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3次元でも大丈夫(ただしミミ付きに限る

 フリフリのメイド服に身を包んだ小柄な影、耳と尻尾は三毛のそれ。3次元に現れた天使、ミミーちゃんです。

 素晴らしいリアルネコミミメイドだすばらしい。俺はこれで3次元も大丈夫になったな。あまりにも可愛い過ぎるでしょう? 異論は認めない。


「ミミーちゃんでお願いします」


 お盆ごとグラスを受け取りテーブル席へとエスコートする姿は見事な紳士だと関心はするがどこもおかしくは無いな。椅子を引いてミミーちゃんを座らせる。


「お客さん? ミミーはまだ子供でございますから」

「美しいお嬢さん達ですが少々刺激が強すぎるもので。話し相手になってもらうだけで構いません」


 けばいからヤダとは言えないよな。


「酒は苦手なものでジュースと軽食をお願いできますか。ミミーちゃんの分もいっしょに。これで足りるといいんですが」


 銀貨を何枚か握らせるとすごくいい笑顔で納得してくれたようだ。上機嫌で厨房へ声をかけている。渡しすぎたか?

 ミミーちゃんを見ると警戒しているのかこちらを見ては視線を外すを繰り返している。紳士的な対応を取らなければ。

 運ばれてきたのは果物の盛り合わせとクラッカーかな? チーズやハムが乗っていておいしそうだ。ミミーちゃんにも勧めてみると夢中になって食べ始めた。普段の食生活が心配になってきたな……もし一日パン一切れとスープ一杯とかだったらママを教育しないといけないな。


 聞いてみたらそんなことは無かったよ。三食きちんと出されているらしい。でも育ち盛りなせいか夜にはお腹が減るけど給仕の仕事の時は食べられないからこうしてがっついているんだと。加えて肉や魚は少なめで野菜とパン中心らしい。市民的には普通なんですかねぇ。

 ミミーちゃんは農家の末っ子だそうな。親父さんの借金でこの店に奉公することになったと言っているがこれは合法なんだろうか。真面目な時のリールさんに聞いて置けばよかったな。

 追加で肉を頼むと出てきたのは骨付き鶏もも肉の丸焼き、クリスマスみたいだなと思ったが果たしてこれは鶏なんだろうか? まあ料理されてるってことは食肉なんだろうけど。くの字の真ん中辺りをナイフで切り取り食べてみると肉汁が溢れる、パリパリに焼けた皮とみっしりと詰まった肉の部分がちょうどいい塩梅でこれもうまい。

 ミミーちゃんがガン見しているので小さく切った肉をフォークに刺してアーンとやってみるとパクリと食べた。癒されるわー、野良猫にエサを上げないでくださいとか言うけどついあげちゃうんだよな。でも野良は警戒しているから手で直接あげようとすると猫パンチ(猫クロー付き)が飛んできて痛い目を見る破目になる。割り箸で摘んであげると被害が無くてお勧め、もしくは投げてあげよう。懐くと座っていると横に寄ってくるようになるからそうなったら一通り撫で回せる様になる。


 それからミミーちゃんを餌付けして過ごした。デザートにアイスの魔法で器を作って梨っぽい果物を極小さなアイスニードルで形がなくなるまで潰す、再加熱した後また凍らせるとシャーベット状になった。

 ミミーちゃんが膝に乗ってくるようになったので頭をなでながらあげる。一口目は尻尾がピンっと立って膨れたがすぐ元に戻って俺の足に絡み付いてくるから気に入ったようだ。

 大事な事だから聞いてみるとミミーちゃん12歳が判明。


 さすがの俺もこれには苦笑い、3次元はどうでもいいと現実では思っていたがこの世界ではありだ。が、紳士として12歳は駄目だわ。

 中世的には問題ないような気もするがここは自重、まずはその日暮らしを何とかしてからだな。

 耳やお腹を撫で回していると眠ってしまったミミーちゃんをママに渡して帰宅することにした。リールさんはもうほっとこう、朝まで戻ってきそうにもないし。

 ついでにママに聞いてみると通りの入り口に銭湯があるそうなので寄って行こう。3日ぶりの風呂だ。もう4日目かも知らんがさっぱりしたい。


 銭湯に着いた、銅貨10枚を支払って中に入ると結構広い。ヒガシヤマダさんは本当にいい仕事をしてくれた、風呂の無い生活は考えられないもんな。

 こういった場所の銭湯と聞くとやはりいかがわしいサービスの店だと思ってたが普通の銭湯だな。スッキリした後で身をサッパリさせるんですね分かります。従業員なのかやけにごついおっさんと番台にはムキムキの犬族が目を光らせているので盗難の心配さなさそうだ。壁には鍵付きのロッカーらしき物が並んでいるのでここに入れるんだな。タオルや飲み物も売っているようだから手ぶらでも安心だ。セットになっているので着替え付きを買う、これも銅貨10なり。木の板とヘチマ? を渡されて残りは壁に引っ掛けられた。引換券なんだろうな。

 服と財布をロッカーに仕舞って浴場の扉を開けると湯気がもわもわと溢れてきた。早速体を洗って見よう、シャワーは無いが蛇口から小さい桶に汲んで頭からかぶると爽快だ。シャンプーは無かったがどろっとした液に浸かったヘチマで擦ると泡立ってきたので全身を洗う。頭も洗ってスッキリしたところで浴槽へ、先客もいるのでゆっくりと入って浸かる。

