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常識の規範とは

 翌日、トム君がニコニコ顔で呼びに来た。いつもの鎧に比べて白くなっているがどうしたんだろう? 肩には盾マークに狐が入った文様が入っているがこれがシェリーさん部隊のマークなんだろうか。

 でも今は、そんな事はどうでもいいんだ。 重要なことじゃない。


 まず部屋に招き入れる。問題にしたいのは部屋の机に相変わらず突き刺さっている氷の串刺しオレンジ、無人島の人にあやかってウィルキんソンと名づけていたんだがそれが増えている件だ。

 串刺しなのは同じだが金属製のメインソードのようなものに刺さっているブリキの球体のような物、どこかで見たことあるなと思ったら昨日見た生首幼女が踏んでた物体だ。目と口のパーツがあったら人間は顔と誤認するというのがよく分かったよ。


 本物の生首じゃなくてよかったと思うべきなんだろうか、いやそれよりもなんで増えているのか問いたい問い詰めいたい。小1時間問い詰めたい。

 本気で異世界ファンタジーの常識を再確認した方がいいんじゃないかな? まあ一般論でね。このままではいつ致命的な致命傷を負う事態にならんとも限らん、問題なのは何を持って常識とするかなんだが俺の知り合いで一番常識的なのは……誰だろう?

 またしても基準が分からない系の不具合、修正されて下さい。


 ・ネコミミマッスル警備隊

 ・ネコミミ愛国ギルド員

 ・人間商人

 ・人間魔法使い

 ・ダークパワーに溢れる食いしんぼダークエルフ

 ・合法ロリドワーフ魔法少女 New!


 なんてことだ……なんてことだ。常識とはいったいなんだったのかという知り合いばかりになる。この中ではマルタスさんとマロークさんが比較的まともなんじゃないかと思ったが前回聞いたときそんな風習はないでおしまいだったしな、かといって年齢が超パワーの人達に聞こうにも串刺しにした当人なんじゃないですかねぇ。

 このままでは俺の寿命がストレスでマッハ、あわれにも常識が骨になる。


 生首もどきがロリ館長の仕業なのは確定的に明らかなんだろうけど昨日の今日でこんな行動に出るとかどういうことなんだろう、そういう行動力要らないから。


 これは調査の必要が……またこのパターンかよ。

 普通の転生物語なら魔王と戦ったりお姫様とキャッキャウフフするんだろうけどまるでわけがわからないよ、せめてもう少し常識的になってくださいますか? 迷宮や戦争イベはまだ理解できる範疇なんだけど日常が不可思議の比率が高すぐるでしょう。

 やはりオトモやペット枠に解説役が付いてないのが原因だと思った。もしも創生神さんに苦情が届くならその辺りを何とかして欲しいですまる。


「トム君トム君、昨日の夜何か物音はしなかった?」

「」


 返事が無いただのモウジャ・ボディのようだ。キラキラアーマーを自慢しに来た結果がこれ、もう少し謙虚になるべきそうすべき。


 朝飯代わりにウリカという名のウリを穿りながら考えてみる。

 昨日は新作アイスでヨイショしながらシェリーさんに貸し出し許可証をねだって書いてもらった、そのあと氷蔵庫ごと渡して俺は先に寝たんだよな。実にちょろい、ありがたいことだが。


「トム君?」


 ウリに視線を向けていたらトム君が消えた、と思いきやDOGEZAスタイルになっている。さすが猫だけあってすばやさに定評があるということかな、土下座に活かせるとは知らなかった。


「とりあえずシェリーさんに報告しておこうか、まだ下にいるといいんだけど」


 引き起こしてみるとうなだれているが着いて来るように言うと元気なく応答する、こんな兵士で大丈夫か?

 1階に降りるとそこには珍しく人がいた、というか白い姿の集団だ。シェリーさんもまだいるようだから助かったがこんなに人気がある受付ははじめてかも分からんね、王都支部復活や。


「ちょうどいい、護衛対象だ。貴様らの任務は脅威の排除ではない。肉の壁になって守ることだ。わかったか!」


 まただよ(笑)、東山万歳コールで活きがいいですね。朝っぱらから大丈夫なんだろうか。


「おはようございます。この人たちはいったい」

「新兵を貰ってきたのよ、慣れた奴らも欲しかったんだけどこの前の砦で警戒中だから無理だったわ」

「はあ、軍隊は大変ですね。ところで」

「とても良い成績の子達を厳選したのよ、喜んで集まってくれたの」


 愛国ゲージが振り切れている連中ばかりなんですね分かります、それでその新兵が護衛してくれるの? ほんとに大丈夫なんだろうか。


「えーと、朝起きたら机の置物が増えていたんですがどなたかご存知ありませんか?」

「総員警戒、2名着いて来い」


 きびきびした動きで散っていく新兵達、シェリーさんと2りが階段を登っていくので着いて行く。

 部屋の前に着くと2りが突入してしばらくすると出てきた、俺とシェリーさんが入る。


 小机の上をしげしげと眺めているシェリーさん、せっかくだしどういう意味があるのか今聞いておいたほうがいいんだろうか。


「いったいどういう意味があるんでしょうか?」

「とても大事なお客様という意味なんだけど最近の子は知らなかったのかしら? あとは逃が」


 途中で言葉を切るシェリーさん、逃が? 逃がすとか逃げるとかそういう意味か? 俺は部屋に帰らせてもらうかと思ったら逃げられないという意味じゃないですよねぇ。


「とにかく私がいる場所で舐めた真似をするのはどこの誰なんでしょうね、とても楽しくなってきたわ」


 またダークパワーがあふれ出している系、落ち着きたまえ^^。


「昨日図書館に行ったとき館長さんが踏んでたのと似ているんですが何か関係が有りますか?」


 ピタッという擬音がぴったりな感じで動きを止めるシェリーさん、再びまじまじと生首もどきを眺めている。凄く落ち着いたようだ、なんだかよく分からないが助かったよ。>>生首感謝。

 額に手を当て考え込んでいるようだが今度はつま先を上げ下げしたり歩き回り始めた。ちょっとカワイイかなと思わないでもないな。


 こう見ると三次元でも許される分類、いわゆるダークエルフさんなんだからじっくりと眺めよう。問題なのは過去形ヒロインって所と戦闘時ヤバイ所を除けばどこにも文句がつけられないんだよな……食いしんぼ? あれは属性で許されるレベル。多分、おそらく。きっと。ただし東山さんLOVEパワーが臨界しているから攻略不可です本当にありがとうございました。


 くそっ、なんて時代だ。どこかに気立てがよくて年下の美人が転がってないですかねぇ、俺のメインヒロインはよ。


 そんな彼女ができたら俺結婚するんだ……子どもは3りで小さな白い家に住んで犬と猫を飼う。完璧だな。

 見事な人生だと関心はするがどこもおかし

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