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太平洋の突風  作者: 鶴岡
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二式戦爆艇・サンディエゴ

 1942年12月8日。

 太平洋戦争開戦から1年後のこの日、アメリカ西海岸の一大海軍都市であるサンディエゴの西方沖の海面に140kmに325機もの水上飛行機が集結しているという異様な光景が広がっていた。

 日本海軍航空隊の戦爆連合であるこの内訳は、二式水戦強風82機、一式戦艇二一型乙63機と二二型13機、二式特爆機晴嵐61機、二式特戦爆艇突風69機、零式水偵37機である。


 そして夜明けと共に二式水戦強風60機と一式戦艇51機、そして二式特戦爆艇突風24機の計135機からなる制空隊が離水。サンディエゴへと殺到した。

 これを迎え撃つはアメリカ海軍航空隊のF4FとF4Uが合わせて100機以上、数はほぼ互角である。


 いや、互角であったのは最初だけであった。

 両翼に1000馬力超を掲げる一式戦艇二二型と二式特戦爆艇突風合わせて37機が、圧倒的優速を以てアメリカ海軍機の群れに突入。その一撃にして一挙に30機近くを爆散させたのを皮切りに、後続の二式水戦強風と一式戦艇二一型乙が動揺収まらないアメリカ海軍機を次々と屠っていった。

 そして彼らアメリカ海軍が阿鼻叫喚の惨状を呈している最中、250kg爆弾2発ずつを搭載した二式特爆機晴嵐61機と二式特戦爆艇突風45機、そして護衛の強風22機と一式戦艇25機がサンディエゴ上空に侵入。アメリカ海軍機の妨害を殆ど受ける事無く悠々と、停泊中あるいは建造中の艦船を破壊していった。


 正午、サンディエゴは酷烈たる有様であった。

 空を飛ぶのは日の丸を主翼に掲げた水上機が200機以上。湾内の艦船の殆どは上部構造物に穴を開け、あるいは既に海面上にその姿を現していなかった。

 また陸の上を見てみれば、ハワイやオーストラリアへ輸送されるはずだった武器弾薬や燃料といった軍需物資、さらにはF6FやB-24といった新型機が部隊配備もされる事無く集積所で黒煙を吹き上げて炎上しているのだ。

 その黒煙はサンディエゴ一帯を覆うに至り、140km西方に停泊していた改造潜水艦22隻からなる海上補給拠点からも確認出来る規模であった。


 これを受け、黒煙による視界不良によりサンディエゴ上空で航空作戦の継続は不可能と判断され、当初は日没と共に撤収が予定されていたがこれを5時間近くも早く切り上げる事となった。

 そして日本海軍航空隊水上機戦爆連合は北へ、サンフランシスコへと向かうのであった。

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