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10/24 Thu 以下ソロルート

10/24

「ピグラっ」

後ろから声をかけられる。

「ぼーっとしてどうしたんだ?」

「なあ、自分が殺した人が幽霊になってたらどうする?」

「怖すぎるだろ。なんだよその問い」

「そうだよな」

怖いよな。

俺だって怖い。

「なんでもない。忘れてくれ」

「そうそう忘れられないよ……」

俺はなんで忘れていたんだろう。

いや、気付かなかったが正しいか。

彼女がルスリアだったってことに。


今日も練習をする。

ただ、今までとは少し違う。

みんなの事ではなく、ルスリアの事を考えて。

……意識したわけじゃない。

結果的にそうなってしまった。


ーーーソロの場合ーーー

「何かあったの?」

「え?」

「演奏が昨日までと全然違うわよ」

「今日、夢を見たんだ。そのせいかな」

「夢?」

話すべきだろうか。

ソロの死んだ姉の夢を見ていたなんて。

「子供の頃のな」

「えっ……」

予想してた反応と違う。

驚きを隠せない感じの反応だ。

「その夢には誰が出てきたの?」

何が起きたかではなく誰か。

「おっさんが一人だけ」

夢の中に出てきた人物はそれだけだ。

「……」

なぜか胸を撫で下ろしている。

「元気にしてるかなって考えてた」

嘘はついてない。

実際、音楽教室の先生も今を元気に過ごしているか気になってい……

「え」

なんだったんだ、今の。

「ピグラ?」

「すまん。少しめまいがしただけだ」

「もう、いつか倒れたこともあったんだから……しっかりしなさいよ」

「迷惑はかけないようにするさ」

ソロには気づかれないように、冷静さを保つ。

「ソロもだいぶ演奏変わったよな」

「もうピグラの好きな演奏じゃなくなっちゃった?」

「そんなことはない。芯にソロを感じるからな。なんていうか、周りの音を聞くようになった」

「昔の私にはなかった音ね」

「でもまだ少し、周りを見てないときがあるだろ」

「熱が入っちゃうと意識できないのよ」

「それもまたソロらしいか」

こんな風にお互いの音を聞きあうのも楽しい。

『楽しむことを優先してください』

ルスリアが言っていたのはこういうことだったんだろうか。

「私、今とっても楽しいわ」

「ああ、俺もだ」

「だから少しだけ、怖いの」

「怖い」

「ええ、これからどうすればいいのか……」

「ねえピグラ、今度の週末に二人で出かけない?」

「いいけど。デートのお誘いなんて村祭り以来だな」

「楽器店に行ったのは?」

「あんなのノーカンだろ」

「それもそうね」

こうして二人で変なことを言い合えるのも、楽しいと思える。

「少し遠出して隣町まで行かない?」

「いいね」

この前のコンサートはみんながいたから、二人だけというのはある意味新鮮かもしれない。

いや、ソロが相手じゃいつも通りか。

「それじゃあ、土曜日に駅前集合で」

「わかったわ」

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