魔法をアレンジしてみた
朝だ。やれる事が少ないせいか早寝早起きで健康的な生活だな。と思ったら足が痛い、軽い筋肉痛のようだ。そういえばあれだけ走ったのは久しぶりだったな、現代人の運動量低すぎ。棍棒は置いてきたしマントは子供に巻きつけたまま戻ってきてないし。確か噴水前の雑貨屋とか言ってたからあとで寄って回収しとこう。まずは魔法の練習だなとコップを取り出し使ってみる。
「ウォーター、アイス」
ジャバっと出てきたが溢れなくてよかった。寝起きの一杯は格別だわ。顔も洗いたいが流しがないな……受付で聞いてみよう。雑貨屋で買っておいた房楊枝とコップを持って1階へ向かう。相変わらずがらんとしている受付でミーコさんが作業をしていた。
「おはようございます。井戸か流しはどちらでしょうか」
「良い朝ですね。こちらの奥にありますのでどうぞ」
1階の奥が流しになっているらしくまっすぐ進んでいくと発見。窓もあるので明るいな。中世で水道といえばローマとかしかなかったようなイメージだがこの国は進んでるわ。蛇口をひねると水が出るがこれもヒガシヤマダさんの仕事なんだと考えるとすごい便利だな。
顔を洗って歯を磨くと歯ブラシと違って房からはがれた木がちょっと残って気持ち悪い。吐き出すと何本か出てきた。これは慣れるしかないんだろうな。そんなこんなで洗顔修了。
朝飯はどうしようかなと考えながら戻ると良いにおいがしてくる。ミーコさんがホットドッグのようなのを食べていた。何時の間に焼いたんだ……
「おいしそうですね」
「近所のパン屋さんに頼んでおくと配達してくれるんです。あとは露天もでてますから色々選べて楽しいですよ」
配達、そういうのもあるのか。以前は朝飯といえば牛乳かジュースにヨーグルト程度だったがここは露天で買い食いに決めよう。
「早速行って見ます。ああ、噴水前の雑貨屋ってどっちにありますか?」
「南門から入ってすぐ右の通りにありますよ。開店にはもう少し時間があるかと思いますが」
「ありがとう、あとで行って見ます」
部屋に戻って着替える。魔本を確認したがまだ終わっていないようなので放置。財布だけポケットに入れて置こう。身軽に動けるのはありがたいな、家や宿がないと荷物を持ち歩かないといけないから不便だ。冒険者で稼げるようなら家を買おう。
いざ出かけようとしたが部屋の鍵がなかった。魔本が盗まれたらやばいな、持ち歩くにはかさばるしどうしたものか、とりあえず受付で聞いてみよう。というか昨日の段階で放置して飯食って気にせず寝てたのを考えるとうかつだったな……1階に戻る。
「すいません部屋の鍵はありますか?」
「忘れました、すいませんこちらになります」
「お借りします」
一安心だな、早速鍵をかけて戻る。
「ちょっと街の外でウサギを狩ってこようと思うんですが問題ありませんか」
「ええ、大丈夫ですよ。ただウサギですと功績にはならないかと思いますが……」
「ずっと部屋の中の仕事をしていたので体を慣らしておきたいんですよ。いきなり迷宮は怖いですから」
「えっと、研究者さんでしたものね。お気をつけて」
自分の設定がよくわからなくなってきたが俺はどういう設定で生きていたことになってるんだろう。図書館から追い出された魔法使いで心機一転冒険者ということでいいか。故郷には良い思い出がないとか言ってれば何とかなりそうだ。
通りに出ると良い香りが漂ってきた。あちこちに露天がならんでいるがどれにしようかな。魚や貝を焼いている店が多いがそういえば東は港だったな。ここは海鮮焼きで決めよう。
どの屋台も銅貨2,3枚で色々食べられるようでイカと貝が刺さった串を一本買って食べながら歩く。これも新鮮で実にうまい。食べ終わったがもう少し食べたいなと歩いていくとソースのこげる匂いが漂ってきた。
お好み焼きかと思ったら棒に包まった細長いものが売っている。どこかの屋台で見たような気がするがなんだったか……
「すいませんこれはなんて食べ物です?」
「お客さんこの国は始めて? 箸巻きですよ。昔初代様が作ってたのを真似してあっちこっちに広がったものです、麦粉と卵を出汁で溶いて焼くと固まるんで好きなものを包んで食べられるんですよ。安くできて腹も膨れるんで嫌いなやつは居ませんね」
どこかで見たことがあると思ったら現実にあった食べ物だった。確か関西の方で作られてるんだったかな。箸に巻いたお好み焼きだ。
「へー、一本くださいな」
「じゃあ人気のミックス焼きをどうぞ。一本銅貨1枚です」
確かに安い。中に入っているのは細かく刻んだイカとキャベツかな、肉も入っているけど何の肉だろ。
「これはおいしいし食べやすいですね。これは何の肉です?」
「今日は猪だね。うちは日によって違うんだ」
