1年生12月:生誕祭(2)
24日生誕祭当日。
午前中にミサを兼ねた終業式が講堂で行われた。
講堂でクラスごとに並んで先生たちの話を聞くスタイルは、前世の高校となにも変わらない。
ただ、校歌の代わりに讃美歌を斉唱する。
『讃美歌 ダリアの歌』
聖女ダリアの心のままに
廻る巡るは理の環
我の喜び彼らの元へ
彼らの怒り魔王の元へ
魔王闇夜に心を流す
廻る巡るは因果の調べ
魔王の哀しみ彼女の元へ
彼女の楽しみ我らの元へ
我彼みなの心は何処
廻る巡るはダリアの証
再び出会う二人の誓い
村で暮らしていたときも毎年ミサに出ていたけれど、学園では生演奏が手配されていて豪華な讃美歌だった。
楽団は夕方からのパーティーでも演奏予定だとか。
講堂の壁も天井もパーティー用に飾り付けられていて、終業式というにはちょっとユルい。
学園長挨拶の後、生徒会長挨拶でエリオスが前に立った。
「今期生徒会長を務めさせていただきました、エリオス・J・ウォールです。」
爽やかな笑顔に女子生徒たちからほうっとため息がもれる。
なんだかもうきゃあきゃあ騒げないくらい尊い雰囲気だ。
「今期生徒会活動も今日の生誕祭パーティーを残すのみとなりました。みなさまのこれまでのご協力に深い感謝を申し上げます。」
優雅に生徒たちに一礼をして。
「そして次期生徒会、とくに新生徒会長のベリアル・イド・ランス君をあたたかく見守ってくださいますよう、お願いいたします。」
(新生徒会長?)
エリオス=生徒会長のイメージ。
というか、ヒロインが2年生のときもエリオスが生徒会長だったような‥?
(違う、たしか生徒会選挙が‥。)
ゲームでは12月初旬に生徒会選挙があって、エリオスvsベリアルのどちらに票を入れるか、ヒロインが選択を迫られる。
もちろん票を入れた方の好感度が爆上がる、生誕祭直前のボーナスイベント。
ヒロインが票を入れた方が生徒会長に選ばれて2年生からのイベントが分岐するけど、選ばなかった方のルートが消えるわけじゃないので、イベントコンプのためには何周かしないといけなかった。
わたしの戸惑いをよそに、ベリアルがすっと前に進んで、エリオスの隣に立ってマイクを受けとる。
「ご紹介いただきました1年A組のベリアル・イド・ランスです。みなさまのご支持に応えられるよう精一杯務めさせていただきますので、よろしくお願いします。」
ベリアルの力強い礼にわっとみんなの拍手が響いた。
「生誕祭パーティーは夕方4時開会です。生徒のみなさま、先生方、学園関係者すべての方々のご来場をお待ちしております。」
エリオスの挨拶で終業式は終わり、教室でハンス先生の連絡事項を聞いてから、昼前には解散になったのだった。




