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センチメートル  作者: 城塚崇はだいぶいい
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第9話 『南』 放課後 用務員室 二木 生一(にき せいいち)

「・・・わかったかも・・・わかっちゃった!」

 ラギのつぶやきに全員が反応した。

「まず、この変な名前の虫たち、この中で『物の怪』、つまりお化けとか妖怪の名前で始まる虫が三匹いる」

「ユウレイ、テング、ロクロクビだね」

 ミサが確認する。

「そう、もののけ達が誘うってことだから、この三匹だけを矢印の位置で縦読みするんだよ」

 レ  キ  シ

「歴史?かな。」

「そう、それと死霊の間っていうのは、シリョウ違いだったんだ。資料の間、つまり資料室だよ」

「つまり・・・歴史資料室!!!」

 謎が解けた瞬間、みんなの曇った顔に光が差した。しかし・・・まだ続くのか。

「歴史資料室って言ったらさぁ・・・。うちの学校でも有名な心霊スポットだよねぇ・・・」

「あ、アタシそろそろ帰らなきゃ・・・続きはまた明日にしない?」

 そう言ったのはラギだった。

「え?ラギって確か怖いの得意でしょ?よくホラー映画とか見てるじゃん」

 ミサは返す。

「あ、あれはゾンビとか殺人鬼とかの洋画でさ。びっくりさせてくるタイプのホラーなんだよ。そっちは好きなんだけど・・・お化けとか呪いとか日本の根暗なやつは専門外っていうかむしろ苦手なんだよね・・・」

「そんなぁ、私だって苦手だよ!じゃぁ・・・明日にーー」

「大丈夫!面白そうだから私が一緒に行ってあげる!今すぐ行ってみよう!」

 そう言ったのは佐倉だ。ミサの腕はがっちり掴まれてもう逃げられない。

「えぇーーーー」

「まぁ、念のためうちの学校でお化けに一番詳しい人についてきてもらおうか」



「なんや?もう暗くなるで。早よ帰りぃや」

 関西弁で話すのは用務員さんの二木生一さんだ。弟の二木生二にき せいじと二人でこの学校の雑務をこなしてくれている。宿直や見回りで夜の学校に最も縁のある人達だ。もしお化けが出るのなら、この人達が知らないはずはない。

「お化け?あぁまたアホな噂がたっとんのか?これで何回目や。安心せいそんなもんおらんから」

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