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8話 図書館

初めに、お初の方はご興味を持っていただきありがとうございます。

そして、これまで読んでいて下さっていた方は申し訳ございません。あとがきにて言い訳させてください。

 飛鳥は本を手に取り中を確認している。気に入った本でもあったのか、俺はそう思い少し遠くで待った。すると、飛鳥は俺に気づき近づいてくる。


「あ、先輩。どうしたんですか?」


「あぁ、面接の件なんだけどさ。未華子さ……先輩に話したら、どうせ早く来たなら先に受けるか? って言われたけど、どうする?」


「そうですね……じゃ、先に受けます」


「そうか、じゃあ付いてきてくれ」


 俺は飛鳥を先導しながらバックヤードに連れて行った。


 ◆◇◆◇


 未華子さんが測ったのか、バックヤードには人はおらず未華子さんのみが携帯を弄って座っていた。


「よっ、あなたが飛鳥ちゃん?」


 未華子さんは、こちらに気づくと手を上げて挨拶をすると、組んでいた足を直す。


「はい。今日はよろしくお願いします」


「あ、はーい。じゃあ……」


 未華子さんは俺に目つきのみで指示を出してくる。今のはきっと、椅子を出せって意味だろう。椅子のことガン見してたし。俺が、そう考えるとパイプ椅子を一脚出す。


「あ、ありがとうございます」


「おぉ、気が利くじゃないか」


 気が利くって、あんたが指示したんやろと、俺は思うが口にしない。真の紳士は運命を甘んじて受け入れるのだ。


「じゃ、俺は出てますね。あとはよろしくお願いします」


「おう、任せておけ」


 未華子さんは男勝りな口調で承認する。

 俺はこの人がもっとおしとやかだったらと思う。


 ◆◇◆◇


「あなた、バイトはじめて?」


「はい、初めてです」


「ふーん……なんで、家にしようと思ったの?」


「そうですね。第一に読書が好きだからです。それに……先輩もいるので」


 飛鳥は少し照れながら言う。


 ◆◇◆◇


「じゃ、取り敢えず来週中には遊くんから連絡させるから。ま、期待して待ってていいよ〜」


「はい、ありがとうございます」


 飛鳥はそのまま未華子に一礼するとバックヤードから出ていく。


「はぁ」


 未華子は、飛鳥が完全に出きったのを確認すると、大きなため息をつき裏口から外に出る。すると、ポケットからタバコを取り出しライターで火をつける。


「スゥーハァー」


 未華子は、スマホを片手で操作する。


「あいつ……どっかで見たことあるんだよなぁ」


 ◆◇◆◇


「先輩〜」


 俺が、返却になった本をしまっていると後ろからそんな声が聞こえた。飛鳥だ。


「おぉ、面接大丈夫だったか?」


「はい、期待してて良いと言われました」


「ふーん。じゃ、今日はこれで終わりだな」


「はい、じゃあまた学校で」


「あぁ、学校で」


 俺は、飛鳥の後ろ姿が見えなくなるまで目で追っていた。そして、後ろからは嫉妬の溢れる声が聞こえる。


「仲がよろしゅう事ですな。不倫ですかな」


 いつきだ。俺は持っていた本で頭を叩こうと思ったが自分の本ではない事に気づきやめる。


「何しに来たんだよ。ん? 冷夏も来てたのか?」


「えぇ、割と近いのよ。そんな事より、面白い情報が手に入ったからわざわざ教えに来たのよ」


「本当は?」


「たまたま、本を返しに来たら貴方が居た。そして、それを後ろから眺めるこの子もね」


「何だよ。冷夏さん。それじゃあまるでストーカーみたいじゃないか。そんな事より、貴様嫁がいるのに不倫かと思ったら2人なのか。ずるいぞ……じゃ無かった、かわいそうじゃないか」


 俺は、ここの本だとは気にせずにいつきの頭をロックオンし、本の角で真上からフルスイングで頭を叩く。


「どうぞ、お帰りはあちらです」


 俺は、雑に頭を下げて出口を指差す。


「痛ったぁ。まぁ、俺も部活抜けて来てるから帰るけどさ」


 見ると、いつきの来ている服は部によって作っている部活着であった。


「一周か?」


「あぁ、お前もやるか?」


 一周とは、半永久町内一周の略で何か悪い事をした生徒がいると、連帯責任で教師の許可が出るまで永遠と町内を一周するのだ。大体は部内で一番偉い教師が喫茶店で珈琲を飲み終わるまでなのだが、その間に他の教師が自転車で見回る。


「見つかったらやばいんじゃないか?」


「流石に、図書館に居るとは思わねぇよ。今頃、血眼になって探してるんじゃないか?」


「他の奴らは?」


「あっち」


 いつきは、指を指す。俺はその指先の方を見る。すると、暑苦しそうに男共が群れあって1冊の本を眺めあってる。


「あぁ、雑誌か」


「それも、水着のオネーサンがいるやつな」


「アホ共が」


「ま、そろそろ時間かね。おーい、お前らそろそろ帰るぞー」


「「「ぅっす」」」


 いつきに返事をした部員達はそそくさと帰りの準備をする。こんなのでも一様部では、キャプテンなのだ。


「図書館では、なるべく静かにお願いしておりますが?」


「あぁ、ごめんごめん。取り敢えず。今度、冷夏さんもちゃんと紹介しろよ?」


「ま、気が向いたらな」


「まぁ、それで良しとしてやるよ。じゃあな」


 いつきは、そのまま部員を連れ図書館を出ていく。やっと暑苦しい奴らが出てったなと思い、近くの窓を数カ所開け換気を行う。冷夏は、俺の後ろを付いてきて手伝ってくれた。


「んで、何だよ。面白い情報って?」


「えぇ、その事なんだけどね……簡潔に言うわ。貴方の幼馴染ちゃんは学校に通っていないは」


「え?」

お読み頂きありがとうございます。

今回、こんなに遅れてしまったのは……と、言い訳をつらつら書こうとも思ったのですが、過去の事を書いてもあまり意味がないので(詳しく知りたい方は私の活動報告をお読みください)単刀直入に。

私は現在2作品投稿させていただいております。なので、両方週1+αとさせてください。理由としましては私が単純に大変であったことに付随します。

これからも読んで頂ければ幸いです。よろしくお願いします。

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