新ジャンル:ネコデレ
ミーコさんの話をまとめるとこの世界の本は魔法使いが編集、製本しているらしい。マジカル☆印刷ですねわかりません。
この世界では現在使われている文字の他に古代語と呼ばれる日本語がある、遺跡から出土する道具やダンジョンの壁なんかにも日本語が書かれている。神(的な存在)が設置したのには日本語が使われているということか。
神(的な存在)が言語系チートを話す分しか与えなかったせいで転生したやつらが情報を残す時日本語使うしかなかったんじゃなかろうか。日本語が通じているのは最初から異世界人が日本語を話していたのか神(的な存在)が話せるようにしたのかはわからないけど書くのは
転生者 日本語
異世界人 異世界語
と言うことなんだろう。異世界語を一から勉強するより早いし自分だけが読める言葉で書いておけば秘密にしたいことはなんかは安心だ。ダンジョン以外ではまともに生活できてたのかは不明だが……
で、転生者は大抵強いし歴史に名を残すレベルだから周りのやつらや子孫が真似してそれが今の王族や貴族になってるということか。
例外的に冒険者は遺跡を探索する際に読めないと死ぬので学校で勉強するらしい。魔法使いは古代語の方が強い呪文が使えるとかで使っているらしいがこれは転生者をぶち込んだせいでバランスが崩れた結果なんじゃないかと思う。
文化の違いで片付けていいものかはともかく計画が大幅に狂ったな。
前職ライフをまっとうできるかと思ったら身分制とか急に生臭くなってきやがった、ヒガシヤマダさんがどれだけ立派でも代替わりして腐敗しているのは確定的に明らか。いやまだ100年位前だから大丈夫か? そのあたりを調べてからじゃないと動くに動けないな。
「つまり名前を上げるかコネがないと図書館勤めはできないんですか」
「端的に言ってしまえばそうなりますね。その、以前にいらした国では冒険者から図書館に勤めると言うのはよくあることなんでしょうか?」
「いやまったくありませんね。市民の人が多かったです」
「えっ?」
「魔道書ではなく一般的な言語で書かれている本が大半で市民が自由に閲覧できる環境が整っていました。私は古代語専門でしたが」
「はあ……」
また何言ってんのこいつみたいな目で見られて辛い。話を変えよう。
「冒険者はまず迷宮に向かうのが一般的なんですか? 1人では無理なことがたくさんあるかと思うんですが」
「この国では学園を卒業して冒険者の仕事をする、というのが一般的です。学科にもよりますが大抵8~10年ぐらいですね。さらに引退された方に師事をしてからと言う人もいます。1人は危険ですから学園時代からのパーティであったりギルドで仲間を探してからというのが大半です。そうして報酬を得て生活するということですね」
おおむねイメージどおりだな。ずいぶんと学校が長い気もするが5歳からならそうでもないのか。
「街中で仕事をしている冒険者の方は大半が引退された方ですよ。私塾であったり道場であったり、あるいはコネクションを生かして酒場や道具屋など幅広いです。元々危険な所を調査したり魔物を倒したりが仕事ですから怪我がひどいと続けられませんからね。優秀な方はギルドに残って指導員をしたりします」
『引退後の生活について 職業別コネクション活用法』の所をちゃんと読んでおけばよかったな。
「街中での仕事と言いますか、そういった依頼もギルドで引き受けることもありますが引退した方個人で引き受けられたり身近で何とかなったりすることが多いのであまり量はありません。定期的なものもあるにはあるんですがそういうのは大抵専属の方がいらっしゃるので新人ではまず無理でしょう」
「草むしりとか配達なんかですか?」
「そういうのは子供の仕事ですね、危険がありませんし力や技術が必要なわけでもないですから。魔法使いの方が氷や本を作ったり僧侶の方が治療することなどでしょうか」
俺も魔法使いのはずなんだがエターナルアイス相手は死ぬが使えないと無理だな。本を作ると言うのもよくわからんし。
「冒険者は迷宮に潜ったり街の外でする仕事の依頼を受けるということですか?」
「ええ、街の外に出る必要がある依頼は大抵ギルドで請け負っています。迷宮に向かわれる場合は自己責任ですがその分実入りはいいですよ、古代の道具や武器を発掘できれば一攫千金ですからね。新人のうちは慎重に行動すべしとあるんですが卒業すると皆さんいっせいに迷宮に向かいます」
冒険者自由すぎるただし危険のある仕事に限る。これはもう命の危険がある作業をするしかないかもわからんね。
「冒険者をする人は大体街の外か迷宮で仕事をする、引退すると街中で仕事をする。でいいです?」
「そうですね、よほど特殊な方以外はその通りです。特殊な方と言っても貴族の方やコネクションがある方ぐらいですが」
「ちなみに今ある依頼はどんなのがありますか?」
「申し訳ありません、王都周辺では危険な魔物は少ない上発見されるとすぐ騎士団が駆除に向かいますので依頼が無いんです。昔は護衛や運搬などがいくらでもあったそうなのですが……」
「そうですか、やっぱりキタメイキュウまで行くしかないのかな」
「ここに配属されている身で言うのもなんですが、迷宮と依頼の両方がありませんので誰も居ついてくれないんです。平和なのはいいことなんですけど……」
詰んでるって場合じゃねーな、終わってるよこの支部。
「でも設備と大きさは負けてませんよ! 数々の名冒険者がここから生まれたんです!」
そういう時代もあったんですねわかります。
「えーとでは説明もしていただきましたので転送と言うやつをやってみてもらってもいいですか? あと王都には着たばかりなもので2階の部屋を何日か貸していただきたいんですが」
