異世界だとばれないように魔王軍を総動員

【番外序章】
　魔王軍は人型災害『勇者』に苦しめられていた。
『勇者』は別世界から勝手に渡来しては異常な成長素質で混乱をまきちらす。
　最もコスパのよい対処は『異世界だとばれないように元世界へ帰す』であり、魔王軍は総力で『元世界のふり』をがんばっていた。

【本編真章】
　魔王軍は魔法世界を制覇したが『魔力の源は元世界の人間』と判明する。
　しかも元世界の人類は滅びかけており、魔王軍は『元世界人の家畜化』を計画していた。
　ところが元世界人は魔力の暴走で巨大災害になりかねない害獣でもある。
　そのため魔法を意識させないために『異世界だとばれないように元世界のふり』で飼いならす必要があった。
　千葉県民の目立たない中学生シンヤは田舎町の日常へまぎれこんでくる不可解なことの多さを疑いはじめる。
　でも誰をどこまで信じていいのかわからない。
　家族や後輩を守り抜いて自由を手にするには状況が過酷すぎた。
　それでも見捨てられない。だから手段は選べない。