4 知恵と勇気!でミノタウロスを討伐した。
D―PODで【通話】しようとしたが、パーティが【解除】されてしまったのか?アターミとの連絡が取れない状態だった。
当然国道には【古代生物】が出没しており、生きてアターミに辿り着ける見込みはゼロだ。
高速道路も【ロード族】と呼ばれる愚連隊が陣取って、殺人もいとわないだろうから・・
「アツーミでレベル上げして、アターミに戻る!よし。」と作戦は単純だった。
「地下2階に潜っても【コウモリ】【ムカデ】と、どれも魔石が100円程度だなあ」と疲れを見せ始めた雄一郎は魔物を【無視】して一気に【最下層】を目指す・・
3層・・4層・・5層・・6層・・若いダンジョンなので出現する魔物が少ないが【ボス】だけは強い。それでいてドロップは【ゼロ】なので誰もリスクを取らないのである。
雄一郎が欲しかったのは【ボスを倒した】という証であった。
命を賭けても「生まれてくる子供に・・<ハア・ズバ!>ひとつくらい・・父親として・・<バシュ!>・・自慢できるものが・<ソレ・ズバッ!>・欲しいジャン!」
【若いダンジョン】では、魔物は積極的に人間を襲って来ないと聞いて居たのだ。
そして・・10層にあるボス部屋に到着した。
「やった!ボス部屋に初めて来た。」雄一郎は冒険者登録して初めて到達したボス部屋に感動していた。
「ここまでは【D-POD】の情報どおり、中にいるのが【ヤツ】なら俺の勝ちだが・・」扉を開ける雄一郎の手には汗がにじんでいた。
ダンジョンは恩恵だが【エネルギー源】は人間の生命エネルギーであると噂されていた。
だから・・「時間が決め手だ・・」<<ガラガラ~ガラガラ>> 重い扉は簡単に開いた。
「開くのは軽いが・・」そう言うと雄一郎はダンジョンの扉に少々デカい【石ころ】を挟んだのであった。
<<ガチン!>>隙間に挟まった石は人間が一人通れる位の幅で【扉】が止まる・・
<<ワシに挑む者はお前か!>>
5メートル?あろうかと思われる【黒い塊】がゆっくり立ち上がり・・<<ガリガリ・・>>と言う音を立てて【戦斧】を持ち上げる・・
「やった!ミノタウロスだ!」そう言うと、雄一郎は片手剣を向けて「勝負だ!レイドボス」と叫ぶと・・Uターンして扉の隙間から逃げ出したのであった。
「こっちだ!ヒャッホー」と煽り階段を登る雄一郎。
<<待て!勝負しろ!>>とノッソノッソと追いかけて来るミノタウロス
雄一郎は東京【最難関】のダンジョンの情報を掴んでいた。
これも営業経験豊富だから出来た技である。
●レイドボスが出現したら他の魔物は出て来ない
●レイドボスは必ず【挑戦者】を追いかける
6層・・5層・・4層・・「こっちだ!鬼さん勝負!勝負!」煽る雄一郎に対して<<待てえ!貴様!そこで待て!>>と叫びながら追いかけるミノタウロス
そして1層・・ダンジョンの入り口で待つ雄一郎を、ようやく追いついたミノタウロスだったが・・
<ズシャー> <ボロリ ボロリ> <ドシャー!>と言う音と共に・・【骨だけ】残して、崩れ去るのであった。