03 学び
それからも、皆さんにいろいろと教わりました。
ルルリエさんからは、この世界で一般的に入手できる食材を使った美味しい野営料理。
ハルミスタさんからは、僕の魔法力でも扱えるレベルの、冒険で役立つ各種魔法。
ノルシェさんからは、捕まえた悪党を無力化させる、ロープ一本で出来る捕縛術。
シナギさんからは、対人戦での心の在り方を鍛える精神鍛錬法。
スズナさんからは、隠密活動の心得。
皆さんのおかげで、いろんなことが出来るようになりました。
上手に出来るようになるにはどうすれば良いのかを考えて、
それが出来たらもっと上手に出来るよう反復練習。
技術が身体に身につくたびに、それが自信となるのが分かります。
この世界に来てこれだけ凄い人たちと知り合えたこと、本当に感謝なのです。
……
「頑張ってるみたいだね、カミス君」
アランさん、ちょっど良かった。
『収納』について調べたいことがあるので、ご協力お願いします。
「なんだい」
えーと、『収納』容量についてなのですが、
いろいろと試してみたいことがありまして。
「なるほど、何をすれば良いのかな」
あちらにある特製の特大テントを『収納』してみてください。
「幌馬車よりデカいのは、俺じゃ無理だと思うけど」
ぜひお願いします。
「それでは、『収納』」
「……」
「入っちゃったよ。 どういうことだい、これ」
詳しいことは分からないんですけど、たぶん密度が問題なのかと。
「ほう」
仮説ですけど、入れたいものの中身がスカスカだったり素材が単純だったりすると、大きなモノでも『収納』出来ちゃうんじゃないかな、って。
「ほうほう」
同じ大きさの幌馬車でも、通常の幌馬車と、アリシエラさん製の居住『空間』内蔵幌馬車では、『収納』難易度が違うのかも。
「つまり、スマキシリーズは幌馬車の容量に『空間』内の一軒家の容量がプラスされるから『収納』が難しい、と」
どうでしょう、僕の思いつきなんですけど。
ただ、容量が小さいはずの僕の『収納』に『空間』一軒家テントがあっさり入っちゃうので、もしかしたら入れるモノとの相性みたいな要素もあるのかも知れませんね。
いずれにしても、これからも要検証って感じかな。
「凄いな、カミス君は」
「俺もこれからは師匠って呼んで良いかな」
勘弁してくださいよぅ。