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……ある。
ミサキの言葉を信じるなら、あのおかしな状況に、納得のいく説明をつけられるロジックが……ある!
その可能性に気付くと、俺は合宿先のホテルへと連絡をいれた。
あのとき受付にいた従業員を呼び出して貰おうとしたら、電話口からこんな言葉が返ってきた。
「実は……彼は今年の九月の初めに亡くなっておりまして……」
「亡くなった?」
実に意外な言葉だった。
……いや、ある意味それは当然かもしれない。
俺はある確信を持ちながら、聞いた。
「亡くなったって……?」
「それが……通り魔にやられたらしいのです」
ピッ。
電話を切る。
それだけで、十分だった。
俺たちが宿帳に名前を書いた時にカウンターにいたホテルマンは、今年の九月の初めに……つまり、合宿が終わって間もなく、殺されている。
でもってこのケイオス・ラブを元に創りだした電脳世界は、基本的には人死には出ないようになっている。
であるならば。
ホテルマンは、自我の芽生えたAIこと糸の切れたマリオネットに殺されたのだ。
その意味が、今の俺にはわかる。
今の俺――ミサキを信じることにした俺には。
だって、そのことで、ホテルマンに訊ねたいことがあったのだから。
彼に話を聞けなくなった以上、考えるしかない、俺は、自分自身の頭で。
出来るだろうか、俺に?
……いや、出来るハズだ。
すでに、ヒントは出尽くしているのだから。
だからあとはただ、考えるだけでよかった。
考えろ。
ここまでくれば、ほとんど答えは出ているようなものだ。
………………
…………
……
やがて俺は、真相へとたどり着いた。
誰がヒロインたちを殺していたのか。
誰が糸の切れたマリオネットなのか。
誰に自我が芽生えたのか。
俺は、そこに、とうとう――たどり着いてしまった。
あるいはそれは、終わりの始まり。




