1-≪ 66 ≫
≪ 66 ≫
「ちょっと提案なんだけど」
「提案でございますか? お聞かせ願えますか?」
相手はあくまで敬語を通すつもりのようだが、自分の持ち物に敬語で返すのもアホらしい。
もうこの際、タメ口でいいや。いいよね? 怒んないよね?
一応、アタシのiPh●neだったらしいし、ピンチのアタシを助けてくれた命の恩人だ。
危害を加えようとしてくるわけでもない。むしろ、丁寧に受け答えをしてくれる。
悪い人には見えない。信用してよさそうだ。
もし襲い掛かってきたら、急所でも蹴って戦闘不能にしてから逃げればいい。
よし、それで行こう。
「その名前、変えない?」
「それは……つまり私の名前をiPh●ne 4sから変更すると言う事でしょうか?」
この場にニックネームを変えてくれる姓名判断師はいないけど、独断と偏見で実力行使しようと思う。
「うん、そう言う事。アタシ、貴方を作った会社と裁判したくないからさ」
ふむ、と顎に手をやって考え込むような仕草をする。
悩んでるのかな? そうだよね、貴方のアイデンティティーだもんね……。
アタシもいきなり名前変えろ、とか言われたら悩むわ。
……かと思っていれば、妙に納得したような表情でこっちを見て頷いた。
「了承いたしました。私はマスターの意志に従います」
即断即決、ありがとうございます。
融通が利く携帯端末機で助かります。
「そうと決まれば早速……。何か名乗りたい名前の候補ある?」
「私ごときがこのような重要な事を独断で決める事は出来かねます。命名はマスターにお任せします」
お、いいの? アタシが勝手に付けちゃっても。
じゃぁ、遠慮なく……。
●○●CHOICE TIME!●○●
「アレに似てるから、セバスチャン!」 …… ≪ 12 ≫ へ進んでください。
「iPh●neなんだし、ジョブズでしょ」 …… ≪ 41 ≫ へ進んでください。
「黒いスーツだから、クロにしようかな」 …… ≪ 101 ≫ へ進んでください。




