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12月31日:聖女と騎士

アリス・エアル・マーカー(17歳)

レベル99/称号:聖女(真)

HP:9,999/MP:9,999

攻撃力:9,999/防御力:9,999

魔法攻撃力:9,999/魔法防御力:9,999

聖属性魔法レベル10/魔属性魔法レベル10

特殊技能レアスキル聖魔ダブル


騎士(4名)

 エリオス・J・ウォール(1st特典※)

 ディック・メイビス・ブレイカー

 フレッド・ファン・ウッド

 ベリアル・イド・ランス(最終試練ラストダンスクリア)

※口付けによりステータスを互いに倍増させることができる。

 (効果10分間、その後24時間の魔力封鎖)

使徒:クララ(クラーケン、海皇による召喚制限中)


魔装具:聖女の護印、(改)双母の祈印、破邪の指輪(真)

装備品:形見の法衣、ダリアの制服

所持品:『絶対零度ゼロ・ゼロ』1個、『魔法瓶マジック・ポット』1個


ひとり浴室で確認したステータスは、上限まで達していた。

他には両腕にはめた腕輪バングルの名前が変わっていて、破邪の指輪も(壊)が(真)に変わった。

称号は『聖女(真)』、名実共に『主人公ヒロイン』に相応しい能力ステータス


わたしは『ダリア魔法学園物語』の『主人公ヒロイン』。

復活した魔王を倒し、王都の人々を守る『聖女』。

だけどその正体は、愛する『攻略対象者ベリアル』を魔王に差し出す死神。


…だから生誕祭の夜、エリオスとラストダンスを踊るつもりで彼から贈られたドレスを着たのに。

同じ転生者のエリオスに逃げたわたしを、強制力シナリオは見逃してくれなかった。


長く伸びた髪をポニーテールにして、胸元に赤いリボンタイをきゅっと結ぶ。

その中ではベリアルがシスターマリアから取り返してくれた護印ペンダントが揺れる。

1年生の授業でベリアルと一緒に採石して創った、わたしの初めての魔装具。


(好きになってごめんね。)


左手の薬指に煌めく金色の石。

ベリアルがわたしのために創ってくれた破邪の指輪。

想いは叶わなかったけど、ベリアルと過ごした時間がわたしを支えてくれる。


(全部、話そう。)


これまでの秘密を、これから巻き込んでしまうことを、全部。

ベリアルは戦いに巻き込まれても、魔王に殺されても、わたしに生き返らせられても。

きっと、『大丈夫だよ』って笑って言う。

わたしが友達だから、全力で助けてくれる。

…それに甘えちゃダメなんだ。


子爵令嬢に相応しく完璧に身だしなみを整えて、母の形見のローブを羽織る。

「ねえベリアル、ちょっと話が―」

意を決して浴室を出たわたしの目の前で、ベリアルとエリオスが怒鳴り合っていた。


「あ、アリス本当に居た。」

ぽかんと固まってしまったわたしに気づいたディックが、壊れた壁から『飛行フライ』で部屋に入ってくる。

「ウォール先輩なんでアリスの居場所わかるの? 気持ち悪いんだけど。」

心持ち引き気味の冷たいディックの視線の先で、エリオスがベリアルの胸倉を乱暴に掴んでいた。


「アリスに何したっ?!」

「何もしてないっつってんだろ!!」

「そんなの信じられるか!!」

「あんたの方こそアリスに付きまとってんじゃねーよ!!」

「はぁ?! 俺はストーカーじゃない!!」

「『ストーカー』って何だよ?! 訳わかんねぇんだよあんた!!」


…こんな口の悪いベリアル、初めて見た。

エリオスも素というか、多分前世はこんな感じの喋り方だったんだろうな。


「あんたさえいなければっ…!!」

ベリアルが振り上げた拳の先に炎が揺らめいた。

「わ、魔法はヤバいって!!」

「こらお前たち!! 宿に迷惑をかけるなっ!!」

焦って止めようとするディックに、勢いよく扉をぶち壊して入って来たファンさんも加わって暴れる二人を引きはがす。


「頭冷やせお前たち!!」

学園長と同じ真っ白なスーツを着たファンさんがエリオスを羽交い絞めにしている。

「止めないでください学園長代理。」

「止めるに決まってんだろ!! これ以上アリスと学園ダリア面子メンツを潰すな!!」


…えっと今、どういう状況なんだろう。

王都から離れたフォッグ・アイランドの恋人達専用宿ラブホテルに、なんでエリオスとディックとファンさんが居るの?

わたしとベリアルは海皇様に王都から飛ばされて、誰にもここに居るなんてわからないのに。


「………あ、GPSか。」

ようやく再起動したわたしの呟きに、エリオスが目を見張った。

「アリス!! 思い出したんですね!!」

「はいエリオス。ちゃんと全部、前世まえのことも思い出しました。」

「ああ良かったです、本当に…。」


エリオスから荒々しい雰囲気が消えて、いつもの彼に戻った。

それに引きずられて部屋の空気が沈静化する。


「…すみませんでした、ウォール先輩。」

ベリアルの謝罪を聞いて、ディックは押さえていた彼の身体を離した。

「ファン先生もディックも、ご迷惑とご心配をおかけして申し訳ありません。」

深々と頭を下げるベリアルの隣にわたしも急いで並ぶ。

「すみませんでしたっ!!」


「…二人とも無事ならいいんだ。」

ファンさんがわたしたちの頭に手を乗せた。

「いろいろ聞きたいが時間が無い。ここの弁償はウォールに任せるとして、すぐ学園に戻りたいんだが構わないか?」


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