野菜も取れるからありがたいな。またこよう
「またどうぞー」
手を振って別れる。意外なところで身近な食べ物に出会ったな。十字路まで来たので南へ進む。だいぶ混雑しているがそろそろ雑貨屋は開いただろうか。進んでいくと門に付いたのでこれを背中に右側と、路地があるので進んでいくと広場に出た。確かに噴水があったが雑貨屋はどれだろう。人通りもないからまだ開店してないんだろうな。
帰りでいいかと思い直して南門へ戻る。出る時は何も言われなかったからそのまましばらく街道を歩く。森が近づいてきたので中に入ろうとしたがまた迷ったら危ないな、森沿いに歩いていけばいいか。街道をはずれ森に対して平行に進んでいく。振り返れば防壁が見えるから迷うことはないな。
10分ほど進んだころようやくウサギが出てきた。なにやら威嚇しているが早速魔法を試してみよう、ファイヤーは火事になりそうだからアイスを使ってみるか。
ウサギを指差してアイスを唱えるとつららが出てきて飛んでい……かなかった。ボトっと落ちて終わりとかこれ攻撃魔法じゃないの? ねんじろ成分が足りなかったのかな。今度は飛んでいくイメージもあわせて唱える。
「アイス!」
成功した。つららが結構な速さで飛んで行き突き刺さるとウサギは消えて銅貨が出てきた。殴るのにくらべると楽だが念じて発音してとなると即座にはできそうにないな。慣れると連射できるとか書いてあったけどどれくらいやれば慣れるんだろう。逆に考えるんだ。最初から連打する魔法なら大丈夫じゃねと考えるんだ。
とりあえずハンドガンみたいな魔法なら15発ぐらい連打できるはず。マジカル☆ハンドガンのイメージでやってみよう。クラっときた、急に悪寒がするとかMP使いすぎの症状か? 手ごたえはあったんだが、いや実際に手に何か乗ってるような感覚がある。握りこむとまさにハンドガンだ。小学校の頃流行ったエアガンぐらいの重さだが成功したのか……試しにやってみよう。
的がないかと見回すと切り株があるからあれがいいな。両手で構えて引き金らしきところに指をかけて引くとブスっと言う音とともに何か飛び出した。切り株にはあたっていないがまだできるのか? 連続で引いてみる。ブスブスと音が続いて聞こえているので連射も聞くようだ。硬い音と切り株の手前側にめり込んだあとがあるから何発かはあたったらしく調べてみると直径50センチ程の切り株を貫通はしていないが真ん中あたりまでめり込んでいるようだ。斜め上から何発か打ち込むと引き金を引いても出なくなった、弾切れだ。
弾が切れても手にはまだ握っている感覚があるからリロードしたらまた使えるか? こういうときはあれだ
「チェンジマガジーン」
リロードできたらしい、ギャグだな。銃を作るところからにくらべると疲れた感じはしないからこっちの方が燃費がいいんだろう。
そういえば弾といっても何が飛んで行ってるんだろう? 薬莢が出てる感じもしないし。木だとめり込んでわからないがどこかに手ごろな的はないものか、中空になってて弾頭が取りやすいやつだといいんだが草原にあるわけもないな。と思っていたらウサギが出てきたので撃って見る。が、一向に当たらない。まっすぐ飛んでないとかそういうオチか? よくよく考えるとエアガンのあとガスガンを触ったこともあったが動いてるものを撃った事はなかったな、もう少し近づいて撃とう。5メートルぐらいまで近づいて撃つとさすがに当たったらしくウサギは動かなくなった。お、このウサギは普通のウサギなのか消えてお金にならないな。よく見ると魔物のウサギが70センチぐらいなのに対してこのウサギは30センチぐらいで見慣れたサイズだ。
生肉とかすいません勘弁してください。
弾が貫通しているわけではないが何箇所か毛皮に穴が開いて血が流れている。魔物は死体にならなかったから感じなかったが生き物を殺すとか気持ち悪いです。FPSでどれだけ人間を撃ち殺したかはわからないがリアル生物はちょっとsYレならんしょコレは、猟師の人とかすごいわ。マジリスペクト。
責任持って食べないといかんでしょ、とは思うがとりあえず街までもって帰るか。昨日のシチューはウサギ肉でうまかったしファンタジー的に見れば特におかしいところはないだろう。そう思い足を持ち上げてみると重い、3キロぐらいだろうか。
ポトリと何かが落ちた、透き通っていて透明なこれは生き物のパーツではなさそうだが……近くの葉っぱをちぎって摘んでみる、冷たい。
「氷の弾がでてたんだな……」
ファイヤーやサンダーは魔法らしいがアイス(物理)は何属性なんだよ……。
