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さまざまな短編集

車買い替えで時代逆行

作者: 仲村千夏

 個人的に車を欲しいと思った瞬間、子供の頃を思い出した。

 今の時代は低燃費とか、軽自動車が良く走っているのを見る。

 自分が子供の頃は逆に低燃費とか軽自動車は少なかった印象だ。

 父親は会社の乗用車で母親も国産の乗用車。

 一家に一台あるだけで便利だった。

 自分も運転できるようになってから買ってもらったのは軽自動車。

 走ればいいというだけの要望で買ってもらった一台。

 つい最近まで走りあちこちがボロボロになりギリギリまで走ってくれたが、ついに買い替えの時期になってきた。

 そういう経緯で思い出した。

 今までは自分が乗りたいというものが無かった。

 車関係の友達に話を聞くと。


「燃費を気にするなら最新の車種がいいし、軽自動車がいい。走るし」


 という答えが返ってくる。

 確かに、調べたらいろいろと出てきた。

 今の軽自動車は本当に性能が向上している。

 けれどその友達曰く、軽は軽だ、とのこと。

 でかい車体に小さい排気量。両立している車はすごい。

 それをつくる会社もすごい。

 車の購入は長く考えた。

 友達にもいろいろと聞いて回った。

 レースをする人、ラリーする人、一般道のみ乗る人、仕事で大型に乗ってる人、整備の人、昔の若い頃に暴走族として乗り回していた人などなど。

 その人の思い出はすごく楽しい話ばかりだったし、聞いていて楽しかった。でも、全員が一致して言った一言は自分が車で何をしたいのか? 何を車に求めているのか? ということだった。

 確かに、それぞれの目的に合わせて車も変わっている。

 トレンドとなっている車でやっている人がいて、昔の車に乗っている人もいる。

 好きかどうか。乗りたいかどうか。

 そう考えていると子供の頃を思い出した。

 小さい頃に父親の車で車屋さんに行った時のこと。

 一台の車が店頭前に止められていた。

 世界では有名な一台であったのはこの時はわからなかったが、今だったら良くわかる。

 その車のカッコよさに惹かれていた。

 けど、数年、数十年たつとその熱気も忘れていた。

 それを呼び覚まさせたのが今回の買い替え。

 両親からは買うのを反対されたが、やはり、自分が乗りたいのを乗らないと後悔すると考えて買うことに決める。


 道のりは長かった。

 決定までには約一年半、狙った車種は見当たらずに一年を棒に振った。

 購入を決めてからは早かった。約一か月後に納車。

 車関係の友人、多趣味の友人に見てもらいなかなかではと言われた。

 時代には逆行しているような大排気量の車で大馬力のエンジン。

 エンジンスタートだけで全身の毛が逆立つほどのポテンシャルを秘めたもの。

 気分の高揚は確実だった。そんな車を選んだ。

 

 お金は……まぁ、目を瞑ろう。


 今からもこれからもできる限りやりたいことをしていく。


 そう考えて頑張って行こう。たまには遊ぼう。


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