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絶対零度のシルヴィア〜TS転生したら美少女だった件〜  作者: 近藤ハジメ
二章 ポポロン村の遺跡
7/24

07


 ポロロン村は《冒険者の街 ダイナ》から山を越えたところにある小さな村だ。魔物の侵入を防ぐ壁も無く、ここの村人は三十人ほどの人口で畑を耕して農作物で生計を立てている。


 ……と、移動中にヒュールに聞いた。


 




「依頼で来ました、シルヴィアです」


 自己紹介をすると同時にライセンスカードを村人に見せた。すると慌てて村の奥に行って、よぼよぼの老人を連れてきた。

 どうやら、その人が村長の様だ。


「これはこれは! まさかBランク冒険者様に来て頂けるとは!」


 ニコニコの笑顔で村長に出迎えられた。その後ろには少し若い女性が連れ添っている。秘書か世話係かな。

 すると不思議そうな顔で俺の隣にいるヒュールを見た。


「そちらの方は?」

「ああ、コイツはーーーーむぐっ」

「ただの傭兵ですよ。シルヴィアとは友人でして、今日は手伝いに来たんです」

「おお、そうでしたか」


 村長は納得したようで嬉しそうに頷いた。

 それにしてもヒュールの奴、何のつもりだ?


 ヒュールの方を見ると微かに目が合った。

 「何も言うな」って事か。


 何か考えがあるみたいだし、従うとしよう。





 それから村長に案内されて、村で一番立派な家に案内された。

 しかし、ボロボロの家が多い中でその家だけは立派な作りだった。


(この村にそんな財力があるのか?)


 と疑問に思いながらも、村長の家で応接間に案内された。そこにも美しい絵画や高そうなソファが並ぶ。 

 

 ソファに村長と対面する様に座ると村長の秘書的な女性が何かの肉を運んできた。

 真っ先に反応したのはお肉が大好きそうなヒュールだ。


「へえ、美味そうだな」

「ええ。我が村で作られた自慢の肉ですよ!」

「それじゃあーーーーむぐっ」

「いや、すまないがこれから仕事だから遠慮する」

「そうですか、それは残念ですじゃ」


 ヒュールが目の前の肉を前にして、恨めしそうな顔をしたが黙ってろと意味を込めて睨み付ける。


 この目の前にある肉は、俺から見ても腹が減ってくるほどの極上の肉だ。食べれば美味いのだろう。


 ただ、【万能感知】が何かを告げた。

 危険とは違うが、食べない方がいいと告げていた。


 【万能感知】を信じて、俺は食べない。


 村長は後ろに控えた女に命令して皿を下げさせ、


「それで遺跡調査ですよね?」

「うむ。そんなのじゃ。年に数回、定期的に依頼してるんじゃが、遺跡に魔物が住み着いていないかを調査して欲しいのですじゃ」

「なるほど」


 ただそれにも若干の違和感を覚えた。

 なぜ村人が遺跡を所有しているのか、と。

 ここに来るまでにヒュールから、遺跡を代々守護する一族だと言う事は聞いていたが、それでもどこか引っかかった。

 だが俺がどうにかできる事でもないし、裏に何かあるとしても暴くには時間がかかり過ぎる。

 とりあえず、さっさと仕事を終わらせてしまおう。


「すぐに戻る」

「ありがとうございますじゃ。どうかよろしくお願いしますじゃ」


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