卒業
『何から卒業するのだろう』
昔流行った歌の一節にこんな歌詞があったような気がする。
今日、娘が中学を卒業した。天気が悪かったこともあり、朝からのてんやわんやで、こちらの午前中投稿を忘れてしまった。すみません。
さて、国歌も校歌もCDを聞くだけ、卒業証書も代表者1名という簡素な卒業式を終え、娘たちはクラスへと引き上げていった。
今回は特別措置だそうで、子供たちの携帯持参を許された。教室は写真撮影会となり、大いに盛り上がったそうだ。コロナという敵を前に、我慢を強いられ、思い出も少なかった子供たちにとって、きっと良い思い出になるだろうと思う。
予定より、1時間も遅れて帰ってきた娘はとても良い笑顔で、『楽しかった』と言った。
そして、見せてもらった娘の写真は、ほとんどがスノーだった………。
マスクの上にスノー。もう誰だかわからない。
今はこれで満足だろう。今はこれで楽しかろう。
だが、大人になって振り返ることがあった時、そんな写真じゃつまらんのにな、と思うのは私が大人だからだろうな。
「で?言えたの?」
私の質問に、娘はニヤニヤした。
「うん!告ってきたっ!」
娘は、一年以上片思いの男の子がいる。
「おぉ、すごいじゃん!で?」
「ん?」
「だから、S君は、何だって?」
「んー??わかったって」
「なんだそりゃ?」
思わず貶してしまったことは赦してください。
「いいの。私は言えたから」
どうやら、白黒させた結果を求めていたのは、母親の私だけで、本人は告白することにより、S君からの卒業を果たせたようだ。
そういえば、私も先輩に告白したけど、結果は関係なく、先輩の卒業とともに私の気持ちも卒業できていたなぁと古い古い記憶を手繰り寄せてみた。
私はまだまだ娘を卒業できそうにもないが、卒業に近づいているのは間違いない。
娘は、私の知らぬ間に、色々な物から卒業しているようだ。寂しいですね。