがいったい何が起こったのだろうか。


 どうせまた人をコック代わりに遠征に巻き込まれたんだろうけどいい加減にしろよ。戦艦アクションものならコックは最強だが海洋パニックものなら即死要員という名言を知らないのかよ。俺は部屋に帰らせてもらう。

 その前に拉致した当人に一言文句を言いに行こう、大人は約束を守らないことはあっても契約を守らないのはダメだろ常識ィ。


 装備は全部揃っているようだが見事に配置が同じだな、感心するべきなんだろうか。フル装備になってドアを開ける、そこには警備隊の2りがドアの横で立ち番をしていたようだ。


「おはようございます、トム君かシェリーさんはいませんか?」

「ハッ! 少々お待ちください」


 見事な兵士だと関心はするがどこもおかしくはない、右側の兵士が走り出した。どこへ行こうというのかね。


「将軍室までご案内します」


 なるほど、先触れという奴ですね分かります。残った警備隊の人について進んでいくとどう見ても旗艦ヒガシヤマダの中に見えてくるな、他の船には1度しか乗ったことないけど流石にそっくりすぎて間違いようが無い。まったく、何でまた乗せられてしまっているんだろうか。

 館長室にたどり着く、警備の人がノックしてくれた。


「どうぞ」


 促されて中に入る、そこは雑然とした部屋だった、壁一面に本棚と紙束が並んでいて床には木箱で部屋の半分が埋まっている。窓側には机がありそこには誰かがいるようだが大きな椅子が逆向きになっていて見えない。まただよ(笑)、椅子が回転する。


「あらおはよう、今日は何かあったかしら?」


 効きたいのはこっちなんですがねぇ。


「いやひどいじゃないですか。もう戦争には行かないって、そういう話でしょう」

「どうしたの? まだ終わっていないのに気が早いじゃない」


 えっ? 困惑した様子だがどういうことなんだ。いや俺は悪くないはずなんだが。


「よく眠れなかったの? 僧侶とベテランに話せば少しは楽になるから」

「えっ? いやだって戦争が終わって王都に帰ったじゃないですか。俺は図書館に行ってアイスを作って」

「坊や、あなた疲れているのよ」


 なにその捜査官見たいな台詞は。どうにも話が食い違っているようにしか見えないがいったい何があったのか。


「新兵よりひどそうね、しばらくゆっくりするといいわ。話が出来る奴も呼んでおくからゆっくりしていて」

「えっ、ちょ」


 シェリーさんの目配せ一つで連行される俺、そこにいたのにいなかったという表情になるが何時の間にかいた警備隊の人に連れて行かれました。

 いったいどういうことなんだ……つれて来られたのは隣の小部屋だ。将軍室ほどではないが本棚が並んでいて机と椅子がある。誰かが座っているが見た目がアメリカンショートヘアで名前が雉ネコミミスキーさんじゃないですか、あと神父? 僧服というんだろうか英語で言うとカソックの人もいる。

 きずぐすりよりも解説博士を希望したいんですが在庫はないんだろうか。


 それから2りがかりで我が国の成り立ち的な講義が始まった、東山さんすごいですね。適当に相槌を打っていたがいったいどういう試みなんだろうか? 凶悪なサルト王国は悪い奴なんだすげー。見事な解説だと関心はするがこれって一種の思想教育なんじゃないですかねえ、あまり染まりたくはないが意図がよく分からない。つまり敵兵を皆殺しにしてもおkってことでおk?

 〆に神父さんが”全ての罪は創生神様に許されます”なんてことを言っていたが創生神さんはシカトしてるって言うか興味をなくしているはずなんだと教えてあげるべきなんだろうか。


 解放されたかと思ったら今度はムキムキマッチョの集団につれられて食堂で話が始まった、わしの若い頃はうんぬんかんぬんで長々と続いていたがまとめると


 ・新兵は人殺しで悩むこともあるさ

 ・仲間を守ったと考えればいいさ

 ・誰もが一度はそうなるから気にするな

 ・全ては国家のためぐぅ国


 お前らはいったい何を言っているんだ? いや同情してるんだか慰めてくれてるんだか知らないがなぜそうしているかの説明が抜けている系の不具合があるます、修正されテッ。

 そもそも人殺しで悩むフリはもう消化したでしょう? ほらこんなもん。


 そのとき俺に電流走る、ひょっとして今まで見ていたものは幻覚だったんじゃなかろうか。


 人殺しに悩んで都合のいい妄想をした結果安全な街に戻って普通の生活を再開した幻覚を見ていたとすれば説明がつく……ような。だれか俺の正気を証明してください。

 幻覚じゃない、いやよくよく考えると合法ロリドワーフ魔法少女は幻覚の産物といえなくもないな。現実に存在できるような物じゃないわ。イヤ……幻覚じゃない……幻覚なのか?

 ファンタジー世界では許されるはずだと信じたいが生首まで加わると流石に幻覚だと考えた方が妥当かもしれない、やっぱり魔法少女は2次元にしか存在しないんや、悲劇やな。

 そうすると串刺し2世も幻覚ということになるから俺の生活は安泰かも分からんね。


 つまり合法ロリは幻覚だったんだよ! 人類は絶望する!!

 まさか俺のメンタルがそんなにも弱いものだったなんで……人間の内面って自分でも分からないんだな。



























 そんなことで納得すると思った? 馬鹿なの? 死ぬの?

 まだ新手の傍らに立つものの攻撃で時間が巻き戻ったの方が納得できます、ただしそんなラスボスは今のところ居ない系なのでそれこそ幻覚だろ。

 俺は合法魔法少女を信じる、エルフとネコミミがいるなら合法魔法少女だって存在するに違いないだろ常識ィ。

 ともあれまだ戦争中でも終われば帰れるわけだしそれから図書館に行けば館長を確認できるしな、とりあえず保留でもいいか。

 どうせ食いしんぼシェリーさんが仕組んだドッキリに違いない、また遠征で俺を連れ出すために騙そうとしているんだ。


 そう考えると幾分と落ち着いてきたな、行き先はまたサルト王国らしいし騙された振りして適当に氷菓作りをしてだらだら過ごそう。

 部屋に戻ると扉の前に普通の鎧に戻っているトム君を発見したが目がギラついている、まただよ(笑)。


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