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1年生11月:日常【改稿】

平日の朝は、6時に目覚まし時計が『ジリ』と鳴りかけたところを止めて起きる。

まずは窓を全開にして外の空気を胸に吸い込んでから、軽くストレッチ。

朝食は6時30分から7時30分までなので、制服に着替えて1階の食堂に降りる。

1年生は制服で食べるのがルールだ。


食べ終わってから身支度をするのだけど、最近、薄くだけどお化粧をはじめた。

ピンクのチークと赤いリップをそっと薬指でぼかして、鏡の中で笑顔を作る。


(うん、今日も頑張ろう。)


入学からずっと伸ばしている髪は肩甲骨のあたりまで届いたので、ひとつ結びにして制服のタイと同じ赤いリボンを飾って。

7時50分に玄関で待ち合わせて、イマリと一緒に登校する。


「はいおっはよー。今日もみんな元気そうだねー。」

ハンス先生は全員の顔を見てすぐ出席簿を閉じた。

「1時間目は僕の授業だからもうこのまま始めよっかな‥そこ、え~っとか言わない。」


『戦術学』

後期から始まった、対魔物戦を想定したシミュレーション講義。


「前回も話したけど、通常、王国魔術師団は4人でユニットを組む。基本はアタッカー2名、ディフェンダー1名、サポート1名。まずは自分がどのポジション向きか知ることからねー。」


今のわたしのステータスは、


アリス・エアル・マーカー(レベル24)


称号:聖女(初級)

HP:(レベル25から解放)

MP:9,999

魔法攻撃力:1,920

魔法防御力:2,550

魔法属性:聖

修得魔法:

復活リザレクション』(MP消費5,000)、

聖域サンクチュアリ』(MP消費2,000/100m3/10分)、

聖刻印クロス・マーカー』(MP消費2,000~)、

蘇生リザシエイション』(MP消費500)、

修復リペア』(MP消費300~)、

回復リフレッシュ』(MP消費50)

治癒キュア』(MP消費10)

武闘技:『聖拳突(MP消費10~)』

装備:聖女の護印、聖女の刻印、召喚の輪、節約の腕輪、白銀の魔法衣(制服型)、ショートブーツ

所持品:MPポーション(銀)×3、絶対零度×1

使徒:クララ(クラーケン)

騎士:エリオス・J・ウォール


ペンタグラム杯あれこれの中で少しレベルが上がっていたのが嬉しい。

退院のときに渡された制服が、どうも普通の制服じゃなかったみたいで、スカートの布には極細の銀糸が緻密に織り込まれていて、軽いけど張りがある。

これのおかげか、魔法防御力がかなり上がった。

筋トレ疲れに『治癒キュア』を使ったら体力回復の魔法『回復リフレッシュ』が発動して、魔法もひとつ増えた。

かなり大変なイベントだったから、これくらいご褒美があってもいいよね。


‥このステータス、どれくらい強いのかな。

ハンス先生に聞いてみようかな。


それはさておき、どのポジション向きかも難しい。

防御魔法は『聖域サンクチュアリ』だけ。

強化系の補助魔法も使えないし、『聖拳突』で特攻かけるとしてアタッカー?


うん、『聖域サンクチュアリ』をかけた状態での特攻なら悪くないかも。


「じゃあポジションごとに別れてみてー。」

迷いながら『アタッカー』に行こうとすると、ハンス先生に肩を捕まれた。

「マーカーくんは『バックアップ班』ね。」


4人ずつの班が4つと、バックアップ班として3人が編成された。

「うちの組は強力なバックアップ班があるから、多少強引な作戦オーケーだからねー。じゃあ各班で作戦会議よろしく!」


わたしたちバックアップ班は魔術師団の前線基地担当ということで、拠点の設置方法や拠点防御魔法、トラップ系魔法の組み合わせを話し合って午前中が終わった。


お昼はイマリと学食で日替わりランチを食べながら、午前中の授業のことをあれこれお喋り。

A組はアタッカーが多いような気がしていたけど、なんとなくバランスがとれているみたいだった。

イマリはサポーター。


「サポーターって、思ってたより難しい‥。」

イマリはアタッカー志望だったけど、風系魔法は攻撃力が足りなくて、強化魔法の方が戦力効果が高かったそう。

相手の視界を遮ったりする妨害系も有効なんだとか。


「周りをよく気にしておかないと、魔法を使うタイミングとか、どの魔法にするかとか‥。」

「イマリはお世話上手さんだから、けっこう向いてると思うけどな。」

「そっかな‥そうだといいな~。」


午後からはイマリと別に、ハンス先生の補習を受けた。

先週から一昨日までの8日分のプリントをこなして、やっと来週からは実技講座を受けられると思ったら。


「あー、来週の午後は『演劇祭』の準備になるから実技ないんだよねー。」


11月イベント『演劇祭』は、高等部生徒会主催のエンターテイメントショー。

2年生、1年生の各クラスごとに魔法を駆使した舞台を披露して競う、文化祭ステージのようなもの。


「劇の詳しいことは委員長さんに聞いておいて~。」

じゃあまた来週~とハンス先生は手を降って教室から出ていった。


さて、わたしもノワールに会ってから帰ろう!


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