弾頭が氷で薬室には魔法成分が詰まった弾丸ができてたみたいだ。こんな小さな氷で木にめり込んだりウサギが死ぬぐらいの威力があるのか、普通のアイスにくらべたらとんでもない威力だな……鉄や鉛だったらもっと威力が出るんだろうし。まあウサギならどの道一撃だから大差ないか。
ちょっとこの魔法はやばそうなのでよく考えてから使うことにしよう。魔法はイメージするとある程度なんでもできるということがわかったのは収穫だ。
ウサギを持って街まで戻ることにする。1時間もたっていないがすごく疲れた。とぼとぼ歩いていると魔物のウサギが現れたのでサンダーや小さめにしたファイヤーで倒して無事帰還。1時間ちょっとで銅貨6枚とウサギ1匹の収入になった。
南門の入り口でまた行列ができているがウサギを持ったまま並ぶのは大丈夫なんだろうか。商人らしき人や野菜を背負ったおばさんも並んでるし大丈夫だと信じよう、がダメ。
昨日のおっさんに呼び止められて連行されました。
「あんたなんでまたこっちから入ってくるんだよ、で何でウサギを丸のまま持ち歩いているんだ?」
「昨日冒険者になったので練習にと思いウサギを狩ってました。魔物だと思ったらこいつは普通のウサギだったみたいでほっとくわけにも行かず持ち帰ってきた次第です」
「次第って……まず血を抜いとかないと食えないだろ、毛皮にしても処理しとかないとすぐ痛んじまうぜ?」
「いやこういった経験がないもので」
「どこのお坊ちゃんだよ。いい年だろうに……とりあえず貸してみろ」
そういうとおっさんはウサギの首を落として解体作業を始めた。毛皮をはいで内臓をかき出して見る間に食肉っぽくなった。
「毛皮は穴が開いてるからたいした金にはならんがどうする?」
「埋めましょうか」
「埋めるっておい……わかった、これは俺がもらおう。ついでにこの肉も焼いて食っちまおうぜ」
おっさんに釣られて詰め所の裏にでる。炭と小さな七輪を持ってきて焼き鳥パーティが始まった。とりあえずファイヤーの出番だと思って使ってみると炭に一瞬で着火してびびった。
「あんた魔法使いだったのか。理由があるんだろうがその年から冒険者ってのはなかなか珍しいぜ。俺はリール、王国騎士団で警備隊だ」
兜を脱ぐおっさん、ネコミミだけどおっさんについてるとうわぁ……
「ジトウです。以前は図書館で働いてました。今は冒険者ですね。」
「図書館勤めならお貴族様じゃねえか、なんでまた……まあ深くは聞かんが」
「いえ、今は毎日が新鮮で充実しています。この国には来たばかりですがいい所ですね」
「そいつは胸張って言えるな。ヒガシヤマダ様のおかげで皆飢えずに暮らしていける。本当に良い国さ」
「その、なんというか以前はあまり人と関わると言うことがなかったのですがこの国の人たちは皆親切で初対面の俺にも声をかけてくれます、種族間の問題は無いんでしょうか?」
じゅうじゅうと油が弾け肉が焼きあがってきた。
「まったくないってわけじゃないが……あんたの国だと違うのかい?」
「俺の居た所では人間しか居ませんでしたがその人間同士でも疑いあってますよ」
「お貴族様の世界じゃそんなもんだろうな。個人の好き嫌いはともかく種族を非難するなんてのはこの国じゃありえないな。この国ができたあたりのことは知ってるか?」
「初代ヒガシヤマダさんが奴隷を解放して迷宮を壊したくだりは聞きました」
「俺の爺さんの世代ならそれはもう熱心に話してくれるぜ。当時はサルトの下層民や奴隷が開拓民って名前で送り出されて無理やり開墾させられてたらしいからな。魔物や天災、物資不足に疫病と大勢が死んだそうだ。そんな中サルトの内紛で軍隊が引き上げちまったからな。なんとか築いた防壁と冒険者が居なかったら死んでただろうって話よ。そんな中初代様が1番危険なダンジョンをぶっ壊して魔法の道具まで授けてくれたとあっちゃ人間が嫌いなやつは居なくなるだろうし他の種族と喧嘩してる場合でもないしな」
ひっくり返すと油がたれて香ばしく焼き目が付いた部分が現れた。
「といっても聞いた話だし俺もこの国から出たことはないから他の国のことはわからん。焼けたぞ、これで食え」
塩をかけて端に寄せてくれた肉をもらった串に刺して持ち上げる、刺したところから肉汁が溢れてそれだけでもうまそうだ。口に入れるとすごく熱いが肉と脂のうまみが広がってたまらない。
「最近は外国との貿易も始まっているがそういう価値観はなかなか変わらないもんさ。何百年もたったらわからんがな」
「最初に来たのがこの国でよかったです」
「光栄だ、といえばいいのかな」
笑いながら言うリールさんと楽しい時間をすごした。詰め所の兵士もかわるがわるやってきてつついていく、途中で行商のおばさんから野菜を買ってきて完全にバーベキュー状態になったのはご愛嬌だ。
最後に貴族じゃないですと言うとまた変な顔をされた。なぜだ?
