ファイル02 「過去」
カフェで偶然再会した元恋人の良美… 彼女のと出会いは…
あれは中学2年のことだっただろうか
丁度、航空という世界に興味を持つきっかけとなったのは夏、千葉から来る伯父を迎えに空港へ行った時のことだったと。
関東付近が台風に見舞われているということで出発が遅れるという連絡は受けていたが空港へ行った。
以前から何度かは来たことがある場所ではあったがこの日はダイヤが乱れていたせいもありやたらと混雑していた。
それを逃れるように屋上の展望デッキへと向かった。階段を上り、外に出るとむわっとした蒸し暑さにつつまれた。
しかし低い柵越しに見る風景で思いは晴れた。
燦々と降り注ぐ太陽の光で眩しく輝く機体が轟音を響かせ、そしてそれを懸命に支えてるグランドスタッフ――
そんな光景に魅せられていると隣りからの視線を感じた。
見れば隣りのクラスで何度か話したことがある、川村良美 その人がいた。
何とも意外な場所で会ってしまったものだが、そのまま無視するわけにも行かないので軽く会釈――
沈黙をやぶったのは彼女だった
「あんな大きなのが飛ぶなんて凄いよね」
「あぁ 凄いよな」
我ながら間の抜けた反応であったとは思ったがとにかく
「凄い」
のだ。
いつまでそうしていただろうか
「暑いね 中入って何か飲む?」
「うん そうしよっか」
中に入ると、ダイヤが回復してきたようで、先程よりも人が少なく感じた。
聞けば彼女は
「ただなんとなく」
デッキにいたそうだ
その後、他愛のない会話をして、携帯に伯父の乗った便が到着したとの連絡を受けたのもあり、その日は彼女と別れた。次の日は昨日と一転し、臨時休校を期待する程の大雨が午後から降り出した。
「予報はピーカンだったのになぁ」
などと口々に言いながら意を決して雨に向かって走り出す友人を見ながら生徒会室へと急いだ。
小学校の頃から機械が好きだったのもあり、現在は先月の改選選挙により着任した放送常任委員長のポストにいる。
そして今日は第1回の委員会である。
「最初が肝心」
とばかりに冷静にドアを開けるとそこにいたのは昨日の展望デッキにいた川村良美 彼女であった
始めまして 筆者の優作でございます。
この度、初めて執筆させていただいているわけですが、何卒、誤字&脱字については、軽く流してくれることを期待します。
駄文ですが最後までお付き合い頂ければ幸いです