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伝説は本当だった(悪い意味で )、あるいはボートとはいったいなんだったのか

 前略 創生神様

 全部創生神様のせいとか言ってすいませんでした。マジ反省してます。


 今回は人的要因に溢れた行動のせいでねんがんでもない仕事を手に入れたジトウです。現在は船室に引き篭もってます、なぜか立場は参謀ってことになってるらしい(困惑)。

 兵隊に比べれば安全そうだがいつの間に軍人になってしまっている件について、臨時雇いでよかったよ。誰にも感謝はしねーけどな。


 あれから4日ほどたったが幸いなことに呼び出しもないので引き篭もりライフ再開や、仕事なんて無かったんや。壁ドンとかしなくても三食出てくるとか快適すぎワラタ、いや壁ドンしたことは無いんだけどね。ただ毎夜のお勤めの時だけは部屋から出ないといけないんだがその時に警備隊の人が警備してくれるのはありがたいがはたから見ると護送されているようにしか見えないんじゃなかろうか。参謀ベレー帽が無ければ危なかったな。


 あと警備隊の面々だが正直トム君とリールさんとマロークさん以外はあまり記憶に無い、というか4人の交代制で警備してくれているみたいなんだが知っている人はトム君しかいないのであまり会話も無い。リールさんは隊長だから引き抜けなかったのかも分からんが詳細は不明。ぼっちには厳しすぎます、修正されテッ。

 殺気立っているのに加えてそもそも防壁の警備隊が対人警護できるのかという疑問もあるのだがそのあたりは大丈夫なんですかねぇ……SPと交代してください、ねーか。


 そもそも俺は戦争ゲームが好きなのであって戦争が好きなわけじゃないんだ、ギルド戦やクラン戦はソロ乱入するぐらい好きだがリアル戦争は勘弁してください、リアルでは文官タイプなんです。

 氷菓を作るだけの簡単なお仕事ですと確約してもらっているから大丈夫だとは思うがコンフューズド・イクサバになったらそんなこといってられないだろうしな。汚い忍者並の回避能力が無いと死んじゃうでしょう? ほらこんなもん。

 願わくば船に居残りとかそういう役割でお願いしますマジで。これは海戦フラグとは無関係。


 というわけでだらだらしていたのだがシャーベットタイムの時に明日は昼に会議だって言われてしまった、これは逃げられない。知らない人ばっかのところに乗り込むとかいやで仕方ないがこんなこともあろうかと新装備:ドラゴンマントが用意されていた。なんでシェリーさんがもってるんですかねぇ……またマルタスさんもグルなんですね分かります。

 付いていた手紙によると耐火性能に優れた一品だとかなんとか、今回のはマルタス商店じゃなくて東山印が染められている。ちゃんとフードも着いているからこれを被っていれば直接目を合わせずに済みそうだ。戦時中のせいか軍人さんマジ怖いからしょうがないじゃん。温和なトム君でさえ敵の話になるとギラついた目で皆殺しにしてやるとか話し出すのは愛国心の表れってのを差っぴいても引くわ、俺の警護は大丈夫なんですかねぇ。中世では普通なのかもしれないが現代人には刺激が強すぎるでしょう。


 そうそう敵ってのはサルト王国の騎士団だそうな、名前は知っている程度だったが内乱中じゃなかったのか? この一ヶ月少々の間に状況が変わったのか知らんが急すぎる、拙速を尊びすぎィ。

 地図で言うところのイタリアみたいな東山王国と半島の根元、北側の山脈をはさんでサルト王国がある。今回は山脈の右端、海側から上陸して砦を作られている最中だそうでこれを潰しに行くんだとか何とか。その前に国境とか領海の定義を教えてくださいますか? リアルなら国境侵犯ってレベルじゃねーぞ。


 今はメイキュウマエの港に接岸して補給の最中だ、窓から覗くと荷物や人間が乗船していくのが見える。

 正直完全に理解できていないが会議の時間になったらしくトム君が呼びに来たので付いていく。俺は置物型参謀で氷菓製造機だから戦争とは無関係、これだな。このスタンスなら高確率で安全になれる。

 そんなことを考えていた時期が俺にもありました、おいバカやめろ。


 会議室前でシェリー臨時将軍閣下? と合流して中に入る。臨時の将軍ってそもそもおかしいんじゃないですかねぇ。

 中には鎧とローブに軍服と大まかに3種類の人間が並んで座っている、ここ数日では見たことの無い風体もいるがさっき乗船してきた人たちなんだろうか、男が多いが何人かは女だな。壁際にはメイドさんと執事までいるがなんでこんなところにいるんだろう。シェリーさんに続いて奥の席に着席だ。ローブ姿のおっさんが俺を睨んでいるがいったい何者なんだ……


