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1 目覚めの朝
初めての投稿になります。
ご覧いただきまして誠にありがとうございます。
自分の好きな世界観を盛り込み思うがまま作ってみました。
定期的に投稿していきます。
外の音で目が覚めた。晴れた空の下、機械が動き出す音が街に響く。
決まった時間にそれは毎日同じように繰り返される。
だから彼は目覚まし時計を使わない。
昨晩の酒が残っている。身体が重い。
枕元にあった水を一口飲んで喉を潤して、ゆっくり布団からでた。
窓を開ける。冷たい風が入り込み、蒸気の匂いがかすかに漂った。
視線を落とす。12階から見える街では多くの人が歩いている。
コートを羽織り、頭に付けたゴーグルを抑えながら進む姿が目に入る。
巡回の機械が一定の速度で動き、人型の機械も淡々と道を行く。
少し顔を上げる。
飛行船がゆっくりと空を横切っていた、その先に巨大な歯車仕掛けの時計塔があった。
グリはしばらく眺めた。
変わらない【機械の国】。「いつも通りだ---それが当たり前だった。」