荷物もなくなって腹も膨れたのでまた森沿いでウサギ狩りをすることにした。今度は魔物だけ倒そう、生肉的な意味で。さっきとは逆方向に進んでいくと岩場に出た、多少の高低差はあるが歩いていけそうだな。草がないからウサギも居ないようだが何か動いているのが見える……蠍?
大きさはウサギと同じくらいだろうか、茶褐色でいかにも毒持ってますよといわんばかりの様相でかさかさと動いている姿はキモい、これは間違いなく魔物ですねわかります。さてこれは戦える……か? こちら側から見たところ一匹だけのようだし。
逃げよう(確信)
毒持ちとかヤバイ、食らったら死ぬとか冗談じゃない。ゆっくりと下がるが元々蠍に気付かれては居なかったようで逃げ切れた。街道まで戻ってくると一安心だ。岩場はやばそうだから結局午前中と同じ方向へ進む。ウサギだけならなんとでもなると思っていたが自然舐めてたわ。いや魔物は自然でもないか、システムだもんな。真面目にマジカル☆ハンドガンをバージョンアップしよう。
FPSっぽくするならハンドガンはサブアームだからとりあえずこのままでいいか。変わりに長距離で狙える装備にしよう。その前に普通にアイスを使ってどれくらいの距離まで飛ばせるか試してみる。大体だが20mほど飛んでいるのかな。飛んでるだけで着弾地点はばらばらだが。
狙撃銃が理想だがゲームの通りになるのかな? 弾道はまっすぐで息を止めるとぶれなくなるとかそういう仕様じゃないと当てられそうもない。とりあえず作ってみるか。銃が嫌いな男子は居ませんが設計図まではわからん、ゲームっぽくイメージすればさっきのハンドガンみたいに使えるだろうと思い実行する。対物ライフルのイメージでセミオートで連射ができる感じで。うわっなんか吐きそう気持ち悪い。MP切れだろうな、ハンドガンのときよりひどい。めまいと息切れがするがずっしりとした手ごたえがある。ちょっと休憩しないと立ち上がれそうにないな。
しばらく座っていると落ち着いてきた。重たくて持っているのも辛いがよくよく考えると対物ライフルって相当重いんだよな。黄金の鉄の塊ほどじゃないにしてもさっきのウサギ3~4匹分は軽くありそうだ。これは失敗した。
座ったり伏せて撃つやつなら何とかなるんだろうが試しにやってみるか。座ったまま森から少し出っ張っている木に狙いを定める。スコープでも付いているようですごくよく見えるが近すぎる。スコープの上辺りを捻って見ると倍率が切り替わったのか木全体が見えるようになった。早速発射。
ボクンという鈍い音と結構な反動があったが持ちこたえた。立ったままだったらひっくり返っただろうな。木の方を見ると変化なし。はずれだ。悔しいので何度か撃ってみるがとてもじゃないが連射は無理そうだ。6発目でようやく当たったと思ったら木がえぐれて折れそうになっている。怖いです。
マジカル☆狙撃銃は威力が強すぎる事がよくわかったよ。ただこれなら蠍は一撃だろうな。弾切れのようなのでリロードするとまた気持ち悪くなった。座り込むほどじゃないがこの銃は実用性と取り回しに難があるな……終了と念じると重さが消えて楽になった。
木の様子を見に近づくと狙い自体は正確にできたようで中心を捉えていて、高さ1メートルほどのところが半分ほどえぐれて凍っている。そういえば弾のイメージはしてなかったから氷弾頭のままだったんだな。威力がありすぎたのか氷が砕けて飛び散って辺りに散乱しているのが見えた。森のを覗き込んでみるとそれた弾が当たったのか何本か同じようになった木もある。どれも視界内に収まるから弾はまっすぐ飛ぶというのは間違いなさそうだ。試しにハンドガンを使ってみると今度はぜんぜん苦しくないな、1回目は作らないといけないから苦しいのか……終了して狙撃銃を試してみる。多少はクラッとするが座り込むほどじゃないな。最初の一回はすごく疲れてあとはハンドガンなら楽に、狙撃銃はちょっと疲れるけど取り出せるということか。