「それでは作戦会議を開始します、まずは情報部の報告から」


 立ち上がったのは軍服の男だ、見た目はアメリカンショートヘアだがな。ネコミミノフ男爵(仮名)としておこうか。


「情報部第一分析隊のキジ=ネコミミスキーです、事の発端は山岳巡回兵からの一報です」


 微妙にあってたがこれも東山さんが名付け親なんだろうか? いいセンスだ。ただどこの出身なのかと問い詰めたい。3ヶ国に跨っている系の不具合があります。


 長々と喋ってくれたけどまとめ


 ・サルト王国から兵隊がやってきて築城してるよ

 ・見つけたのは巡回部隊で何名か被害が出たよ

 ・とりあえず皆殺しにするよ


 うん……なんていうか、俺のまとめセンスの問題が多少あったかもしれないが大体この内容であってる。あってしまっているんだけど最後の行の違和感がパないですね。

 久々のサツバツ・ワールドに触れてSAN値がマッハになってきたがまだ会議は続いている。早く終わってくらふぁい。


「質問がなければ作戦概要に移りますがいかがでしょうか? ではこちらにご注目ください」


 誰も疑問に思ってはいない系の不具合。壁に地図らしき物がかけられたが縮尺のせいかよくわからない、メイキュウマエとはかかれていないようなのでよほど山脈よりのところなんだろうな。

 これもまた謎文字とカタカナの併記になっていて読みづらいことこの上ないがこういうときこそヘルメットさんの出番ですねわかります。


 頭装備は重複されるのかベレー帽とフードの間にヘルメットが加わった感触がある、サイズとかどうなってるんだ……便利だからいいか気にしたら負けだ。

 早速地図を見直すと分析されて表示……されないな。翻訳機能は未搭載ですねわかりません、ハイテク遺跡探検隊を見習ってください。代わりといっては何だが人間というか生体の分析はしっかり出来ている件、本当に戦闘向きにできてますよね。二足歩行型猫男の骨格はまじまじと見ても楽しくないのでもう切っておこう。


 説明が続いているが沖から奇襲して仮設港と船をしとめてから陸戦隊が乗り込む手はずになっている。敵船が出張ってきて海戦になった場合はローブを着込んだ連中、いわゆる魔法隊が撃ちまくるらしい。

 加えてシェリーさんが魔法で船舶氷漬け事件を実演してくれるそうだ。マジ震えてきやがった、しかし対岸の火事でよかったというか鬼なる。俺の安全が神の贈り物、敵にとっては地獄の宴が開幕することが確定的に明らかとなる。

 いやあ越境部隊は強敵でしたね、と他人顔で眺めていると説明が終わったらしくネコミミスキーがこちらを見回している、誰も何も言っていないが大体根回し済みなんだろうか? まあ意見を求められても困るし変に長引くよりは都合がいいな、>>ネコミミスキー感謝。


「それでは最後に将軍よりお言葉があります、総員傾注」


 全員立ち上がってこちらを見ている、正確にはシェリーさんなんだろうけどこっちみんなAA略。フードが無ければ即死だったかも分からんが本当にいい仕事をしてくれる、ごついおっさんたちの視線が怖い時はやはりマントだよな、マントのぼっち信頼度は違い過ぎた。そんなことを考えているとシェリーさんが喋り始めた。


「諸君、我々が行うのは戦闘ではない」


 お前は何を言ってるんだ? じゃあ何をしに行くのかと問いたい問い詰めたい、いや正直どうでもいいが。


「国土を侵す害虫を根絶やしにする作業だ、誰一人欠けることなく使命を果たせ」


 うわぁ……なんてことだ……なんてことだ、中二病かと思ったら殲滅戦を命令してるように見える、多分俺の耳が不具合じゃないならこれはリアルですねわかります。


「遺憾ながら生き残りが出た場合は教育してやろう。なに、数人いれば十分だ。膾に刻んで送り返してやろうじゃないか。」


 ダークパワーが遺憾なく発揮されてダークエルフ絶好調、どうしてこうなった……すいません普通のエルフとチェンジできませんか? 創生神さんお願いします。

 これは指揮官を生け捕りにして拷問するって解釈で合ってるんだろうか、あまり考えたくは無いがサツバツすぎて笑えない。


「補給を終えれば即作戦に移る。総員備えよ、では解散」


 ヒガシヤマダ万歳コールが響き渡る中退出する、ディスイズアメリカとかUSAって外人が叫んでるのとなんら変わらないテンションだが俺が知っているのはゲーム大会動画の中だけなんですがねぇ……本当にどうしてこうなった。


