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「ちなみに声音、および人格構成はsi●iを媒体にしている様です」
追加でそんな情報をくれたが、それは別にいらん。
「あぁ、道理で聞いたことある声なわけだ。散々アレで遊んだからなぁ。で、何でiPh●neが人間になったんですか?」
そんなことより、何でそんな携帯端末機が擬人化するとか、ファンタジーやメルヘンみたいな事が起こったのか説明して欲しい。
「不明です。私の中にある情報だけでは『人間になった』というこの状況を説明することができません」
「へぇ……」
気の抜けた「へぇ」でした、言い返せなかった。
言いたい事はたくさんあったけど、どれから言えばいいのか、どういえばいいのか、アタシの中でそれらの整理が追いつかなかった。
そもそも整理できたからと言って、理解できるとは言っていない。
大人達は「分からないことを分からないままにしてはいけない」とよく言うが、どんなに考えたってよ分からないことが世の中にはたくさんあるでしょうよと、私は声を大にして反論したい。
要するに考えてもよく分からないから、そのうち千尋は考えるのをやめた――。
★イケメンさんの【 Physical 】は、【 1pt 増加 】しました。
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