表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/8

4話 1通のメール

「今日は、有り難うございました」


「いえいえ、おもてなしは、出来ないですがまた来て下さいね」


 幼馴染が飛鳥に言う。


「いや、どこ目線?」


「……親?」


「疑問形なのね……まぁ、いいや。今日はありがとな」


「えぇ、こちらこそ有り難う。じゃあね」


 飛鳥は、そのまま帰っていく。その後ろ姿を眺め、俺はふと思う。そう言えば、家に幼馴染以外の女の子入れたのは初めてだなぁと。


 ◆◇◆◇


 俺は、パソコンを見ると。昼に見たメールを読み返し、メモを取る。重要な部分のみを取り、要約すると、スマホを取り出しRAILを開く。そして、飛鳥に送りつけた。要約文には、貴方と同じ様な現象に家の父もなっているかも知れません、今度、詳しい話をしたいので次の土曜日会いませんか? と書いてある。一見すれば、出会い厨の様なメールも俺に取ってみれば、大事な情報だ。


 飛鳥から返信が来る。


『やっぱり、この人は何か知ってそうですね。会ってみるのが吉かと』


『俺もそのつもりだ』


『他には、何か書かれてませんでしたか?』


 俺は、それを見ると、メールを読み返す。そして、見逃していた一文を見つける。そこには、PSと書いてある。[PS,貴方のお母様が居なくなってから、同い年の子が来ていませんか? 多分、今だと幼馴染と呼べる様になってるはずです]


 ◆◇◆◇


「お、おはよう」


「あ、おはようございます。意外と速いんですね」


「意外は余計だ。それよりも、どう思う?」


「正直……昨日言った通り分かりません。でも…ここの高校じゃ無いってのが引っかかりますね。今度、行ってみますか?」


「あぁ、それも手だなぁ。ただ、あそこは完全女子校で男が校門を見るだけで、怒られるって噂があるんだよなぁ」


「私も聞いたこと有りますよ」


「お、遊。なーに、女子といちゃついてるんだ。お前には、奥さんが居るだろ」


 俺は、後からの悪意を腹への、ストレートパンチで返す。


「おぅふ。今日も、ナ、ナイスパンチ」


「おはよう。変態野郎」


「変なあだ名で呼ぶなよなぁぁぁぁぁ。ちょっと来い」


 俺は肩ごと捕まれ、飛鳥から少し離れた所に連れてかれる。


「な、な、な、何だあの美少女は」


「お前も思うのか……俺の目は腐ってなかったんだな」


「そんな事よりも。あの子は誰だ?」


「昨日、図書館で会ったんだよ。飛鳥って子。1個下の子だぜ」


「そうか。サンキュ」


 すると、タブレットを噛み飛鳥の元へ行く。


「やぁ、飛鳥たん。俺は、待鳥 いつき(まちどり      )好きな物は、君の笑顔だ。よろしく頼む(イケボォ)」


 いつきは、手を出し握手を求む。


「あぁ……はい。よろしくお願いします」


 飛鳥は、握手を無視する。


「うぅ。悲しい」


 俺は、そんないつきを置いていく事に決め込み、学校に入って行った。


 ◆◇◆◇


「なぁ、遊。飛鳥たんはどんな子何だ?」


「あぁ? 自分で聞いて来いよ、丁度この下だぜ?」


「ほぉ。興味深い」


 いつきは床に耳を付けると、目を瞑る。


「ここじゃないな」


 そんな事を言うと、体をずらす。


「お前、気持ち悪いな。そんな事より、飯食おうぜ?」


 俺は、鞄から弁当を出す。勿論、幼馴染が作った物だ。


「また愛妻弁当なのか?」


「死にたいのか?」


 何時も通りの茶番を繰り返すが、何時もとは違う事も起こった。


「ねぇ、女の子があんたの事呼んでたよ?」


「女の子?」


「そうそう。ほら」


 俺を呼んできたクラスの女子は、教室のドアを指差す。そこには、飛鳥が居た。


「おぉ。飛鳥たん」


 俺より先にいつきが反応すると、飛鳥の元へ走った。


「どうしたんだい? 僕に、会えなくて悲しくなってしまったのかい(イケボォ)」


「い、いえ……遊先輩に話があって…」


 飛鳥と目が合う。すると、飛鳥は助けを求めるように、目で訴えた。そのままにするのも面白そうだとは思ったが、今回は助けてやる事にする。


「おい、いつき。お前は、関係無いってよ」


「えぇぇぇぇ。そ、そうなの?」


「は、はい。いつき先輩は……」


 ◆◇◆◇


「んで、話って何だ?」


 俺は、飛鳥に連れられ、今は使われなくなった校舎の1部屋に来ていた。もうすぐ、壊すらしいが、その話が出てから半年位はたっただろう。


「えぇ、実はその品城高校の件何ですが」


「あぁ品城か……」


 品城高校は、朝も話に出た完全女子高だ。幼馴染も通っている。


「あそこの学校を調べてみたんですよね。すると、これ見てください」


 飛鳥は俺にスマホの画面を見せてくる。そこには、品城高校のパンフレットが乗っていた。過去の物だろう、2枚ある。内容は、1枚目が、今年から共学にしました。2枚目がやっぱり共学止めましただ。そして、1枚目が発行されてから2枚目が出るまでは数年だった。


「……ん? この年って」


 俺は、その年数に見覚えがあった。


「母さんが、高校に入ると時か?」


「はい、そうなんです。確か、お母様の高校ってここでしたよね?」


「あぁ。何か……臭うなぁ」


「えぇ、何かある気がします」

お読み頂き有り難うございます。

感想、ブックマーク、評価して頂けると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