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小説家になろうラジオ大賞6

街の紙飛行機屋さん

作者: 夜狩仁志

なろうラジオ大賞6 参加作品。

テーマは「紙飛行機」


 この世界の連絡手段は様々だけど、ポピュラーなのはきっと紙飛行機よね。


 私はこの小さな街の唯一の紙飛行機屋。

 人々は紙に伝えたい事を書き連ねる。それに移動転移魔法の類で、届け先を念じて飛行機の形にして飛ばすのだ。


 遠方だったり、外敵から守るための物理防御や魔法防御を施すと料金も上乗せされる。

 それなりの技術がいるからだ。


 この魔法をかけ、折って飛ばす仕事が私の役割。

 職人は高齢化してしまい、まだ見習いの若い私が一人でやることに。


 だから大変!


 でも普段は仕事も少ないので、一人のんびりやってるけど、もうすぐあの日がやって来る。


 聖母アリア様生誕の日


 この日は、想い人に手紙を送ると結ばれるという、昔からの風習が残る日。


 3日間続くこのお祭りでは、そこら中の人たちが想いを込めた紙飛行機を飛ばしまくる。


 国中の空が埋め尽くされるほどのイベント。

 その光景も名物となって、遠くの国から旅行者もやって来るほど。

 その旅人も面白半分に自国に手紙を送ったりする。


 そして今年も……


 死ぬほど忙しい!!


 臨時のお手伝いさんを雇っても、

 全然、さばききれない!


「これ、明日までにお願いね」

「全部で30枚だけど、飛ばせる?」

「すごく遠いところなんだけど、大丈夫?」

「これ魔防を施して、あと防水防塵もよろしく」


 あんたら!

 いい加減にしてよ!

 本当に好きな相手なら直接会って伝えなさい!


 地獄の3日間を過ごし、体力も魔力も使い果たした私は、グッタリとベッドに倒れ込む。


 疲れたわぁ……


 翌朝、

 目覚めると枕元に一通の紙飛行機が?


 これは? 私宛だ。


 要約すると、


 お勤め、お疲れ様でした。

 どうです、お食事でも?

 話したいこともあるし。


 差出人は、近所の幼馴染で鍛冶屋の息子。

 毎年この数日無償で手伝ってくれる、良いやつなのだ。


 私、飛ばすばかりで貰ったこと、なかったのよね。


 あれ? 

 これには移動魔法が施されてないから、そのまま庭から投げ入れたの?


 なら、直接話してくれればいいのに。


 私は彼の家まで向った。


「おはよう、これありがとう」

「読んでくれたんだ。実はまた飛ばそうかと」


「今いるじゃん。ここで言ってよ」

「そ、そうか? じゃあ、言うよ」

「うん」


「君の事が好きです」

「…………へ?」


「実は昔から……」

「ちょっと待って!

 なんでこんな所で!

 そんな事を!?」


「だって直接言えって」

「だからって、その、心の準備が……」


 な、なるほどね。

 皆が飛ばす理由が分かったわ。

 面と向かっては、恥ずかしいから……




テーマ「紙飛行機」「カレンダー」「トレーニング」とかはネタが被りがちなんですよね。


当初の話は「恋の赤紙飛行機」という別の話だったのですが、作り直しました。

早く投稿したもん勝ちですよね。

「カレンダー」とか「観覧車」は書き直すかぁ……

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