 部屋に引き篭もっていようと思ったらシェリーさんの部屋まで連れて来られたでござるの巻、景気付けにアイスクリームをご所望だとの事。なるほど、牛乳と砂糖が用意されている。

 こんなに俺とシェリーさんで意識の差があるとは思わなかった、補給物資的に考えて。とは言えないのでおとなしくアイス作りを始めよう、意見なんて無かった。

 俺に盛り付けのセンスはないのでカットしてもらった果物をセルフで取ってもらう、果物のアイスクリーム添えの完成だ。新鮮な奴だから素材の味を楽しんでもらうためとか何とか理由付けはしておいた。当人も喜んで食べてるからどこもおかしくは無い。


 それにしてもギャップ萌えとか言う前に性格が変わりすぎなんじゃないですかねぇ、受付でキリッとしてるクール系お姉さんだと思ったらのろけ話のときはダダ甘だし今回の将軍プレイまでこなすとか多才な人だな。それだけ苦労をしたってことなのかもしれないがどれが本性なのか分からない系。

 女って本当にわけがわからないよ。


 しばらく歓談していると船が動き出したらしい、魔法で進んでいるのか器が震えかなりの速度が出ているように感じるがそんなに飛ばして大丈夫か?

 まあ奇襲って急ぐ物だからこれが普通なんだろうな、数時間ほど経ったころ旋回したのか横に加重がかかった、その後誰かが呼びに来たのでシェリーさんは最後の一口を食べ終え部屋から出て行く、甲板から魔法を使うらしい。俺はここにいて良いそうなので引き篭もっていようかと思ったが逆不凍港作戦には興味があったので着いていく。


 階段を上り甲板に付くと兵隊さんが勢揃いしている、そんな中シェリーさんは船首デッキまで進んでいった。床には模様が描かれているがこれは魔方陣的な奴なのかも分からんね、かっこいいけどどういう効果があるのかはわからないな。

 陣の中心でなにやらしているようだがこれはサンダーレイン的なやつですね分かります、えいしょう - ねんじろ方式で威力が上がるのは確定的に明らか。恥ずかしいので真似できないことを平然とやってのけるが特に憧れない、ちょっとだけなら憧れなくも無いが邪気眼を患ったことが無くて本当に良かった。


 現在の進路は北西だと思う、太陽的に考えて……自転とか公転はどうなっているんだったか確認しておくべきだったかな。地動説万歳の世界観じゃねーよな。まあ左が陸地で海から奇襲するんだから西向きってのはあってるだろ。しばらく進んでいくと荒地の中にぽつんと何かが立っているのが見えてきた。野戦築城が立派過ぎませんかねぇ……秀吉じゃ、秀吉の仕業じゃ! スノマタ・キャッソウの魔法でもあるのか?

 桟橋には船が1隻係留されているようだがこれからひどいことになるんですね分かります。


 ところでこんなに正面から突っ込んで行って大丈夫なんだろうか、騎兵突撃は中世の華かもわからんが海戦にも適用されるとは知らなかったな。脇で警備をしてくれているトム君に聞いてみたところシェリーさんの魔法でこちらが見えていないそうな、船全体が光化学迷彩とかスケールでかすぎワラタ。精霊()。

 急にそんな概念を持ち出されてもわから……分かるな、エルフといえば精霊とか妖精とかそういう魔法を使うもんだよな。久々に理解できる出来事でうれしいなあとでも言えば良いのか、ダークエルフの場合は闇魔法とばかり思ってたよ、>>106君感謝。


 かなり近づいてきたところで新たに魔法が発動したらしく港が氷結した、いや港だけじゃなくて船と石壁まで凍りついている。範囲攻撃強すぎィ。逆に防御力が上がっているように見えなくもないがその当たりはどうなんだろうな。

 甲板横に吊り下げられていた小船で陸戦隊が前進していく、先制攻撃は実に重要な要素ですね。意外と近代的だ。


 少し目を離したらそこには奇声を上げて突撃するシェリーさんの姿が、舳先から飛び降りて水の上を走ってるように見えますが幻術なのか……? いやよく見るとシェリーさんが進むたびにブーツの下が凍りついているようだ、なるほどなと言うか鬼なる。






 いや……やっぱりわけがわからないよ。

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