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10/3 Thu その後

「というわけなんだが、アロ、何かいい方法はないか」

「そうねぇ、みんなで遊びに行くのはどうかしら?」

「例えば?」

「来週末に隣町でオーケストラのコンサートがあるらしいのよ。そこにみんなで行くってのはどうかしら?」

「そんな格式ばった場所ってチケットとかいるんじゃないのか?」

「多分裏から回せるわよ。四人分なら関係者席でもいけると思うけど」

「……アロって何者なんだ?」

「ただの教師よ。それで、ピグラくんは関係者席と一般席のどっちが良い?」

「じゃあ、一般席で」

「わかったわ。来週末のチケットを手配しておくわね」

「深くは聞かないでおく。準備ができたら教えてくれ」

「ふふ、心配しなくても良いのよ。ただの対価だから」

「それよりも、本当に四人でもいいのね?」

「音に問題はないんだ。あとは個人が問題と向き合えば遥かに良い演奏になる」

「人数なんて問題じゃないぐらいに」

「そう。じゃあ、最後の一人は体調不良ってことにしておくわね」

「そうしてくれ」

アロは書類に向き合って何かを書き込んでいる。

「あの子達の面倒見てくれてありがとね。本当は私がやらなきゃ行けないんだけど」

「アロも色々大変なんだろう。今までと勝手が違うみたいで」

「なら、俺のできる範囲でなら手伝うさ。これも人望だろ?」

「ふふ、そうね」

「ピグラくん、頼むわね」

「ああ」


クラシックコンサートか。

最近行ってなかったな。

俺は……最後まで聞けるだろうか。

いや、大丈夫なはずだ。

なにより俺が出るわけじゃない。

きっと……大丈夫だ。

……

…………

………………

一人の少女が空を見ている。

怯えたものを見るように。

俺は急いで手を伸ばす。

もう二度と、手放さないように。

後悔しないように。

たとえ、俺の過去と切り離されることになっても。

俺の時間が止まってしまっても。

手を離せば後悔してしまうから。

一心不乱に引っ張り上げた。

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