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庶幾う

作者: あした私は

 蟹座一位がトレンドする日本は今日も平和じゃないか。箸が転がっただけで笑う女子高校生も、異性の話で盛り上がる大学生もみんな。

 今日も生かされていると感じる。私は本当に生かされるタイプの人間。生きるタイプの人間に比べて消極性生命。それでも尚、幸せを追い求めている。

 弱みにつけ込んでごめん。あんま覚えてないけど夢への入り口でそう言われた。

 んーん、大丈夫。って笑った。謝れるなんて優しいねって言ったら君も照れ臭そうに笑った。なんだちゃんと笑えんじゃん。好きの狭間で生きていて、こんな関係も悪くないねって問題大有りだけど大丈夫?

 君が私の弱さにつけ込んだように、私も君の優しさに甘えたみたい。寝ぼけ眼で君の顔をなぞる。

 彁。

 会いたいと言ったらすぐに会ってくれる。それなのに心に穴が空いたように何も満たされない。そりゃ穴が空いてたらなにを注いでも溢れていくけどさ。

 元気いいねってつい漏らした。恥ずかしそうに笑わないでよ。思い出すのは笑顔ばかりでちょっと悔しい。

 ああ今日も君が溢れ出る。雨が涙を流すように、風が心を冷ますように、ベンチに腰掛ける。

 カモミールの香りに身を委ねる。ちょっと甘えてお風呂あがりにドライヤーをかけなかったらかけてくれる。髪の毛触るの好きなんだねって、なにも知らないところからスタート。君が幸せならそれでいいよ。それが私の幸せだよって本当だよ。ごめん、角砂糖に想いを溶かす。ちょっと甘ったるいね。

 槞。

 間違えちゃった。誤魔化すようにそう言ったのだけど、その言い訳はちょっと厳しかったみたいで、焚きつけちゃったみたい。ズルイなって言うけど、その笑顔の方がズルいんじゃない?慣れたフリするのもいじらしいしね。

 でも、ごめんまだ愛しいわけじゃないんだ。私はどうしようもないくらいの愛を愛しいと伝えていたし、この日本語を作った人を称賛したいくらい言葉自体を愛してきた。

 言葉への愛を分けれるほど私は軽くない。

 それでもちゃんと下書きから上書き保存へ。私は今日も言葉を紡ぐ。(ほつ)れないよう祈りを込めて。

 貴方の言葉なんてもう信用しないよ、君はただ私を慰めてくれるけどさ。

 君は好きと言う言葉を乱発しすぎ。真に受けたって悲しくなるだけなのに。新しく進むのがめんどくさいよねって、私には歩かせようとするのに?

 元気出せよ。の一言でちょっとは頑張れるけどほんのちょっとだけね。ドアにカエルのマグネット、そして鍵。お散歩しよって手を繋いでコンビニへ。君は好きなプリンを当たり前に二つ買ってくれて、一つ私にくれた。

 最近、食欲ないんだよね。

 でもこれ美味しいから、一口でいいから食べてみて。

 深夜3時の甘いプリンと、慈しみのキス。この感情は?これもまた彁。

 閠。

 貴方の言葉に泣きもしなかった。冷静だった。そう、すでに冷めていた。

 君の笑顔で溶かされていく。()ける。融ける。君を使って乗り越えさせてもらうよ、ほんとごめん。

 大丈夫、貴方のことはちゃんと忘れるよ。迷惑かけてごめんね、好きにさせれなくてごめんね。

 ああ今日も自己嫌悪。気付いたら朝。

 この前の深夜とは大違い、潰れるくらいの夜はやっぱちょっとね。モンスターボールを飲みながらこれって業があるねって言ったら、いつもそんなこと考えてんの?って言ってたっけ。ハイボールは飲めないくせに焼酎は飲めるんだ。私と逆だね。口の中で二つのお酒が混じる。そして目が合う。……微笑む。

 蟐。

 今日も私は生かされてる。老若男女関係なしに、好きな人も嫌いな人も関係なしに。ただ私は生かされる。友達に今日も生かされる。私は今日も平和を願う。全人類が幸せになれるように、貴方が、君が、幸せになれるように。私は今日も人間が好き。これが人類愛。

 日々の平和を、貴方が創造する歌を、今日も明日も庶幾う。




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