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蛍光灯って実はすごいんだな

 それから2時間ほどこの国のことを習いました。とてもよくわかってうれしかったです。


 まとめ

 ・北にある山脈をはさんでサルト王国がある。現在内乱中

 ・この国は100年前にできた新しい国で王政の聖ヒガシヤマダ王国

 ・ヒガシヤマダさんはマジパネェ魔法使いだった。今の王様は三代目

 ・奴隷扱いされていた開拓民を開放したのもヒガシヤマダさん

 ・王様扱いされるのを嫌い、親しみを込めてヒガシヤマダ様と呼ばれていた

 ・山脈近くのキタメイキュウ城には迷宮があって冒険者たちが潜っている。死ぬ人もいるがたいていが強くなるので兵隊涙目だが冒険者上がりの騎士もいるので騎士団も強い

 ・他国が侵攻してきたときは大半の冒険者が防衛に回る

 ・ヒガシヤマダさんが作った魔法のトイレのおかげで街が綺麗になった。上水道も完備され宿屋も一律なサービスが保証されるようになった

 ・ヒガシヤマダさんは猫族のミーコさんと結婚した。猫族の人は女の子が生まれるとあやかって初代ミーコさんの名前をもじってつけることが多い


 うわぁ……ミーコさん、あなた疲れているのよ。半分くらい全盛期のヒガシヤマダさん伝説になってる。


 やっと開放されたので2階の部屋に案内してもらう。トイレが階段横なのは宿屋と同じなんだな、夜でもいけるように覚えておこう。ランプとかあればいいんだが聞いてみるか。


「すいませんランプかろうそくはありますか?」

「ええ、でもギルド内では安全な魔法は特に禁止されてはいませんのでライトの魔法をお使いいただけますよ。道具屋に行けば光石が安価で販売されていますので魔法を使えない人は大体そっちを使いますね」

「なるほど、魔法が使えない人はそうするんですか」


 そんな魔法使えないんですけどまず魔法の覚え方から調べないといかんな。幸い辞書があるし何とかなるか。


「迷宮も暗い場所は多いですからね。ではこちらのお部屋になります」


 案内された部屋は昨日の宿屋より内装は大体同じだが少し広い。街中で1泊10銅貨と言うのも安いのか高いのかまだよくわからないがとりあえずはいいだろう。


「そろそろ酒場が開くころですから夕食はそちらでどうぞ、何件かありますがどこもおいしいですよ」

「ミーコさんはまだお仕事ですか?」

「王都支部は私と支部長だけなんです。私が日勤で支部長は夜勤なんですけど今日は防壁で何かあったとかでまだ戻ってきてないんです。引継ぎまでは窓口を空けるわけにもいけませんから」


 24時間営業なんだな、それを2人で回すってむりなんじゃね? いや寂れっぷりを考えると案外そうでもないのかも知らんが。


「そうですか、とりあえず荷物を置かせてもらいますね」

「どうぞ、では私は窓口に戻りますので」


 そう言って別れるとようやく落ち着いた。もうこんなナショナリストの支部に居られるか。俺はメイキュウマエに向かわせてもらう。美人だとは思うがもう少しこう、控えめな人でお願いします。まさか国民全員があんな調子じゃないよな……

 まあヒガシヤマダさんを悪く言わなければ実害はなさそう……だといいんだが、とりあえず飯食ってから考えるか。


 財布だけ取り出して外へ向かう。窓口にぽつんと残るミーコさんには気が引けるが手を振って外へ。夕方になったせいか人通りも少なくなっている、昨日からあまり食べてないしちょっと贅沢をしよう。具体的には肉が食べたい。

 向かいの酒場に入ると人の入りは8割ぐらいだろうか、空いていたカウンターに座って注文する。黒板に『今日の仕込み:ウサギのシチュー』とあるからこれにしよう。銅貨10枚なり。


 忙しいせいか注文を聞くとすぐ戻っていってしまった女将さんを尻目に店の中を眺めてみると、ネコミミ・イヌミミと人間が大半だな。普通に食事しているあたり種族問題も無い様で何よりだ。

 シチューとパンがが来たので早速一口食べてみる。これはうまい、天然食材なのか、添加物なんかもない時代だろうから新鮮なものが揃ってるんだろうな。あっという間になくなってしまったが腹いっぱいだ。昼間のウサギは金を落として消えてしまったが普通のウサギも居るんだろうな。そういえば猫族は猫舌なんだろうか? 普通に食べてたように見えるが完全に猫と同じ特性なわけでもないのか。

 ご馳走様と声をかけて店を出ると完全に日は落ちたようで真っ暗になっていた。街灯のようなものが通り沿いに立っているがこれが光石なんだろうな。


 ギルドに戻ってくると相変わらずミーコさんが1人で座っている。電灯じゃなくて光石のおかげか昼間よりは明るく感じるが1番窓口以外は真っ暗なので余計に怖い。

 挨拶して部屋に戻るとようやく1人になれた。ギルド登録もできたし異世界転生のテンプレは大体完了できたと言っても間違いはないな、AランクだのBランクだのというのがなかったのは以外だったが。あとは多少個性的な出会いが会ったような気もするが忘れよう。