「その前にいくつか説明を追加させていただきます。冒険者ギルド員は基本的に自由です、他ギルドと違い上納金はありませんが依頼に対して誠実であることが求められます、不履行や意図的な瑕疵が認められた場合査問の上処分が下されることもありますのでご理解ください。除名された場合理由によって異なりますが当ギルド、他ギルドともに再登録が難しくなりますし功績はなくなってしまいます。加えてその間はステータスを確認することもできませんね
また、魔族が襲来した場合防衛のため召集されることがありますが功績が一定以上の方は拒否できません。その際に負われた怪我や消耗品に関してはギルドで保障されますし褒賞もでます。」
すいませんいきなり物騒なんですけどキャンセルできませんか? 契約書の文言みたいになってるんですけど。
「依頼の内容がデタラメで続行できないとか意図的に不可能な条件が加えられたりしていた場合などはどうなります?」
「ギルド側でも受付の際に調査は行っていますのでまずありえないんですが……再確認後通知が来ることになっています」
「魔族の襲来はどれくらいの頻度で? 死亡者や怪我人のリストなんかがあったら見せてもらえますか?」
「この文言は一応通知してはいるんですが最後に魔族が現れた記録が約400年ほど前なのでリストは残っていないんです。魔物の大群が現れた場合にも召集されることがあるのですがそれがキタメイキュウで50年ほど前ですね、ドラゴンの大群が山脈から降りてきたらしいのですが堀と防壁で乗り切ったと記録にあります。負傷者多数ですが死者は0です。
……一定以上の功績を持っている方はベテランですから、新人のうちは招集されませんから大丈夫ですよ。それに魔法使いの方は防壁の上から魔法を使うのが主ですからそんなに危険じゃありません」
「死んだらどうなります?」
「指定がなければ登録の際の出身地の遺族に見舞金の支払いが行われます。その際ギルドカードの隠している項目が全て閲覧できるようになります。功績と合わせて総本部での研究資料とされますがご了承ください」
すいません功績というのがよくわからないんですが。
「功績、というのは」
「ギルドカードの下部に空欄がありますね、こちらをなぞると現在までの依頼内容や迷宮で発見した物、到達階数などの一覧が出るようになっています。」
どう見てもスマホです。スライド機能すごいですね。
「今現在は登録されたばかりですし私も迷宮には入ったことはないのでごらんいただけませんが先ほどお渡しした用紙の裏側に見本がございます」
どれどれ、説明書みたいに書いてあるな、なるほど50階層到達で一人前ですだと?
「50階まで行けばベテランですか?」
「いえ、現在キタメイキュウでは到達最下層が280階となっていて120階を越えたあたりからベテランと呼ばれます。定義は国ごとに多少異なりますが大体10数年はかかりますね。最下層まで到達できるのはほんの一握りです」
「初代様が壊した迷宮は何階あったんでしょう?」
「記録に残っているのは200階までですね。当時このあたりは開拓地域と呼ばれていて北のサルト王国から派遣された軍と冒険者……が切り開いて防壁と街を築いて迷宮を攻略をしていたそうです。外海に面していますから海流しだいですが補給もしやすいですしも比較的順調に攻略をしていたとあります。
しかしサルト王国内で継承権争いが起こり軍が帰還してからは冒険者……のみでの攻略が始まりました。その時現れたのが初代ヒガシヤマダ様です。
大変優れた魔法使いで一呼吸の間に魔物の群れを焼き尽くしたと言う記録が残っています。なんでも迷宮を掘り進むことができたそうで真下にまっすぐ進んでいってあっという間に最深部を破壊したと言うことなんですが……そのせいで最下層は何階だったのかははっきりしていません」
ダンジョンは掘り進むもの。下方向は反則だろう……
「最下層の宝物は王家の秘宝となっていて現在は王城に安置されているとか。サルト王国は現在でも内乱が続いているのでこちらには干渉してきません」
「将来的には土地をよこせとか言ってきそうです?」
「ありえますがそう心配することでもないでしょう。キタメイキュウで活躍中の冒険者の大半はこの国の国民です。そして私たちはヒガシヤマダ王家への忠誠を忘れはしません。当時奴隷として扱われていた祖先を開放し、現在になるまで善政をしいて下さった王家の方々に報いるためとあらば山脈を越えてサルトを落とすことなど造作もないことです」
なんか語り方がおかしくなってきてる……愛国者ってレベルじゃねーぞ。しかもしゃべり続けてるし
「そして私はミーコ妃のように愛の奴隷として永遠にお仕えするのです」
奴隷に戻ってるのは気のせいなんですかねぇ……ミーコさんが左遷される理由がなんとなくわかったよ>>35感謝
ヒガシヤマダさんはネコミミさんと結婚できたのか、うらやましい。
「とてもよくわかりましたもんだいありませんところでそろそろてんそういいでしょうか」
「ご了承いただきました。確認作業も終了いたしましたので転送を開始しますね。」
なんか大事なことを聞き忘れている様な気もするがトーク内容がヤバイ。
そう言ってミーコさんが水晶玉にカードを差し込むとズブズブと入り込んでいく、しばらくすると光って消えた。これで転送できたんだろうな。早くここから離れよう。
「おめでとうございます、これで登録は完了いたしました。ジトウさんはこれから冒険者です」
「そうですかありがとうではこれで」
「2階のお部屋はすぐに準備いたしますね、1泊銅貨10枚ですけど誰もいませんから何時まででもお泊りいただけますよ。それにこの国にはいらっしゃったばかりのようなので私が詳しくご説明しますね」
Oh……しかしまわりこまれてしまった
新ジャンル:ネコ国デレ 怖いです。