習慣は怖いが笑えた
主人は新しい物が嫌いです。
なので今だにガラ携です。
「俺はガラ携最後の男になるっ!」
カッコつけているつもりかもしれませんが、カッコ悪いです。喧嘩になるから言わないけど。
そんな主人のケータイに○ガワ急便から『お荷物持ち帰りました』メールが届いた。
「お前、何か注文したの?」
「ああ、そういえば、したね。確か代引きだったはず」
「俺のところにメール来てて、ホームページ見ろってさ」
「見ればいいじゃん」
「……俺のじゃ見れない」
「………………だよね。じゃあ転送してよ」
「………………お前の日本語がわかんねぇ」
「だから、転送って押して、私に送るの」
「…………お前やれよ」
「……わかった。じゃあ、ケータイ貸して」
主人がメール画面にして私にガラ携を渡してきた。
「はいよ」
私は主人のケータイを受け取った。
そして、左手でケータイを持ち、ケータイの上部分、メールが書かれている画面の【転送】という部分を一生懸命にタッチした。何度も何度もタッチした。
画面がどうしても変わらないことに気がつくのに数秒かかった。
画面はタッチするものという習慣が身についてしまっていたのだ。怖い怖い。
私は自分のアホさに大笑いした。主人と娘に訝しんだ顔を向けられた。
私は泣き笑いしながら説明した。娘は一緒に笑ってくれたが、主人はガラ携をバカにされたと思ったらしく不機嫌になっていた。
久しぶりに大笑いした。自分のアホさで笑えて気持ちがいい。