 そういえばギルドカードにHPやMPがないのはどういう仕様なのか気になる……事典を引けばわかるだろうと魔本を取り出した。魔法の使い方も調べておかないと冒険者、魔法が使えますを名乗れないからな。『世界神制百科事典』は完了したらしくタイトルが点滅している、最終ページはまだ55%か、何日かかるんだ。ステータスだと思っていたがギルドカードもあるからしばらくは良いか。

 事典の項をつつくと目録情報が出た、けど文字化けしてて読めない……嘘だろ。本文の方は大半が同じく文字化けしていてかろうじて読める部分があるが少ない。索引のページも大部分が文字化けだ。マイクのアイコンがあるのでつつくと別のウィンドウが出てきた。これは喋ると調べてくれる機能ですねわかります。


「文字化け 読めない っと」


 検索結果まで文字化けしてるとかどういうことなんですかねぇ。ん? レベルフィルタリング中? ここでレベル制かよ……ギルドカードにはそんなのなかったじゃねーか。

 経験点というやつのことか? どの道0だったが……検索してみる。でた。


『経験点:ステータスや技能を強化することができます。魔族を倒して手に入れましょう。』


 またざっくりしてるな。魔族で検索っと


『魔族:正式名称 介入用魔法情報体 創生神が生み出した環境循環システム 制御を外れたものは魔物となり生命活動を開始、繁殖する 主な生息地:迷宮』


 うわぁ……生き物じゃなかったナリぃ。魔物になれば生き物なんだな。ウサギは魔物扱いされてたような気もするが細かい種類があるのかも知らん。経験値じゃなくて点が入るシステムって事はわかった、世のRPGもこういう仕組みなんだろうか。冒険者強くなるというのは迷宮で戦ってるからなんだな。

 またも当てが外れてしまったが色々調べてみるか。魔法の使い方ぐらいは知りたいしHPとMPも気になる、あとレベルだ。


『レベル:数値化されません、功績で判断しましょう』

『HP/MP:数値化されません、気をつけましょう』

『魔法:原生生物用マジックメソッド 転生者には非実装なので自分で考えましょう』


 おいィ? 仕様に入っていないんですが気のせいですかねぇ……ん? でも技能にマジックユーザーとあるしヒガシヤマダさんも魔法使いだ。自分で考える……おれのかんがえたさいぎょうのまほうですかやだー。

 俺の中二病は洋楽にはまった程度でそれも1ヶ月もしないうちに完治したから無理だわ、ヒガシヤマダさんは想像力豊かだったんだろうな……

 逆に考えるんだ。おれがかんがえてないげんじつのへいきを真似すれば良いさと考えるんだ。とりあえずライトとやらを使えないと怪しまれそうだからやってみるか。


「ライト?」


 おもむろにいのらずえいしょうするが何もおきないな。ねんじろが必要なのかも知らん。


「ライト」


 電灯を想像しながら唱えるとチカチカしてから点いた。どう見ても蛍光灯です、本当にありがとうございました。指先が光って眩しいので天上に投げてみるとくっついた、ますます蛍光灯になったがこっちのほうが便利だからこれでいいか。


「やればできるもんだなー。しかしファイヤーとか叫ぶのはかなり恥ずかしいものがある……それに部屋の中じゃできそうにないな。そういや『今代の冒険者たち』の方にも載ってたっけ」


 他にも調べたいが人物名や国名なんかは文字化けしているのか読めそうもない、基礎的な用語は割と読めるから早めにレベルを上げよう。事典はこのあたりにしてガイド本の方を読み込んでおこう。魔法使いは何ページだったか、あった。


『この世界では魔法を使うには対応した職業に就く必要があります。魔法使いは攻撃呪文、僧侶は回復呪文で司祭は両方を使えますが就ける人は少なく、成長も遅くなっています。転生者の皆さんはこの世界の魔法は使えませんがご自分で考えた魔法を使えますし攻撃も回復も自由自在ですのでがんばりましょう。使いすぎると気分が悪くなるので自己管理は慎重に!』


 この世界の魔法をアレンジして使った方がいいのか? あまり目立っても困るし。ヒガシヤマダさんの一瞬で群れを焼き殺す魔法やダンジョン破壊魔法の例もあるからあまり気にしなくても良い……のか? MP切れで倒れるとかもあるんだろうな。

 鉄板育成表を見ると得意な属性を中心に数種類覚えてから特化気味に育てましょう、だと。近寄られたら危なそうだから遠距離攻撃できる魔法がいいな。棍棒で殴るのは最終手段にしたい。

 学園とやらの教本でも手に入ればいいんだがまあおいおい考えよう。と思っていたら次のページに載ってた。ファイヤーとかアイスとかベタだがわかりやすい。なになに、なれると連射や念じるだけで使えます、だと。安全装置はちゃんと付いてるか心配になってきたな。寝ぼけてファイヤーじゃ洒落にならん。


 大体わかったので明日は外に出て実験してみよう。いきなり迷宮じゃ怖いしウサギなら安心だからな。ライトの光量を調節したりいくつも作って練習していたが眠くなってきたので今日はもう寝ておこう。


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