10/13 Sun ソロを送っていく
ーーーソロを送っていくーーー
「……」
さっきからずっと拳を震わせてる。
こんなの放っておけるわけがない。
「ソロ、一緒に帰ろうぜ」
「なんでよ」
「方向一緒だろ?」
「それもそうね」
「ねぇピグラ、私よりたい場所があるんだけど」
「あぁいいぞ。俺も付きあう」
「そうじゃないんだけど……まあいいわ」
いつもの公園。
いつもの森。
ただ向かっている場所はさらにその奥。
「ここは?」
「祭りが始まった場所よ」
「祭りが?」
「この石碑はね、この村の幽霊のためのものなの」
「昔は別の石碑があったらしいんだけど何か事故があったみたいでね。それで置き変わったの」
「石碑といってもお墓みたいなものだけどね」
石碑には達筆な字で書かれており、俺の目では読むことができない。
「なんて書いてあるんだ?」
「私も知らないわ」
ソロは手を合わせて手を合わせる。
わざわざこんな所に立ち寄ってまで幽霊に祈りを捧げている。
……
疑問はあった。
でも、尋ねることはできなかった。
ソロの顔が、真剣だったから。
何かに伝えるように。
「手間取らせたわね」
「気にするな。もう帰るか?」
「そうね」
俺には聞こえないようにいったのだろうか。
しかしここは森の奥。
周りが静かなせいで小さな声でも聞こえてしまった。
「……ごめんね、姉さん」




