第1話 空白の3時間
--キッチン
--AM10:00「・・・おいしいって言ってくれるかな・・」
「大丈夫だよ。おいしそうにできたし、ほら、元気出して!」
冷蔵庫の前で2人が話している。
--リビング
--PM17:00
「あれ、お母さん?プリン4個しかないよ?」
「え、?プリンもっとあったはずだよね?誰か知らない?」
「知らないよ、ミツハが食べたんじゃないの?」
「わたし、たべてないもん!」
--プリンが消える事件発生--
(容疑者1)
祖母トメ 72歳
夫に先立たれ、寂しい日々を送っている。
好きな食べ物、プリン。
(容疑者2)
父サトシ 45歳
単身赴任をしていて今日の夜帰る予定。せっかち。
家族に内緒でYouTubeを投稿している。
(容疑者3)
母マサミ 43歳
回転すし屋でアルバイトをしている。家族とK-POPアイドルが大好き。ダイエット中。
(容疑者4)
長男カズマ 19歳
ケーキ屋さん勤務。まじめで優しい。美少女アニメオタクだが誰にも言っていない。
(容疑者5)
長女フタバ 17歳
清楚系ギャル。性格は穏やかで優しい。コンビニでアルバイトをしている。看護師になるのが夢。
(容疑者6)
フタバの彼氏ユウヤ 17歳
フタバの家に居候している。
フタバと同じコンビニでアルバイトをしている。よく気が利いて、お客さんから人気がある。
(容疑者7)
次女ミツハ 6歳
甘やかされて育った。動物が大好き。わがまま放題だがトメの言う事は聞く。
--リビング
「じゃあ、誰?」
全員が黙り込む中、父サトシが口を開く。
「え?4個しかないの?」「うん、なんで?」
「いや、なんでもない・・」
プリンを見に行くフタバの彼氏ユウヤ。
「・・減って・・ますね」
長男カズマが帰ってくる。「ただいま~、皆揃ってどうしたの?」
「うん、朝作ったプリン、誰かが食べちゃったみたいで減ってるのよ」
「え!お母さんプリン作ったんだ?いつまであったの?」
「作ったっていうか・・まあ・・。あ!朝10:00にはあって、さっき見たら5、いや、4個になってたのよ」
「え、てかお父さん帰るの21時って言ってなかった?」
「うん・・仕事早く片づいたから昼すぎにはここついたんだ。で、14時位に冷蔵庫開けた時にはプリンたくさんあったよ?数えてないけど。」
「そう、ですよね。俺も喉乾いて、そのくらいの時間に冷蔵庫開けさせてもらいましたけど、プリンはありました」
祖母トメの後ろに隠れる次女ミツハ。
「だれだろうねえ?」
物忘れがはげしいトメ・・。
ユウヤ「フタバ遅いな・・もうバイト終わってるはずなのに・・」
カズマ「じゃあ14時から17時の間に無くなったってことだね?お父さん何してた?」
--やばい・・どうしよう、言える訳ない・・。目を泳がせながら・・
「14時にお茶飲んで、それからずっと部屋にいたよ?」
「部屋で何してたの?」
「そこまで言わなくてもいいでしょ?」とちょっと怒りぎみ。
「お母さんは何してた?」
「私は・・16時にミツハと帰って来て、ちょっと本屋行ってた。今日○○が出てる雑誌の発売日だから!見る?めっちゃかっこいいの!」
--「え、・・」
全員白い目で見る。
「え、別にいいじゃん」と、さみしそうな母マサミ
「フタバは?」
「そういや、フタバまだ帰って来てないよね?ユウヤ君、何か聞いてる?」
何かを隠すように「いや、何も・・」
「ユウヤ君は、何してたの?」
「僕は部屋でYouTube見てました」
チラリとユウヤを見る人間がいた。
「ミツハはなにしてた?」
--返事をしないミツハ。
「ミツハ?」
--耐えきれずにどこかに行ってしまった。
「ミツハは私と一緒に居たよ」とトメ。
「おままごとしてた」
「カズマは何してたんだ?今日仕事、休みだろ?」とサトシが聞く。
「え・・」急にうろたえるカズマ。
「ねこ耳美少女とドキドキ体験♡」のイベントに行ってたなんて絶対に言えない。
(かばんの中には買ったばかりの大量のねこ耳グッズ)
「と、友達と遊びに行ってた!」と、ごまかす。
「に、荷物置いて来るね!」
カズマは大切そうにねこ耳グッズを運ぶ。
--確かにプリンは8個あった--
PM14:00
父も、ユウヤも、冷蔵庫を開けている。
そのときは、まだたくさんあった。
PM17:00
残っていたのは、4個。
3時間のあいだに、4個消えた。
全員に、アリバイはあった。
それなのに、誰も
食べたとは言わない。
--嘘をついている人がいる?
--誰が、何の為に、プリンを作った?
--お母さん、プリンの数、なんではっきり言わなかった? 作ってないとごまかした?
--それとも…




