かぼちゃプリン、食べながら。
目の前に差し出されたら、私は目を輝かせてしまう。
甘さ控えめ、とろとろの。
私の最近のマイブームと言えば。
「……どうせ、これだろ?」
半ば呆れ顔で、彼は言った。
その手に差し出された物は。
そう、大好物である甘味。
かぼちゃプリンである。
「わーい、ありがとー」
私は受け取るや否や、スプーンを片手に蓋を開ける。
一口分だけすくうと、黄色い夢のような菓子が、一気に身近な物に感じられた。
まるで手を伸ばしても届かない甘味を、やっと頬張りやすい形に切り取ったような。
そんな感じ。
「ったく、コンビニまで買いに行かせやがって……」
彼がぶつくさ言うのも気にせず、私は一口、プリンを食べた。
仕方ないなぁ、とご褒美に。
次の一口をすくったら、私は彼にスプーンを向けた。