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 believe

作者: hiro


掲載内容↓


1.カンセイごころ


2.LETTER~to-another-me~


3.believe



以上、3編からなる詩集です。


 

 

 ※カンセイごころ※

 

 

 ひとのこころの

 ボールはね

 

慣性にしたがって

転がってくから


うごきだしたら

止められない……


摩擦もなかなか

はたらかない……



     ε=ε=みぎへ

 

ひだりへ=з=з 

 

  ~じゆうに

 

   ――勝手に

 

 

  ほぉら。

もう見えなくなっちゃった……


こころのボールは

失いやすい



  ほぉら。 

ちょっと はなしただけなのに


気づけば

草むら

およいでる――

 

 

 

 ひとのこころの

 ボールはね

 

感性をしんじて

キセキ描くから


方向転換

予測できない……


"じーぴーえす"なんて

ついてない……

 

 

      

まえへ   

 ∧

 ┃

 ┃

      ┃

      ┃

      ∨

     うしろへ

 

 ~ ~きままに

 

    ほんぽうに♪

 

 

  ほぉら。

知ラナイ ダレカのものになった


ひとのこころは

裏切りやすい



  ほぉら。 

いッしょうケんめイ

 探シたノに……


ちがう ひとの手で

眠りについた――

 

 

 そして また


     ε=ε=みぎへ 

ひだりへ=з=з

 

まえへ   

 ∧

 ┃

 ┃

      ┃

      ┃

      ∨

     うしろへ

 

 

  おぉや?

 

ボクのこころのボールもね

 

ひとから見れば

 追跡不能?


だから 虚々実々

さぐりあい?

 

――へいおん もどるは

   いつになるやら。 

 

  

LETTER~to-another-me~

 

正義だとか 善意だとか

最もらしい堤防を築いて

 

批判だとか 嫌悪だとか

煩わしい浸水を防いで

 

守りたい地盤は

    自尊心?

 

 

ふり回すな!

 

ざらついた欲望で

 

けもののような眼で

 

ならくの深淵で

 

いがみ に染まった声で

 

デビルみたいに囁くな!

 

 

 

偽善だとか愛想笑いだとか

 

整イスギタ舗装ヲ壊シテ

 

憤怒だとか 憎悪だとか


生々シイ大地ヲ晒シテ――

 

 

浸水サセタラ キット……

キレイニ ナレルダロ?

 

 

……そしたら俺は

  泣き濡れたお前の

  手を握って

 

  コ ロ サ ズ ニ

 

  許せると思うんだ

 

 

だから、もう――

 

ふり回すなよ……

 

ざらついた欲望で

 

けもののような眼で

 

ならくの深淵で

 

いがみ に染まった声で

 

デビルみたいに囁くなよ……

 


   ・believe・

 

まだ風は

灰色の季節を 彷徨し

まだ瞳は

春めく燦煥を 宿せずに――

 

時の変遷

  無常な泡沫

 闇との邂逅

    光の熄滅

 

 

流転する この時空の中

 

私の明日は

今日と変わらず

冬だろう……

 

木霊する 希望の胎動

感触も分からぬまま

 

やがて 雲は

高きを仰ぎて

去りゆくだろう――

 

 

旅立ちを諦めた

遊子のこの姿

 

滑稽だと嘲り

去りゆくだろう――

 

 

 

 ああ 雲よ、 

 どうか教え給え

 

仮初めの姿を纏いて

 

泳ぎつく虚無を知りながら

その躯を他者と衝撞しながら

 

流れゆく その心地を……

 

 

 

流転する この時空の中

 

私の明日にも

春風が爛漫に唄うだろうか

 

木霊する 希望の胎動

掴めずとも信じて

 

雲のごとく

 

高きを仰ぎて

旅立てるだろうか……

 

 

蒼き御手に

還りゆく運命でも

 

高きを信じて

旅立てるだろうか――

 

 

 

 

 そして

   風は

 

香しい薄紅を

その腕に抱いた……

 

 

 

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― 新着の感想 ―
[一言] こんばんは。 いつもお世話になっております。 今日はこちらを拝読しましたので、感想を残していきます。 活動報告も拝見しました。 「カンセイごころ」がうまく表示されているかどうか、という点…
[良い点]  いいですね。先生独特の感性が存分に生かされた詩集だったかもしれません。それぞれの作品に個性を感じました。特に表題作『 believe』は漢詩のようなリズム感がとても良かったです。『カンセ…
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