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新訳 その人の名は狂気  作者: 無道
最終章 その人の名は狂気
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攻守交替 ※おまけ 人物紹介

題名の通りです。

 その後、消毒など早川の左目を処置したあと、目を覚ました早川を翌日の朝まで思いついた限りの方法で拷問した。

 長時間の水責めに加え、左目を潰したのが相当堪えたらしく、早川が俺に従順な奴隷になるのに、それほど時間はかからなかった。最後の方で、早川が苦痛を与えると笑顔を見せるようになった時点で洗脳を終了した。

 予想外だったのは、恐怖で俺に従うようになると踏んでいた早川が、何故か喜々として俺の命令に従うようになったことだ。


「……お前、なんでそんな嬉しそうなんだ?」

「はい! 実を言うと、加虐趣味はインフルエンス・パニックが起きてすぐに、感染者になった家族を皆殺しにした時に目覚めた性癖でして、元は自分、かなりのマゾなんすよ」


 ……こいつは笑顔で何を言い始めるんだ。


「だから、智也様がプールで自分を拷問したとき、自分の身体にちっちゃな傷が沢山あったの見たっすよね? あれは自分の父親が付けたものでして。家庭内暴力ってやつっすか? その影響で痛いのとかは受け入れられるように身体が自然と変化したからだと自分は考えてるっす」

正座してちょこんと座る早川が自嘲的に笑う。その左目には、以前まではなかった白い眼帯があった。

「……なるほどな。まあいい。後、様付けはやめろ。これから奴らと接触したときに余計な疑いをもたれる可能性がある。態度ももっとフランクで構わない」

「――お、じゃあこんな感じっすかね。了解です、智也先輩♪」


 フレンドリーな調子で早川が右目でウインクする。こういうこいつの絶対的な従順さは価値がある。頭もそれなりに回るし、独眼だが腕も立つ。遠近感に多少の不備は出るが、銃を扱えるのも貴重なポイントだ。顔だって悪くないしな。


「……お前が俺の期待に応えるうちは使ってやる。だが、不必要だと判断したときは、地の果てまでお前を追って、前の拷問が優しく思えるほど凄惨なやり方で殺すからな。そっちがお好みなら今すぐにでも殺してやる」

「そんな脅さなくても大丈夫っすよ。これだけ苦痛(かいかん)を与えてくれる人を自分が放っておくわけないっすから。自分は先輩に付いていくっす。殺されるのは、最期のご褒美に取っておきます!」

「……お前も大概イカれてるよ」


 肩をすくめると、俺と早川は同時に噴き出した。


「さて……それじゃあこっからは俺たちのターンだ。せいぜい足掻いて見せろよ、餓鬼ども――」


 既に人の消え失せた眼下の通りを見て、俺は心弾む気持ちで嗤った。




人物紹介(尺稼ぎとも言う)


八代智也

20歳


言わずとしれた外道主人公。インフルエンス・パニックにおいて感染者に噛まれ、他人の恐怖や絶望に悦びを見出すようになる。

 また、噛まれたこと影響で、聴覚の鋭敏化や、感染者に視認されない能力も手に入れる。

幼少時の父の影響で様々な格闘戦を使いこなし、現在近距離戦では作中で一二を争う強さを誇る。


王馬和彦

16歳


 華和小学校に避難した智也が最初に出会った少年で、どこにでもいるような普通の高校生。

前述した通り、平凡な少年であったが人一倍正義感が強く、仲間想いであったため、その持ち前の優しさで、敵だった姫路たちの心もようやく掴み、信用を勝ち取った。


岡崎俊介

18歳


和彦と幼馴染の少年。頭が良く、機転も回り、おまけに人格者という非の打ちどころのない人物で、学校では知らない人のいない人気者であった。インフルエンス・パニック以前は剣道部に所属しており、そちらに多少の心得がある。


姫路神奈

17歳


高校3年生。紅蓮の髪が特徴的な少女で、桜坂高校に立て籠もった生徒の中でリーダーを務める。

人間離れした驚異的な膂力を誇り、片手で身の丈くらいのショベルを振り回す。

普段は軽いノリの年相応な態度でいるが、緊急時や周りの士気を上げる時などは、リーダーとしての厳格な態度を取る。


千羽咲

18歳


高校3年生。刀のような美しさと鋭さを持つ少女。神奈とは幼なじみ。副官として、常に神奈の側に控えている。

剣道の天才で、全国大会に毎年出場するほどの逸材。現在は真剣も携えているため、神奈に比肩しうる実力を持っている。

男である和彦には否定的であったが、モヒカン戦で命を助けられたため、少し考え方を改めるようになった。


早川知世

15歳


 ウルフヘアが特徴の小柄な少女。他者を傷つける事に快楽を感じる反面、智也に洗脳されたことで被虐体質も同時にもち合わせるようになった。

父が警察官だったため、空手や銃の扱いなど、普通では持っていないような特殊な技能を持つ。

現在は智也と行動を共にしており、絶対的な服従を誓っている。


葉月・弥生

16歳 18歳


弓道部から今回の探索に参加した二人。他と比べて、元々男にはあまり悪印象を持っておらず、神奈の命令で仕方なく差別していたが、今は比較的良好な関係を築いている。


玲子・静香

18歳・18歳


それぞれが槍術部と薙刀部の部長で、男には排他的な過激派だった。

ただ、後輩からの人望が厚く、玲子は頼れる姉御肌、静香は冷静沈着な策士として慕われている。


有斐茜

23歳(故)


 智也の学校で非常勤講師を務めていた教師。薄幸そうな女性で、智也曰く「消え入るような笑み」を作る女だった。

 過去に智也に助けてもらったことがあり、そのときから度々智也を気遣っている。

 智也は一人の女として彼女を見ていたが、彼女はそういう感情は無かったらしい。

 妹が一人いて、溺愛していた。


道野昭三

52歳(故)


 華和小学校付近の駐在所に勤務していた警察官。階級は巡査部長。

 温厚そうな顔が特徴で、近隣の住人の評価も良かったが、自己保身が強く、またネクロフィリア(死体性愛)であり、生前はこの異常性癖が、本人も度々悩んでいた。

 結局、華和小学校崩壊と同時に有斐茜を脅して逃亡。アパートの一室で彼女を絞殺し、屍姦に及ぶが、空き家に入るのを姫路たちに目撃されていたためにすぐに捕まり、最期は彼女のデモンストレーションと称した公開処刑により殺される。


モヒカン男

20歳


本名「島田権三郎」。

 肥満体型で金髪のモヒカンが特徴の狂った男。

 ロシアの軍隊格闘術「システマ」のエキスパートであり、格闘戦では智也に比肩しうる存在だった。

 本編では語られなかったが、生前は隣町の暴走族、「MOHIKAN’S」のリーダー。頭は悪かったが、代わりに喧嘩は無敗で、「猿拳」と言われる中国武術の達人であった。

 インフルエンス・パニックにより仲間や家族を全て喪い、狂気に身を堕とすが、感染者に噛まれてからも、一人生き残り続けた。

智也と同じく感染者に噛まれたことがあり、それによって変化したのは「痛覚の鈍化」。それ以外は全て生前の能力のままであった。



次回から智也のターンということで、和彦目線となります。

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