11/6,7 ソロ
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「イタズラの犯人を捕まえたい。みんな協力してくれないか」
「もちろん!俺たちの練習が無駄になったらたまんないからな!」
「でもピグラ、どうやって探すの?」
「人海戦術だ。俺たちで落書きされそうなところに張り込みをする」
「でも夜に落書きされてるんだよね。俺たち夜遅くまで出てたら補導されちゃうぜ」
「確かにそうだな……」
「私はそこまでリスクを負いたくないわ。大人に任せればいいんじゃないの?」
「それがただのイタズラだって片付けちまってるらしい」
「そう……だったら尚更、犯人を見つける必要があるのかしら?」
「あるだろう。俺たちには」
ゴラの背中をアヴィが撫でている。ここのところずっと怯えている。
「なんにせよはっきりしなきゃ本当の意味で演奏会なんて開けない」
「幽霊、ね……」
その場で一度お開きになった。
俺たちは夜遅くまで外に出られない。
大人たちはイタズラとしか見ていない。
だったら俺ができることは……
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問題はさらに起こる。
「なんだこれ?」
朝下駄箱に手紙が入っていた。
『エンソウカイヲ チュウシセヨ』
俺は無性に腹が立って紙を丸めた。
「ピグラ!」
「どうした、ラビア」
「その調子じゃピグラのとこにもあったんだな」
「ああ、気色の悪い手紙がな」
「一年から聞いたんだけどゴラは気分が悪くて帰宅したらしい。多分……」
「言わなくていいさ。理由はわかる」
さすがにゴラにまで手を出してるのは許せない。
一刻も早く犯人を見つけないと。
「アロのところもか?」
「ええ、さっきアヴィのところも確認したわ」
「ただ、アヴィによると他には届いていないみたい。どうやら私たちだけみたいね」
「演奏会のメンバー、か」
落書きだって立派な犯罪行為だ。
それに脅迫の手紙。
そこまでして演奏会を中止させたいのか?
……なんだかしっくりこない。
本当の目的は別にあるのか?
「誰か見た人がいないか、確認できるか?」
「俺の友達には聞いてみた。全員何も知らないってさ」
ラビアでだめなら無理か……。
「とりあえず、各自何かあったら言うように」
「わかったわ」
今日は放課後の練習をなしにして、犯人捜索に当たっていた。
「というわけで今日は成果なしだった」
「当たり前のように来てますね。森って立ち入り禁止ですよ」
「誰も守ってないだろ」
「時々お母さんとかが見回りに来てますよ」
「俺は見逃されたけどな」
「お母さん、ピグラさんに甘いですね」
「確かに厳しくされたことはないな」
対策の話をしにきたつもりが、いつの間にかアロの話になっている。
「それで、ルスリアの方は何かあったか?」
「いえ、私が見える範囲では何も起きてないです」
「今までの傾向的に犯行が行われているのはこれからですけど」
「そうだな。夜から朝にかけて、か」
「俺やラビアは良いけどアヴィやソロに無理させるわけには行かないしな」
「どうしようか」
俺たちは頭を悩ませる。
「罠を張るとか?」
「罠?」
俺は作戦をルスリアに話す。
「本当に?」
「あんまりやりたくはないけどな……」
「でも、今はやるしかない」
「……不発に終わるといいね」




