表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/12

00 プロローグ

私の名前はクーデリア・ハーレクイン。大国ハーレクイン王国の第一王女です。

本来ならぬくぬくと何不自由なく暮らしやがてその辺の高級貴族の嫡男と政略結婚して、それからも贅沢の限りを尽くせるような身分です。そう、本来なら。

我ながら災難な時代に生まれたものだと思うのです。

誠に遺憾なことに私が生まれて間もなく魔王が勇者に打たれて以来おとなしかった魔族の動きが活性化。

なんごとかありけんと調べてみれば、魔王復活の大凶報です。

それからというもの伝承に従い勇者召喚を行うべく第一王女たる私の地獄の英才教育がスタートです。もう死ぬかと思いました。何度知恵熱でぶっ倒れたことかわからないのです。

そしてそんな苦労も今日報われるのです。

魔王のせいで既に大勢の人が死んでしまったのはとても悲しいです。けど、それも今日までなのです。なぜなら、この私が今日行われる勇者召喚の儀式を成功させ、勇者を召喚し、地獄の英才教育(もはや特訓だったのです。その辺の兵士よりよっぽど頑張ったのです。(T ^ T))により鍛えられた私の力で勇者様をサポートし、見事魔王を倒してみせるからです!

そして、そのあとは勇者様と……


「これより勇者召喚の儀式を始める。」


おっと、いけませんです。いつの間にか儀式が始まってしまったのです。

クーデリアは慌てて気を引き締め直す。


「それでは、クーデリア殿下。」


宰相様に勧められてクーデリアは魔法陣にゆっくり近づいていく。

予習は完璧です。どこにどういう順で魔力を流していくかも完璧に覚えているのです。きっと大丈夫です。

と、クーデリアは緊張で手汗びっしょりになった手を握って覚悟を決める、再び開いて魔法陣にかざす。


「始めますです。」


その場に集まった重鎮たちは密かに思った。いくら時間がなかったとはいえもう少しぐらい言語訓練の時間もとるべきだったかもしれない、と。

クーデリアの魔力が魔法陣に流れ出す。

ん、あれ?思ったより簡単なのです?これがこうでここをこうやって……あ、なーんだ。全然楽勝なのです!緊張して損したのです!こんなのよっぽどのおバカさんじゃないと失敗しっこないので、あっ!ちがっそづちじゃなかったのです。まずいのです。今致命的な失敗をした気がするのです!あ?あれ?でも完成しーーー


凄まじい光が魔法陣から放たれ、儀式場は一面真っ白に塗りつぶされた。


そして、


「ク、クーデリア殿下?」


光が収まると、勇者がいないどころか、クーデリア王女まで忽然と姿を消してしまったのであった。










それは当然だった。春哉が6歳年下の妹と一緒にのんびりお風呂に入っている時だった。

ドボンッ


「きゃあぁぁぁ‼︎なに!?お湯⁉︎どこーー?!ここーー?!助けてェ!」


春哉と妹の冬華は突然湯船の中に出現した女の子を口と目を限界まで開いて、見つめるしかできなかった。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