僕の考えた最高にカッコいい魔法じゃないけどなかなか便利に使えそうだ。となるとアサルトライフルも必要だな。ゲームの中では1番使ってたし。
威力は少ないけど低反動でサーマルスコープが付いているお気に入りのやつをイメージ、連射しても左右にぶれないから胴体を狙うと相手は死ぬ。といった感じのやつ。
またもやめまいに襲われたができたらしい。それなりに重いが何とか片手で持てるようだ。しかし目に見えないのにもてるって言うのもなんか違和感があるな。まあ魔法だしいいか。
スコープを覗き込んでみるとゲーム通りで安心した。森を見ると地面と木がうっすらと白くなっていてところどころに赤いのは生き物なんだろうな。蠍には体温があったのか不明なことに気付いたが時既に時間切れ。魔物だし大丈夫だろう。
アサルトライフルならある程度の距離を狙えるしマガジンサイズも……また弾のことを忘れてた。木に向かって一発ずつ撃つと30発出た。リロードしてみると少し疲れたが大丈夫だな、同じく撃ってみると変わらず30発。今度は40連マガジンをイメージしてリロード。さっきより疲れた気もするがさてどうかな。おお、40発撃てた。マガジンのサイズはリロードの時に変えられるのか。弾頭はしばらく氷のままでも十分だからこのままで。レベルが上がったら威力が出るものに変えよう。サプレッサーやらのカスタムもできそうな気もするがそれもその時だな。
練習がてら歩いていくとウサギが出てきたので撃つ、相手は死ぬ。エターナルなんとかの替わりにしては地味だが楽ちんだ。リアルFPSは右手で照準左手WASDで移動じゃないから大変だが大分慣れたな、照準が見えればもっと楽なんだがスコープを覗けば大体当たるからなんとかなるか。
何度か繰り返してもうウサギは余裕になってきたな。と思っていると横から飛び出してきたウサギに体当たりされた。角は服に当たってそれてくれたのか血は出ていないが衝撃で銃を落としてしまった。と思ったら手から離れない仕様の様だ。そういやゲームでも死なないと銃は落とさない仕様でしたね。振り返って撃ちまくるとウサギは死んで銅貨になった。
死にかけた(迫真)
1人だと無理だというのが本当によくわかったよ>>ウサギ感謝
ボディアーマーとレーダーが標準装備のゲームとは違ってそのあたりは生身だってことをすっかり忘れていた結果がこれだよ。リスポーンも蘇生パックなんてのもないから死んだらおしまいだ、銃よりも防具が大事だ。
警戒しながら街まで戻ると本当に安心した。リールさんにウサギのことを話すとすごく生暖かい目で見られたが蠍のことを話すと血相を変えて怒鳴りだした。
危険な魔物だとは思っていたが大事になったな……もう夕方だし今日はこのまま帰ろう。おっと、雑貨屋によるのを忘れないようにしないとな。
噴水前にいる人に聞くと店の人だったので案内してもらうことに。中に入ると「きた!恩人きた!」「メイン恩人きた!」と大歓迎状態だった。いやマントを回収しに来ただけなんですが何このテンション。そこには元気になったキツネ娘の姿が……女の子でしたか。ズボンだったから男の子だとばかり思ってたよ。結構苦しそうだったのに僧侶を呼んだら一発で治ったそうな。感染症とかの心配はないんですかねぇ。恩人ワッショイの雰囲気だったが丁重にお断りして帰宅。装備をそろえるときには訪れる約束をしてしまったがどの店がいいかもわからんし得したなと思うことにする。
戻ってから気付いたが結局マントを返してもらっていない系の不具合。また明日行こう。
寝る前にたらいを借りてきた。
魔法はイメージの理論でお湯の呪文が完成、蒸しタオルを作って体を拭くが文化レベル的に考えると公衆浴場ぐらいありそうなことに気付く。明日聞いてみよう。
余ったお湯は回転するイメージで魔法を使うと洗濯機になる。旅人の服を洗濯するとすごく綺麗になった。魔法便利だな。
いのちをだいじにをかみしめながら就寝。