 おぉ……これは極楽だわ。


 ゆっくり浸かったので出る。引換券と交換で着替えの袋とタオルを貰って着替えた、浴衣みたいだ。元から来てた奴は袋に詰める。サンダルも入っていたのでブーツは持って帰ればいいな。入り口で牛乳を売っていたので一杯飲んでから行こう。あまり冷えていなかったので小さなアイスを作って冷やしたらいい感じだ、アイスマジ便利。

 職業:魔法使いが取り合いになる理由が少し分かってきたな、こまごまとしたところが便利で戦闘も出来るんなら人気が出ないわけが無い。産業革命でも起こらない限り安泰だ。MP切れで気絶する仕様はどうにかして欲しいが。


 大通りに出たので東へ進む。微妙に肌寒く感じるのはやっぱりもう秋なんだろうな。もう真夜中だと思っていたがまだ酒場は明るい、時間の感覚と言うか基準はどうなってるんだ。日が沈んだら夜とか鐘で知らせるとかなんだろうか? そんな音聞いたこと無いな。謎だ。そんなことを考えているとギルドに着いた。


 シェリーさんに挨拶して部屋へ、歯磨きとトイレに行ってから寝る。


 いやまだすることがあったな、まずは魔本を確認だ。74%、相変わらず作業中です。でもこのペースなら後2日もすれば終わるかな。昔のパソコンのインストール並にアバウトな作業時間だからあまり当てにはならんが。


 ギルドカードを確認すると経験点が15になっている。これは大幅レベルアップの予感。早速割り振ろう。んん? ステータスの右側に三角が出てこない。15ポイントもあれば標準レベルから超人になれそうなものだがこれは……やっぱり自動であがるのか?

 技能の方をつついてみるとこっちは出来た。が、あげるのに1000掛かります……だと桁が違うじゃないですかやだー。


 今までダンジョン探索レトロゲー+最近のネトゲと思ってたらそれにTRPGみたいなレベルアップシステムが組み込まれたでござるの巻。 技能点とか経験点とかそういうやつだったのかよ。

 聞きかじった知識しかないからうろ覚えだけどスキルのMAXレベルが10で9から10にあげるのに何万点も掛かるんじゃなかったか?

 事務検定Ⅱをあげようとすると3000点だがマジックユーザーだと2000点だ、どう見てもそれ系だな、司書は何の変化も無い。それなら職業レベルがあるかと思いきやつついても何の反応も無い、履歴書に書きづらい資格ではあったがそのせいなのかどの職も無いのかはっきりして欲しい。

 思えばこの司書というやつは司法書士と間違えられたりするからややこしいんだよな。しかも正式名称が司書だから言い換えようが無い。加えて司書と司書補しか無いから何級ですとも言えない。


 転生と言うかキャラメイクのときと仕様が異なりすぎじゃないですかねぇ数字が棒線になったりして見づらいです……言われてみれば筋力が15無いと戦士になれなかったのにこの世界の子供は最初から戦士な子も少ないけどいるんだよな。

 標準が10でベテラン戦士のリールさんが俺の1.6倍ぐらいだったし16だとして20年兵士をやってやっと戦士になれる筋力になる仕様だったら序盤がつらすぎる。


 仕様が分かっただけましとするか、次だ。魔法について考えよう。

 なんとなく魔法使いで通す方向で進めるのは決定しているがぼくのかんがえたさいきょうのまほうが転生者なら誰でも使えるならジョブで魔法使い選んだ奴はあまりメリットが無いよな。まあ戦士だとで隠れて使わないといけないと言うのはあるか。

 なんとなくゲームの銃をイメージすると出来てる魔法だからレーダーも出来るはずだとやってみよう。


 無理だった。よくよく考えると銃の仕組みはなんとなく分かってもレーダーはどういう仕組みなのか分からないもんな。電波を飛ばして跳ね返ってきた奴を分析するとかそういうのだっけ? それはどこでやってるのかどういう反応があれば敵だのアイテムだのを見分けられるのか考え出したらサッパリだ、なので少し考え方を変えてみる。

 スコープやサーマルスコープは出来てるんだから見える範囲で危なそうなものを視覚化して見せてくれる機能と考えたらどうだろう、ベッドの上から椅子を見ながらレーダー(仮)を起動。視界がゆがんだかと思ったら椅子がワイヤーフレームと荒いポリゴンで見えるようになった。成功したか? でも椅子は椅子だから危ないも何も無かったな。


 壁を見ると柱を残して透けて見えるようになったがこれってレーダーじゃなくてX線なんじゃなかろうか。下を見ると1階の間取りが見える。方向からすると受付にいるシェリーさんだな、ぼやけたポリゴンになっている。少し動いて見えるのは実際に動いているんだろうか。他に誰かいないかと反対側を見るとベットに横になっている人型のポリゴンが見えた。じゃあこれがミーコさんだな。完全に寝ているのか動いているようには見えない。


 理想を言えば自分を中心に周囲の敵を判別してくれるレーダー魔法が欲しかったがこれはこれで使えそうだ。迷宮の岩盤がどの程度かにもよるが透けて見えるなら待ち伏せはなんとかなる。ただ後ろとか横とかから襲い掛かられたら今の状態だと駄目だな、おまけに燃費も悪いらしくかなり疲れた。要改造だ。


 マジカル☆銃魔法も改造したかったが部屋の中じゃ危ないので明日にしよう。手榴弾みたいな魔法も欲しいな、FPS的に考えて。

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