表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
134/339

2年生4月:レベル

進級に合わせて2年生棟に引っ越しをした。

1年生と同じように4階が女子フロアで、割り当てられた部屋も同じ420号室だ。

部屋は1Kタイプになってキッチンがグレードアップしたのが嬉しい。

寮のご飯はとても美味しいけれど、たまに和食が食べたくなる。

お味噌は無いけどお醤油っぽい調味料はあるから、煮物とか、シンプルに塩焼魚もいいな。


アリス・エアル・マーカー(レベル26)


称号:聖女(中級)

HP:2,830

MP:9,999

魔法攻撃力:2,100

魔法防御力:2,790

魔法属性:聖

修得魔法:

復活リザレクション』(MP消費5,000)、

聖域サンクチュアリ』(MP消費2,000/100m3/10分)、

聖刻印クロス・マーカー』(MP消費2,000~)、

蘇生リザシエイション』(MP消費500)、

修復リペア』(MP消費300~)、

慈愛ヒーリング』(MP消費100)、

回復リフレッシュ』(MP消費50)、

治癒キュア』(MP消費10)

武闘技:『聖拳突(MP消費10~)』

装備:聖女の護印、聖女の刻印、召喚の輪、節約の腕輪、白銀の魔法衣(制服型)、ショートブーツ

所持品:MPポーション(銀)×3、絶対零度×1

使徒:クララ(クラーケン)

騎士:エリオス・J・ウォール、フレッド・ファン・ウッド


卒業式の日、魔人との戦闘でようやくレベルが上がって25を超えて、HPが解放された。

このHP2,830って多いのか少ないのかわからない。

ファンさんもいつの間にか騎士に認定されていた。


魔人『悲哀サッド』との闘いでディックを復活させた後。

『アリスいじめるのダメー!!!』

本気になりかけたクララの召喚を解除してすぐだった。


『うわあああーっ!!!』

魔人を取り囲んでいた一団から悲鳴が上がった。

『どうした?!』

学園長が慌てて駆け寄ると、地面から生えた黒い何かが魔人をすっぽりと覆っていた。

『離れろ!』

学園長の指令で輪が広がる。

みんなが遠巻きで警戒する中、黒い塊は地面に沈んで消え、魔人『悲哀サッド』の身体も消えていた。


ディックは一度死んだことを知らない。

結局、学園長はディックが毒で意識を失っていたのだと情報をコントロールした。


『いつか、助けられないときがくる。』

学園長は淡々とわたしに告げた。

『魔法は万能じゃない。ミス・マーカー、それをわかっていないなら、魔術師になる資格はない。』


わたしの魔法ってなんだろう。

万能だなんて思ってない。

何もできなかったあの闘いを思い出すと、右拳に力が入る。


「聖女ダリアはどんな気持ちだったんだろう‥。」


わたしは『聖女』。

いわゆる攻撃魔法は使えず、治癒魔法と聖属性魔法が使えるだけ。

『聖拳突』は飛ぶ魔物相手に届かないし、クララを倒した『聖刻印クロス・マーカー』は大技すぎて周りを巻き込みかねない。


‥できることが少なすぎる。


それでも、わたしは魔王を倒せるはずなのだ。


(レベルが足りないのはわかってる。)


魔王討伐の目安レベルは最低50。

レベルが上がれば新しい魔法が増えるかもしれないし。


「情報が足りない‥。」


学園の図書館の本は調べ尽くした。

『魔王』のことも『聖戦』のことも、詳しい記録は残されていなかった。

『聖戦』はまだ16年前のこと。

『魔王』を『封印』した勝ち戦でも、派遣された王国軍も全滅したためその戦いは闇の中だ。


聖女ダリアの記録も曖昧だ。

活躍したのは100年ほど前、王国をあげての『生誕祭』まであるのに。


朝、入学式で会ったディックの笑顔を思い出す。


わたしはやっぱり、また同じことをするだろう。


「死ぬのは怖い‥。」

前世の最期、冷たい雪に広がっていくわたしの紅い血だまり。


(誰も死なせたくない‥!)


わたしは『聖女』アリス・エアル・マーカー。

ー必ずみんなを守ってみせる。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