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山岳脱出
ニート、にいと、最近のニートは進んでるなあ。30歳越えたドーテイなんかなぁ…やら、とりとめの無いことを虚空を見つめて考えていた。
「君の名前を教えてくれるかい?」
山野は、ハッとして答えた。
「自分は山野孝太郎っす!!彼女はいないっす!!」
「うむ、ではコータロよ。質問ばかりで悪いのだがアドナス王国の行き方とこの辺で狩れて金になるような魔物はいるのかね?」
いくらステータスが下がろうとも中位の魔術師程度の能力と経験、センスがあるためマグナスは落ち着きを取り戻していた。
「アドナス?なんて国は知らないし魔物て…」
孝太郎は困惑していた。このお兄さん?が至って真面目に訳のわからない事をのたまうので。
「ふむ、随分と遠くに来てしまったのやも知れんな。重ねて申し訳無いのだが近くの人里まで案内を頼めるかな?この辺りは寒くて敵わん。なに、謝礼ならしよう。」
自らを暖める位は簡単だが出来る事が減っている以上魔力は温存すべきなのだ。
孝太郎は案内する事にした。訳のわからない言葉を喋り、真面目にアホな事を宣うオモシロい人を観察する心積もりで麓の町まで。