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絶対零度のシルヴィア〜TS転生したら美少女だった件〜  作者: 近藤ハジメ
三章 ボルテジール火山
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明日休んでいい?

……おっけー。明日休むわ。


「「ランクアップおめでとうございま〜すっ!」」


 パンパンっ、とクラッカーの様なものから紙吹雪が舞う。

 クラッカーを鳴らしているのは受付嬢のエリーと《小山羊のお髭亭》の看板娘のミアだった。

 今回、俺がAランクにランクアップした事をお祝いする為に二人がわざわざ来てくれたのだ。

 

 会場は《小山羊のお髭亭》。

 ヒュールは別に指名クエストが入っていた為に欠席だ。


 こうして三人で机を囲い、豪華な料理を食べる。


「それにしてもギルドの上層部もすんなりのランクアップを通してくれましたね。やはりレッドドラゴンを討伐したのが効いたのでしょうか?」

「ドラゴンですか!?」


 最強種のドラゴンの名を聞いて、ミアが驚いて声を上げた。


「あれ、聞いてなかったんですね」

「は、はい」

「ふふ。そうですよー、シルヴィアさんがレッドドラゴンを倒したんですよー」

「凄いっ!」


 ミアからキラキラした羨望の眼差しを向けられて、罪悪感に蝕まれる。


「嘘を教えるなよ、エリー。大体、トドメを刺したのはヒュールじゃないか」

「いいえ、違います。レッドドラゴンの亡骸を調べましたが致命傷を与えたのは氷の剣ですし、前衛であるヒュールさんが手の届かない場所まで飛んだドラゴンを地面に叩き落としたのもシルヴィアさんだと聞いていますよ。ほとんどシルヴィアさんの功績じゃありませんか」


 確かにエリーの言っていることは事実だった。

 俺は言い訳が思い浮かばずに言い淀んだ。


「シルヴィアさん、シルヴィアさんっ」


 気付くとくいくいっと袖を引かれた。

 ミアにキラキラした目を向かられ、告げられる。


「シルヴィアさん、カッコいいですっ!」

「そ、そうか?」

「はい! すっごく!」


 裏表も無く、裏側に秘められた妬みも無い。

 前世では一度も向けられた事がない、純粋な褒め言葉に嬉しさが心に満ちた。

 

「ありがとう」


 凄く嬉しかった。

 正直、あれは俺だけの功績じゃないと思っているが、それでも「かっこいい」と言われた事が一度も無かった俺はミアの褒め言葉が心底嬉しく思った。


「ほらほら。今日の主役はシルヴィアさんなんだから沢山飲んでください」

「そうですよっ! このお料理も食べて下さいっ!」


 ほらほら、と次々に酒と料理を並べられ、ある時は口元まで運ばれる。

 

 ああ、これは後で酔いそうだ。

 などと考えながら、美人二人にお酌をされながら飲み進めて行った。









 その結果、酔っ払って潰れたのはエリーだった。


「その、ごめんなさい」


 何故かミアが謝っているがミアのせいでは無い。


 酒の席でテンションが上がってきたのか酒をガボガボ飲み出して気が付くとこれだ。


 俺もミアも止める隙なく、エリーは出来上がってしまった。


「それでその、どうしますか? 今日は残念ながら満室で……」

「……俺の部屋に運ぶよ」


 生憎とエリーの自宅を知らない。

 かと言って新しい宿を探すにもこの時間だとどこもやってないだろうし、外に放り捨てるなんてもっての外だ。

 エリーほどの美少女が一人でいたら、すぐに襲われてしまうだろう。


 それなら俺の部屋の方が安全だ。


「よ、っと」


 ぽさっと背負ったエリーをベッドに横たわらせる。

 むにゃむにゃと寝落ちしたエリーが爆睡している。



「……シルヴィアさん、綺麗」

「何だ。起きたのか」


 衣擦れの音に誘われて、エリーは起きてしまったらしい。

 目が半目で開き切っていない事から、頭も回っていなさそうだ。


「私、シルヴィアさんみたいな人と結婚したいなぁ」


 酔っている? 酔っているのだろう。

 じゃ無いと彼女はこんな事言わない。


「かっこいいし、強いし、優しいし」


 大切な思い出を一つずつ、言葉にして出す。


「シルヴィアさん、私を貰って?」


 最後に俺の方を見て、儚げに笑って自分差し出した。

 それは壊れてしまいそうな硝子細工の様に美しかった。


 もう我慢出来ない。


「なーんて……っ!?」


 エリーから強引に唇を奪った。


「分かった。貰ってやるよ」

「え、あの」

「煩い」

「んっ」


 喧しい口をまた無理矢理塞ぐ。

 エリーの服を剥ぎ、そして水々しい裸体を隅々まで味わった。



 ーーーーーーーーーー


    自主規制


 ーーーーーーーーーー



 次の日の朝、鳥の囀りと共に目を覚ます。

 ベッドから降りて服を着る。


 俺が服を着終わる頃にはエリーは目覚めたらしい。


「あ、あの、シルヴィアさん」


 上体を起き上がらせて、シーツを胸元まで掛ける。

 男なら一度は夢に見る夢のシチュエーションだ。


「あれってやっぱり夢? そう、夢ですよね、一夜限りのーーーー」

 

 何を言おうとしているか分かったので、昨日、何度とした様にエリーの唇を奪う。


「……夢じゃないって分かったか?」


 エリーは顔を真っ赤にしてこくこくと頷く。


 よし。


「お前は俺の女だ。いいか?」

「でも、女の子同士ですし」

「知らん。それとも何だ、俺とじゃ嫌か?」


 エリーはぶんぶんっと髪が揺れるほど頭を振って否定する。


「じゃあ良いだろ」

「あう……」


 まだ不安を抱えているエリーを抱き寄せて、ギルドに行くまで何度もキスをした。


 その頃にはすっかりと適応して、逆にエリーからも何度もキスをされた。

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