5 【Jアラート】は守った方がいい。20年後には生き返ったけれど。
●ダンジョンの魔物は【入り口】から出られない
そうなのだ、雄一郎の作戦勝ちである。
「ハアハア・・万が一他の冒険者が居ても・・ハア・・ボスは【挑戦者】を追いかけるんだ・・分かったか!ミノさんよ!<ゼエ ゼエ>。」
生まれて来る子供の為にと命を賭けた作戦は成功した。そして・・
●ミノタウロスの骨・肉・皮・角
●高品質魔石(大)闇属性
●マジックバック(小)ドロップ品
を手に、雄一郎はホテルに向かって山道を歩いて行ったのだった。
「あれ?カウンターの人は?まあいいか!」
俺は、冷蔵庫から缶ビールを取り出し【1万円】をトレーに置く
「プハ~勝利した後のビールは旨い!それにしても従業員は何処に行ったのだろう?・・まあいいか!屋上の【大露天風呂】に入らなきゃな!」
<<ドッボーン>>と、はしゃいで飛び込む雄一郎である。
「工事中の【天井の網】に何か?引っかかっているな。」<ゴボ ゴボ>と、最深部2メートルの温泉を潜って遊ぶ雄一郎は【マジックバック】に入れた【ボスの骨】は肌身離さず持っていた。
「ここが【何か?】の先端だな!ボタンが有るなあ・・ぽちっとな」
<ピカ>・・<ズシン>・・<グラグラ>・・
そしてアナウンスが・・<ウイン~ウイン・・こちらはJアラートです。〇〇国から発射されたミサイルは最新型の【中性子爆弾】と判明。レーダーによるとアツーミに着弾が確認されました。住民は直ちに避難を・・>>
====あれ====
う~ん・・俺ってば風呂の中で寝てしまったのだなあ・・え?風呂のお湯が無い・・
そうか・・お湯が無いので溺れないで済んだのだ!ラッキーだなあ。
浴槽で立ち上がると・・「ウップ!網に頭が引っかかって・・え?角・・」
恐る恐る~風呂の【油膜で汚れた】鏡を見た雄一郎は・・「うわー!ミノタウロスが俺の前にって?あれ・・俺がミノタウロス?」
鏡には【太い角】【頑丈な体】【白と黒が混じった魔石】【太い尻尾】【鋭い爪】【薄っすら光る胸板】・・どうして?
雄一郎が風呂場を見渡すと、浴槽の床一面に【どす黒い敷物】を見つけた。
「これ何だろう?と【思う】と<ピコーン!雄一郎の血肉が分解され、再構築された成分です>と頭に声が聞こえた・・ビックリした雄一郎は再び「何だ!今の声は・・」と【思う】と・・<ピコーン!神が人間を救うべく作りし恩恵である【ダンジョン】のレイドボスに与えられた【鑑定】能力です>
と言われ、暫くの間茫然としていたのだった。
我に返った俺は・・床の「自分の血肉」を<ビリビリ~>と、引っぺがし・・マントの様に羽織ると【タワー温泉】を後にした。
しかし時間は「真昼間」である・・<<魔物だ!>> <<角が有るぞ!>> <<冒険者ギルドに連絡だ!>>
「ヤバイ!完全にボケていた。自分が【ミノタウロス・スケルトン】である事を忘れていたよ!」
そして魔物にとって【最も安全】なダンジョンに逃げ込むのであった。
一気にダンジョンを低層へと向かう雄一郎だったが・・
<<なんだ?このデカい魔物は!>> <<ここまだ4層でしょう!なんでボスが居るのよ!>>
雄一郎は冒険者には構わず、急いで【10層】に走って行くと・・