無題40
かじかむ指をさすりながらホームの端のベンチに座った時
視界を横切る雪に気付いた
灰のような細かい雪が風に乗ってゆるゆると流れていく
道理で寒いわけだと今一度指をこすり合わせた
そういえば鞄の底に手袋があったような気がすると弄っていると
見る間に雪は本降りになった
傍の里山の山容が白く霞む
これはちょっと耐えられないとベンチから腰を上げた
先客の籠ってる待合室に入ると
思わず扉が大きな音を立てて閉まったので恐縮した
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