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太平洋の突風  作者: 鶴岡
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一式戦艇・マレー作戦

 1941年12月7日のことだ。

 一式戦闘飛行艇は初実戦を初戦果で飾る快挙を上げた。

 大東亜戦争開戦の前日のことであったが、マレー作戦上陸輸送船団の上空護衛中に南遣艦隊所属の一式戦艇が陸軍の九七式戦と共同でイギリス海軍のカタリナ艇を撃墜したのだ。

 どうも英カタリナ艇は一式戦艇を友軍カタリナ艇と誤認していたような様子があったが、それでも初戦果には変わりないだろう。

 そして明くる12月8日、大東亜戦争の火蓋が切られた。マレー作戦を支援する南遣艦隊に配備された一式戦艇4機は、日英双方が200機超の航空戦力を投入しての一大航空戦の火中に飛び込んでいくのであった。


 そうして迎えた年末大晦日、今日までの一式戦艇全4機の損害と戦果を振り返ってみると、

 損害が、

・1機被撃墜

・2機大破(2機共に着水後水没)

・1機小破

 まとめてみれば4機中3機喪失と潰滅的である。

 幸いにして特異な機体構造が搭乗員の生存性向上に寄与したためか彼らは全員無事であったし、また小破機についてもエンジンの被弾によるものであり、陸軍からの予備エンジンの融通により戦線に復帰が可能との見込みだ。

 年明けには新たに9機の補充もあるから部隊存続には問題無いだろう。


 そして肝心の戦果であるが、

・ハリケーンやF2Aバッファローを主とするイギリス軍機25機撃墜

・同イギリス軍機6機撃破

 という大戦果を挙げていた。

 キルレシオにしてなんと1:10である

 イギリス空軍が主力としていたハリケーンとF2Aバッファローは共に1000馬力超エンジンを搭載した決して弱くない戦闘機であったが、それでも一式戦艇による一撃離脱戦法は有用であり、またしばしば巴戦でも戦果を上げ、1対1で相手が九六式艦戦等の軽戦でなければ対等に戦えるだけの旋回性があることも実証された。


 こうして一式戦艇はマレー半島にて大戦果を上げ続け、翌年の1942年2月15日。

 イギリス軍10万人の大降伏によってマレー作戦は終結した。


 マレー作戦を通じての一式戦艇全17機の損害と戦果は以下の通りである。

○損害

・2機被撃墜

・5機大破(内4機が着水後水没)

・4機小破(内3機が戦線復帰)

○戦果

・ハリケーンやF2Aバッファローを主とするイギリス軍機51機撃墜

・同イギリス軍機17機撃破


 こうして一式戦艇はマレー半島の制空権確保にその絶大なる威力を発揮しマレー作戦に貢献したのだった。

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