給食は神のお仕事
娘が毎日家にいる。中学を卒業してしまったので、ものすごく長い春休みだ。
朝は声をかけるまで起きてこない。
無視して出かけると、お昼に近い時間にスマホが鳴る。
「どうしたの?」
「ご飯は?」
ねぼすけはおぬしなのだから、自分でどうにかしたまえ。と、言いたいが、どうやら私は激甘らしい。
「朝ご飯なら、そこにおにぎりあるでしょう?昼ご飯なら、今、買い物してるよ」
「んー、なら待つ。バイバイ」
おいおい、こちらの話も聞かずに切るなっ!すぐにかけ直す。
「待つなら、お昼ご飯何にするの?」
「んー…………。マックのポテト」
母の手作りおにぎりより、マックのポテトを選んだ娘の首を、想像だけで締める。
「そう。この時間、マックは混むから帰りは遅れるよ」
「りょーかーい」
家族と食べる昼食は、なぜゆえにこんなにも面倒臭いのでしょう?
考えるのも面倒臭い。夕食との兼ね合いを考えるのも大変。栄養バランス?そりゃ、私の一人飯よりは、おかずが増えますわなぁ。
はぁ、給食食べてきてくれると、楽だったなぁ。給食を考えた人に、お礼を言いたい。給食を維持している政府に感謝したい。
栄養バランス完璧で、お腹いっぱいになる給食って、神の仕業だと思うほど、主婦のお助けになっているんだよ。
はぁ、そんな給食も、終わりだわ。4月からお弁当になる。考えるだけで、憂鬱だわ。
料金上げてもいいので、高校生も給食になればいいのになぁ。
なんて、思いながら、『考えなくて済んだもんな、指定しただけマシなのかな』『ポテトだけでは栄養バランスが悪いな』などと、考える。
スーパーで簡易サラダ買って、マックでポテト買って、帰宅する。
「おにぎり、美味しかったぁ。昼ご飯いらないやぁ」
皿まで丁寧に洗ってある。ああ、憎めない娘よ。
娘の代わりに私の昼ご飯が、サラダ&ポテトとなった。こうして、娘の代わりに太っていく私。
私がこうして愚痴っていけば、いつか高校生も給食になるかもしれない。
未来の主婦のために、愚痴を溢そうと思う。
高校生にも給食をプリーズ!




